エンジニアの採用単価の相場一覧!コスト削減の方法も解説

エンジニアの採用単価の相場一覧!コスト削減の方法も解説

IT業界の拡大に伴い、エンジニア採用の拡大が企業における足元での課題となっています。しかしながら
・エンジニアの採用単価の相場がわからない
・エンジニアの採用単価を抑えたい
・エンジニアの採用単価を抑える採用手法を知りたい
という方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、「エンジニアの採用単価の相場」や「エンジニアの採用単価を抑えるポイント」「エンジニアの採用単価を抑えられる採用手法」を紹介します。

監修者情報

監修者用
プロジェクトHRソリューションズ代表取締役
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月プロジェクトHRソリューションズを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

採用単価とは?

採用単価とは、社員やアルバイト店員等を1人雇うために発生する採用費用のことを言います。採用費用には採用活動に使った人件費や、求人広告費、採用代行サービスへの委託費用等が含まれます。

採用単価が低いほど、効率の良い採用活動ができたということになります。そのため、採用する際には採用コストだけではなく、採用単価も重要な指標となります。

採用単価における内部コスト/外部コスト

採用にかかる費用は内部コストと外部コストの2つに分かれます。

内部コストは、企業内部で発生するコストのことを示しており、以下のようなコストが含まれます。
・採用活動に携わる社員の人件費
・応募者への交通費
・入社祝い金など

外部コストは、企業外部で発生するコストのことを示しており、以下のようなコストが含まれます。
・求人広告掲載料
・人材紹介手数料
・企業説明会の会場費など

採用単価は大きくこの2つの費用に分類されるため、採用単価を削減したい場合、どちらのコストに問題があるのかをまずは考えましょう。

採用単価の計算方法

採用単価の計算方法は非常にシンプルな立式で求められます。

採用コスト÷採用人数=採用単価」で求めることができます。
また「採用コスト=内部コスト+外部コスト」である点も注意しましょう。

例えば
内部コスト=100万円
外部コスト=500万円
採用人数=15人
というケースを想定しましょう。

この場合、採用コストは「=100万(内部コスト)+500万(外部コスト)」であるため、600万円となります。また、採用単価は「採用コスト(600万)÷採用人数(15)」であるため、40万円ということになります。

エンジニアの採用手法ごとの単価相場

エンジニア採用の採用単価の相場がどれくらいであるか気になる方は多くいらっしゃるかと思います。そこで、採用手法ごとにエンジニアの採用単価を紹介します。

以下が採用手法ごとの採用単価のまとめです。

・人材紹介:約133万円
・求人広告:約55.9万円
・合同企業説明会:約74.8万円
・ダイレクトリクルーティング:約52.4万円
・求人検索エンジン:約41.4万円

人材紹介

人材紹介のエンジニア採用単価は133万円と言われています。

人材紹介会社では、成功報酬を採用するエンジニアの年収の3割としている場合が多いです。また、エンジニアの平均年収は442万円です。そのため、人材紹介会社に支払う成功報酬は442万円×0.3=133万円であることがわかります。

これはあくまで平均値を基にした計算に過ぎないため、採用したエンジニアの年収次第で採用単価は大きく変わる点は注意すべきです。

求人広告

求人広告のエンジニア採用単価は55.9万円と言われています。

全業界の求人広告における平均採用人数は、約4,4人であり他採用手法と比較して、採用人数が多い傾向です。求人広告には、エンジニア採用に特化した媒体があることが利点である一方で、固定報酬型の料金体系の場合、採用の成果が上がらなくとも求人費が発生する点は注意すべきです。

合同企業説明会

合同企業説明会のエンジニア採用単価は約74.8万円です。

合同企業説明会の平均採用コストは104.8万円であり、平均採用人数は1.4人です。そのため、「採用単価=採用コスト÷採用人数」の式に当てはめることで、採用単価が74.8万円となります。

合同企業説明会は、対面にて求職者に会社の雰囲気をアピールできる点が大きなメリットです。しかし、一方でイベント参加の社員の人件費やパンフレット作成といった内部コストや、会場費といった外部コストがかかる点は注意すべきです。一方で、オンラインでの合同企業説明会であれば、会場費等の外部コストを抑えられるため、採用費用削減に繋がります。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングのエンジニア採用単価は約52.4万円です。

IT・通信・インターネット業界の2022年の平均採用コストが141.5万円であり、また平均採用人数が2.7人であったことから、エンジニア採用単価が52.4万円であると求められます。

ダイレクトリクルーティングは、採用要件にマッチした人材を厳選してアプローチができるため、ミスマッチを防ぐことで採用単価を抑えられる可能性も高いです。しかし、スカウトメールの文面を個別で考える必要もあるため、人件費などの内部コストが高まる可能性もあります。また、使用するダイレクトリクルーティングの媒体によってスカウト1通の単価が異なる点も注意すべきです。

求人検索エンジン

求人検索エンジンの採用単価は約41.4万円です。

IT・通信・インターネット業界の2022年の平均採用コストが78.7万円であり、また平均採用人数が1.9人であったことから、エンジニア採用単価は41.4万円と求められます。

Indeedなどの求人検索エンジンは、無料で求人情報を掲載することができ、幅広い求職者に検索してもらえる機会がある点がメリットとなります。

しかし一方で、無料プランでは検索の上位表示されない可能性が高いというデメリットがあります。無料で利用できるサービスにも関わらず、採用単価が0ではないということから、有料プランを活用している企業が多いことが示唆されます。

エンジニアの採用単価が高くなる3つの理由

「エンジニアの採用単価が相場よりも高い」という悩みを抱えている採用担当者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、エンジニアの採用単価が高くなっている理由を紹介いたします。
主に以下2点の理由があります。

エンジニアの人材不足

1点目はエンジニアの人材不足です。エンジニアの人材不足は需要の高まりと供給の停滞という2つの側面が原因となり引き起ります。

まず需要の高まりに関しては、足元でのDXとIT化というIT課題の増加に伴ったIT業界の業界規模の拡大が主な要因となっています。IT業界は、労働集約型の産業であり、運用・保守といった業務において数多くの人員が必要になります。そのため、人材需要の高まりが起こっているのです。

一方で、供給の停滞という側面もエンジニアの人材不足に影響しています。供給の停滞は主に少子高齢化による生産年齢人口の減少によるところが大きいです。生産年齢人口の減少はエンジニアの人材不足にも影響を与えています。

このように、需要の増加と供給の停滞という2つの要因により、エンジニアの人材不足が生じています。

人材不足は、需要の方が供給よりも多い状態(需要過多)であるため、人材1人辺りの単価は高まることになります。

専門性が高まっている

2点目の理由は、専門性が高まっているからです。IT技術の目まぐるしい変化は、同時にエンジニアが求められるスキルも変化させます。

そのため、企業間での専門性の高い優秀なエンジニアを獲得するための競争は免れないこととなります。企業は優秀なエンジニアを獲得するために、他社よりも良い待遇、条件を提示することとなるため、その分内部コストが膨れ上がり、採用単価が上昇します。また、採用代行や有料掲載などのサービスを活用する企業も多いため外部コストが膨らんでいるケースも多いです。

エンジニアの採用単価を抑えるためのポイント5選

エンジニアの採用単価が高くて困っている方のために、採用単価を抑えるためのポイントをいくつか紹介いたします。

採用コストの分析を行う

採用単価の決定要因は外部要因、内部要因と大きく2つに分けられます。外部要因は外部コスト、内部要因は内部コストのことです。

この2つの要因からさらに細かく分解するなどして、要因と思われる部分を細かく見ていきます。原因が見つかった後はその原因を改善するための施策を考案、実施していく必要があります。

エンジニア採用における外部コスト
・求人媒体の手数料
・人材紹介での報酬
・自社サイトなどの製作費

エンジニア採用における内部コスト
・採用担当者の人件費
・現場や役員などの話し合い
・リファラル採用での社員へのインセンティブ費
・広報活動における諸費

採用基準を見直す

採用基準を変えていくことは採用単価の改善に大きくつながっていきます。採用コストに悩みを抱えている企業に多く見られるのが「採用基準が高すぎてなかなか採用できる人材が見つからない」ということです。

人材が見つからないと何回も選抜を行わなくてはいけませんし、より魅力的な広告が必要となります。そのため、人件費や広告費が多く発生してしまい、更なる採用単価の発生に繋がります。採用基準を下げるだけでも、大きな採用単価の削減に繋がります。

採用手法を見直す

採用単価を抑えるには、採用手法を見直すことも1つの手段となり得ます。現状行っている採用手法の採用単価を算出し、費用対効果の高い採用手法にリソースを割くことで採用を最適化できます。

エンジニアの採用手法は幅広いオプションがありますが、サービスにより強みとしている領域が異なる場合があります。
例えば、
・大手企業向けの採用チャネル
・中小企業向けの採用チャネル
・新卒向け
・中途向け
などです。

このように、強みの領域が異なるため、自社が採用したい人材のペルソナを明確化し、ペルソナと合致するサービスを選択することも採用単価を抑えるために必要です。

▪採用のペルソナについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
採用ペルソナとは?作り方や注意点、活用事例も紹介!

派遣社員/フリーランスを活用する

採用単価を抑える方法の1つとして、派遣社員/フリーランスを活用することも挙げられます。派遣社員やフリーランスは業務委託という契約で業務を任せられるため、採用コストがかかりません。

また正社員と比較して、社会保険料や人件費、人材育成にかかるコストを抑えられる点もメリットとなります。

離職率を抑える

採用単価を抑える方法として離職率を抑えることも挙げられます。離職率を下げることによって、長期的に見ると採用活動を行い人員を増やさなければならない頻度が減少することとなります。そのため、離職率低下は採用単価の低下に繋がるといえます。

離職率を低下させるためには、
・福利厚生の充足
・ハラスメント対策の導入
・IT関連の研修手当/資格取得支援など
既存社員の不満等を拾い上げ、改善する必要があります。

低コストでのエンジニア採用手法おすすめ5選を紹介

低コストでエンジニアを採用するための具体的な手法がわからない方はいらっしゃるかと思います。そこで、低コストでのエンジニアの採用手法を5つ紹介します。

SNS採用

SNS採用とは、X(旧twitter)やFacebookといったSNSを通じた採用活動のことです。SNSアカウントの作成と運用が無料で行える点が特徴となりますが、有料サービスであるSNS広告を使って、特定のエンジニアに対して広告を打つことも可能です。

広告を打つアプローチ層は、ユーザーの登録情報だけでなく行動データ等の細かい情報を基に設定ができるため、自社の求める採用ペルソナに対して効率的にアプローチが可能になります。そのため、採用単価を抑えることに繋げられる可能性が高いです。

自社ホームページでの採用

自社で採用のホームページを作成して、そこで求人を募集すれば、これもまたリファラル採用と同じように外部コストをかけずに採用を行うことができます。

また、総務省の調査によると、新入社員の89.6%が企業ホームページを参考にしたと回答しており、応募数自体が増える可能性も高まります。ホームページの運営にはある程度の知識が必要になりますが、それさえ備わっていれば大きな効果が見込めるでしょう。

リファラル採用

リファラル採用は、現在の社員から人材を紹介してもらって入社を進めるという方法です。この方法はなんと言っても外部コストが一切かからず、紹介してくれた社員に対する報酬のみで行えるという利点があります。

また、紹介を受けての採用になるため、企業とのマッチング精度が比較的高いという利点もあります。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、自社にマッチした人材を企業自らが探してスカウトを送る採用手法です。採用担当者が求職者のプロフィールを見たうえでスカウトを送るため、求職者と企業のマッチングが担保されている確率が高いです。

そのため、選考・内定の辞退や入社後のミスマッチによる早期離職などが起こりにくくなり、結果として採用コストを低く抑えることに繋がります。

実際、他採用手法と比較してもダイレクトリクルーティングの採用単価は低い数値となっています。(以下参照)

・人材紹介:約133万円
・求人広告:約55.9万円
・合同企業説明会:約74.8万円
・ダイレクトリクルーティング:約52.4万円
・求人検索エンジン:約41.4万円

エンジニア採用代行

低コストでエンジニアを採用する手段としてエンジニア採用代行もおすすめです。エンジニア採用代行は、エンジニア採用の採用戦略立案から実行までを代行してくれるサービスです。

料金体系は、以下の3種類があります。
・月額一律料金型
・従量課金型
・成功報酬型

採用代行サービスは一般的に、他採用手段と比較して採用単価は高めとなってしまいます。しかし、採用代行ではエンジニア採用に特化した専門家が蓄積されたナレッジを活用して効率的に採用を請け負ってくれます。そのため、長い目で見たときに採用単価を抑えられる場合もあるため、1つのオプションとして検討しておくべきでしょう。

エンジニア採用のコスト削減に成功した企業事例

エンジニア採用のコスト削減が本当に可能なのかどうか、まだ不安な方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、エンジニア採用のコスト削減に成功した企業の事例をいくつか紹介します。

株式会社ユーティル

株式会社ユーティル

引用:https://recruit.utill.co.jp/

1点目の事例は、株式会社ユーティルの事例です。当該企業は、自社ホームページでの採用を強化した事例になります。

株式会社ユーティルは、企業のデジタル化(DX)を支援する総合プラットフォームを目指している企業です。
・ホームページ制作に悩む方々の相談カウンター『Web幹事』
・新規事業として動画制作の相談カウンター「動画幹事」
・システムに関する相談カウンター「システム幹事」
などの事業を展開しています。

当該企業は、採用サイトを強化することによって、採用コストを1/10に削減しています。採用サイトの強化とは具体的には、「臨場感のあるコンテンツの制作」のことであり、候補者が働きたい要件を満たせるようなコンテンツを制作しています。

参考:https://hypex.jp/articles/recruitment-cost

パスクリエイト株式会社

パスクリエイト株式会社

引用:https://www.pathcreate.co.jp/

2点目の事例は、パスクリエイト株式会社の事例です。当該企業は、wantedlyの運用によって採用単価を削減した事例です。

パスクリエイト株式会社は、オウンドメディア事業・コンサルティング事業によって社会的課題の解決を目指しています。従来までは。人材紹介サービスを活用していましたが、採用コストの増大に悩んでおり、wantedlyへの移行を行いました。

wantedlyでのストーリー機能を活用し、社員紹介や業務内容の紹介を行い、企業の魅力やカルチャーを求職者に訴求しました。

結果、採用コストを89%削減することに成功しています。ストーリー機能だけでなく、wantedlyのダイレクトスカウトにより採用活動が効率化されたことも採用コストの削減に起因していると考えられます。

参考:https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/engineer_unit_price/

カラビナテクノロジー株式会社

カラビナテクノロジー株式会社

3点目の事例は、カラビナテクノロジー株式会社の事例です。wantedlyのダイレクトリクルーティングの活用によってコスト削減を成功させた事例になります。

カラビナテクノロジー株式会社は、福岡県にてwebやアプリの制作を行っている企業になります。当該企業は、候補者の母集団が小規模であることに課題を抱えていました。

しかし、wantedlyを活用することで、社員紹介や社内制度を求職者に伝えることでミスマッチを減らすことに成功。結果として、採用単価を12万円にまで減らすことができました。

ダイレクトリクルーティングの平均採用単価は約50万円であるため、当該企業の採用単価は非常に低いことがわかるかと思います。

参考:https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/engineer_unit_price/

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では「採用単価の相場がわからない」や「採用単価の削減方法がわからない」方に向けて、採用単価の相場、採用単価を抑えるポイント、採用単価を削減した成功事例を紹介しました。

今回の記事が多くの方のエンジニア採用に役立てていただけたら幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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