組織と人との関わりのビジョンを示した人事ポリシーの策定をされていますか?
・人事ポリシーを策定したいけど作り方がわからない
・作る際のポイントがわからずなかなか着手できない
・事例を見て書き方を参考にしたい
などお困りのご担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで、事例はもちろん、作り方・ポイント、そもそも作る目的は?など解説します。
ぜひ参考にしてみてください!
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人事ポリシーとは?
人事ポリシーは会社や経営者の「人」に対する考え方を示したものです。
これは価値観や哲学に根ざした人事方針であり、人事に関係する様々な決定をする際に大前提となります。つまり人事制度の核となるルールになります。
具体的には、採用基準、昇進基準、評価方法、給与体系、労働環境の方針などが含まれます。
人事ポリシーは通常企業のHPなどで公開され、誰でも読めるようになっています。人事ポリシーを読むことによってその企業がどのような人材を求めていて、どのような評価制度なのかを知ることができます。
4つの人事ポリシー
人事ポリシーに書かれる内容は4つに分類することができます。

Philosophy(価値観・哲学)型
これは人材や人事に対する会社の価値観や哲学を示すものです。会社がどのような「人」でありたいかということを表現する内容であり、経営理念や社訓として組み込まれているケースもあります。
Requirements(要件)型
これは会社がどのような人材を欲しているかということを示すものです。会社が社員に求める要件を言語化しています。高い専門性を持った人材や高い倫理意識を持った人材とい
うように会社が欲しい人材の特徴を示します。
Way(行動・心得)型
これは社員の持つべき心構えや、なすべきことを示すものです。会社が社員にどのような行動や態度をとって欲しいのかを言語化します。Requirements(要件)型のものをより具体的に表現するものであり、求職者だけでなく現場の社員にまで行動の規範を示します。
Policy(方針)型(マネジメントポリシー)
これは人事に関する具体的な方針(採用・育成・配置・代謝・報酬・評価)をどのように行うのかを示すものです。会社が社員に何を行うのかを言語化します。会社によってはマネジメントポリシーとも呼ばれます。
人事ポリシーが必要な3つの理由
人事ポリシーを策定する目的は以下の通りです。
- 求職者に対してのアピール
- 世間・顧客に対するアピール
- 人事制度の整備の指針となる
これらを解説していきます。
求職者に対してのアピール
会社が社員をどのように扱うのか、どのような理念に基づいて人事評価をするのかということを求職者は知りたがります。そこでHPに掲載された人事ポリシーを見て、その会社への志望を決めることもあります。
また、企業がどのような人材を求めているのかを伝えることができます。求める人物像を明確にすることで求職者とのミスマッチを防ぎます。
世間・顧客に対するアピール
その会社がどのような理念を持った会社なのかということを人事ポリシーを通じて知ることが可能であり、会社のイメージ形成につながります。グローバルな人材を受け入れる土壌はあるのか?また、どのような理念のもとで仕事をしているのかということは顧客の意思決定において重要な役目を果たします。
人事制度の整備の指針となる
人事制度を法律とすると人事ポリシーは憲法にあたります。人事制度を整備するにあたって人事ポリシーを大前提として組み立てていきます。そして整備した人事制度が人事ポリシーと矛盾しないかを確認することで一貫した人事制度を整備することができます。
人事ポリシーの作り方
人事ポリシーの作り方は、以下が挙げられます。
- 企業の理念や経営方針を整理する
- ポリシーに盛り込むべき内容を明確にする
- フレームワークを使って考えを整理する
これらに分けて解説していきます。
企業の理念や経営方針を整理する
人事ポリシーは、企業の理念や価値観を人材マネジメントに落とし込んだものです。
そのためまず初めに、自社の経営理念やビジョン、今後目指す方向性を明確に言語化しておくことが大切になります。
この段階では、人事部門単独での判断ではなく、経営陣との対話を通じて共通認識を築くことが重要です。
ポリシーに盛り込むべき内容を明確にする
人事ポリシーは企業のHPに公表されるものであり、多くの人に読まれます。
そのためできるだけ簡潔に分かりやすく書く必要があります。その中で記載するおすすめの事項は以下の通りです。
・会社の「人」に対する基本的な考え方
・求める人材像
・社員の持つべき価値観
・採用、評価の設定基準
・教育について
Philosophy(価値観・哲学)型の基本からはじめて、会社から社員への要件、会社が社員に与えられること、というような流れが一般的になっています。
フレームワークを使って考えを整理する
人事ポリシーを作成する際にフレームワークを用いる方法もあります。人事戦略等でよく用いられるものはこれらのものです。
- SWOT分析
- TOWNS分析(クロス SWOT分析)
- ロジックツリー分析
- 根本原因分析
- CATWOE分析
- ケプナー・トリゴー(Kepner Tregoe)分析
- SCAMPER分析
- VRIO分析
- PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)分析
- PEST 分析
フレームワークを用いる場合は、これらによって漏れなく課題把握をし、合ったポリシーを考えることができるようになります。
人事ポリシー作成のポイント
人事ポリシーを作成する際のポイントを3つご紹介します。
- 会社の規模に合った人事ポリシーの策定をする
- 多言語対応
- 評価、報酬についても記載する
これらについて解説していきます。
会社の規模に合った人事ポリシーの策定をする
人事ポリシーの想定する社員数のキャパシティを超えてしまうと社員とのミスマッチが発生する可能性があります。将来を見据えた人事ポリシーの策定するとよいでしょう。
多言語対応
グローバル人材を募集しているのに人事ポリシーが日本語でしか表示されないというのはいかがなものでしょうか。英語版のページも用意しておくことが好ましいです。
評価、報酬についても記載する
社員に求めることだけが先行して社員に与える内容が不足していませんか?評価・報酬の記載は人事制度を整備する際の前提となるため設定することが望ましいです。また、求職者がこの会社で働きたいと思うような人事ポリシーを作成することが大切です。
人事ポリシーの実例5選
人事ポリシーの実例を5つ紹介します。
メルカリ
メルカリの人事ポリシーは、ミッションとバリューとして記載されています。
ミッションでは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」という会社全体の価値観が共有されています。
バリューでは、さらに細かく行動指針が示されています。
ホームページの構造もクリエイティブで印象深くなるよう作成されていることがわかります。
参照:メルカリ ミッション
ソフトバンク
ソフトバンクが掲げる人事ポリシーは短くまとまっており、分かりやすい言葉が使われています。はじめに大まかなまとめを記載し、その後に「会社全体として目指す目標」「どのような人を評価するか」「成果に正しく報いる報酬」というような流れになっています。
チャレンジする人にチャンスを与え、活躍した分だけ成果に報いると明言していて、社員のやる気を出すような人事ポリシーになっています。
参照:ソフトバンク 人事ポリシー
アマゾン
「チームを持つマネージャーであるかどうかにかかわらず、全員がリーダーである」という考えに基づいて、「Our Leadership Principles」という、全社員が大切にすべき14項目の行動指針を設けています。
カスタマー第一とするような内容が多く、アマゾンが求める理想の社員像というような印象を受けます。
参照:Amazon 求める人物
みずほフィナンシャルグループ
グローバルで開かれた総合金融グループであり、日本や世界の発展に貢献することを目指します。また、社員が仕事を通して人生を豊かにすることを目指します。
みずほの人事ポリシーは3章からなり、他社と比較して分量が多いです。社員の目指す場所や評価、報酬について詳細に記述されています。
参照:<みずほ>の人事の基本ポリシー
サイボウズ
離職率が28%と過去最高を記録した2005年以降、組織や評価制度を見直し、ワークライフバランスに配慮した制度や、社内コミュニケーションを活性化する施策を実施。
社員が自分らしく働くことができるような制度策定に取り組んでいます。
サイボウズの人事ポリシーは人事ポリシーに相当するワークスタイルの変革について記載されています。
人事ポリシーを作成する際の注意点
人事ポリシーの策定に際しては、慎重な配慮が求められます。
- 抽象的すぎる内容の回避
- 社内外への公開範囲の検討
- 策定後の見直し・メンテナンス体制の構築
これらの、特に留意すべき観点について解説します。
抽象的すぎる内容の回避
人事ポリシーは、企業として大切にする価値観を明文化するものである一方で、現場で活用される実用性も求められます。
そのため、理念や理想を語るあまり、抽象的な表現に終始してしまうと、具体的な行動に落とし込むことができず、実務上の指針として機能しなくなってしまいます。
人事ポリシーは理想論ではなく、実際の制度運用や評価にどう反映されるのかを念頭に置きながら策定することが重要です。
社内外への公開範囲の検討
人事ポリシーは社内文書として閉じておくべきか、それとも外部にも公開するかという点については、企業ごとに判断が異なります。
近年では、採用活動の透明性向上や企業のブランド価値を高める観点から、ポリシーを積極的に社外へ発信する事例も増えています。
ただし、公開する範囲や表現には注意が必要です。
社内の施策と整合性が取れていなければ、外部からの評価を損ねる結果にもなりかねません。
策定後の見直し・メンテナンス体制
一度策定した人事ポリシーは、それで完成ではありません。
ビジネス環境の変化や組織の成長段階に応じて、定期的に見直すことが不可欠です。
特に中長期で人材戦略を見直す場合や、評価制度を改定するタイミングでは、ポリシーとの整合性が取れているか確認する必要があります。
人事ポリシーについてよくある質問(FAQ)
人事ポリシーについてよくある質問をまとめました。
人事ポリシーは誰が策定すべきですか?
経営層と人事部門が連携して策定するのが理想です。
これは、トップの価値観と現場の実態を両立させることが重要であることが理由です。
社内で人事ポリシーを浸透させるにはどうすればいいですか?
経営メッセージへの組み込みや研修での活用、評価制度への反映など、日常業務に組み込む工夫が鍵になります。
人事ポリシーと経営理念の違いは何ですか?
経営理念は企業全体の存在意義や価値観を示す抽象的なコンセプトで、会社の「なぜ存在するか」を語るものです。
一方、人事ポリシーはその理念を「人」に落とし込んだ実践的な方針であり、採用・評価・育成など日々の人事運用に直結する具体的なガイドラインです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は人事ポリシーについて書き方のポイントや実例を紹介しました。会社が「人」をどのように扱うのかについての原則を定める人事ポリシーの策定は会社のイメージを向上させ、「人」に関する問題の解決につながるのではないでしょうか。
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