こんにちは。digireka!HR編集部です。従来の年次のマネジメント手法では、迅速かつ柔軟な対応が求められるグローバル化に対応できない恐れがあります。そこで現在注目されているのが、より短期的なフィードバックを行うパフォーマンスマネジメントです。
今回はその特徴を従来の手法と比較したうえで、スターバックス含むパフォーマンスマネジメント導入の事例、また導入を手伝うツールについて徹底解説します。
パフォーマンスマネジメントとは?
パフォーマンスマネジメントとは、従業員の行動と結果を結びつける人材管理の手法の一つです。年次の評価ではなく、従業員が一定の結果を出すごとに継続的にフィードバックを行うため、より成果に直結した業務改善が期待できます。
従来のマネジメント手法の問題点
・現代のビジネス環境に追いつかない
従来、目標に対する評価は年に1、2度しか行われません。しかしグローバル化の進む今、ビジネス環境の変化は速く、半年前に立てた目標が既に実態にそぐわないといったケースが生まれてきています。
・社員の意欲向上や成果に結びつきにくい
仕事の結果と評価の時期が離れると、その分、社員にとって行動と評価が結びつきにくくなりフィードバックの実感が薄れてしまいます。それでは評価の意味自体が失われ、社員の学びにつなげることができません。
・評価にかける時間と体力が膨大
評価が年に1度や2度の場合、評価者が評価を行う範囲は1年や半年分の社員の勤務状況となります。そのため評価者の負担が大きく、評価者自身の業務効率を低下させる恐れがあります。
パフォーマンスマネジメントのメリット
・上司・部下の連携を強化できる
パフォーマンスマネジメントでは社員が結果を出す度に上司がフィードバックをします。定期的に業務の進捗が確認できるため、上司・部下間で目標達成に向けた意識を共有でき連携を取りやすくなります。
・社員の学習効果が高い
社員にとって行動や結果についての記憶が明らかなうちに評価が行われるため、改善点を業務に反映しやすくなります。自身の評価への納得感も高まり、パフォーマンス向上につながります。
・前向きな軌道修正ができる
パフォーマンスマネジメントの面談における話の主眼は、過去の反省ではなく目標達成に向けた未来の取り組みに置かれます。過去のミスや不出来を叱責するのではなく、次に向けた改善点の考察といった成長支援を行うことで、無理に気負わず前向きに軌道修正することができます。これは社内の雰囲気作りにもつながります。
・スピード経営ができる
定期的なフィードバックにより、逐一目標と行動を確認・再設定することができます。これにより業務がスムーズに進行し、また市場の変化にも柔軟に対応できるため国際的な競争力が高まります。
パフォーマンスマネジメントのサイクル
1.目標設定
パフォーマンスマネジメントでも、従来のマネジメント手法と同様にまず目標設定を行います。社訓や組織の事業戦略などを念頭に、個人やチーム単位での目標や行動指針を取り決めます。
2.コーチング
コーチングとは相手の話に耳を傾け、観察や質問を通して相手の中にある答えを引き出す手法のことです。パフォーマンスマネジメントでは上司がコーチングの技法を積極的に活用し、部下に目標達成に向けてのアクションを発信させます。問いかけながら必要に応じて支援することで、部下に当事者意識を持たせ、主体的な行動を促します。
3.フィードバック
パフォーマンスマネジメントで最も重要な過程です。従来のような社員のランク付けは行わず、目標とプロセスの理解の徹底に努めます。数値やデータといった客観的証拠に基づき、問題点と解決策を明確に示したうえで改善点や次への活かし方を考えます。場合に応じて、目標を設定し直すなど柔軟な対応も可能です。
パフォーマンスマネジメントの導入企業例
スターバックス コーヒー ジャパン株式会社
スターバックスではアルバイト含む店員を「パートナー」と呼びます。そしてパートナーに対し、4か月に1度面談を行って目標設定とフィードバックをさせます。4か月の振り返りと成長目標、目標へのプロセスを問いかけることで、社員の内発的動機を引き出しモチベーション向上と業務改善につなげています。
アドビ株式会社
アドビ株式会社では、2012年に「チェックイン」という新しい人事評価制度を導入しました。これまでの年1回の年次評価をやめ、上司と部下の面談機会を3か月に1度行っています。フィードバックを継続的に行うことで、社員のアイデア共有とスキルアップを促進しており、導入以降は離職率が過去最低水準にまで低下しています。
ゼネラル・エレクトリック(GE)
2016年、仕事の達成度を9パターンに分類して評価する「9ブロック」を廃止し、コーチングを重視した「PD(パフォーマンス・デベロップメント)」に移行しました。新制度では未来のパフォーマンスに着目し、上司と部下の1対1の面談を通じてパフォーマンス向上を促します。
株式会社三栄建築設計
これまでは年2回のフィードバックと社員の5段階評価を行っていましたが、それらを廃止し四半期ごとの面談を設定しました。面談において、上司はコーチングに徹し部下が必要とする支援を引き出しながら、部下をサポートする手法を用いています。
パフォーマンスネジメントのツール
パフォーマンスマネジメントを導入する際に役立つツールを紹介します。ツールを使うことで従来の手法からの移行がスムーズになり、パフォーマンスマネジメントを定着させやすくなります。
1on1naviは、OKRに対応した目標設定と1on1の管理を同時に行えるシステムです。目標と現状を可視化し、共有できるため上司と部下の交流をスムーズにします。また1on1でのフィードバックを記録できるため、日々の成長を実感しながら業務を行えます。
Wistant
Wistantは、マネージャーが「いつ誰にどんなサポートをすべきか」を明確に把握できるよう設定された管理システムです。1on1のためのペア・スケジュール設定やMBO・OKRといった様々な手法に対応した目標設定ツールを搭載し、マネジメントの分析・改善を補助します。
Habi*do
Habi*doは、成果や結果だけでなく日々の業務プロセスをデータとして管理し、1on1ミーティングのマネジメントコストを軽減できる管理システムです。日々の目標の達成状況やタスクの実行状況を1日1分程度で確認でき、テレワークや直行直帰業務にも対応できます。
HiManager
HiManagerは、リモートワーク下での社員や組織管理、チーム作りに適した管理システムです。「OKRツリー」の機能によって会社・チーム・個人ごとの目標を可視化し、相互のつながりを意識した目標管理が行えます。マネジメントの現状を把握するためのエンゲージメントサーベイもあり、1on1ミーティングの効率化を促します。
Reflektive
Reflektiveは、リアルタイムな評価を継続して行うための管理ツールです。通常業務のレビューや業績が蓄積されるため、フィードバックの活発化に役立ちます。Gmail、Outlook、Slackとも統合可能なため、部下は上司からのフィードバックを即時受け取ることができます。
まとめ
パフォーマンスマネジメントを用いることで、市場の急速な変化にも対応可能な目標設定と行動管理が行えます。最近ではリモートワークにも対応可能な各種ツールも生まれきて来ているため、この機会に導入を検討してみるのはいかがでしょうか。
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