昇給制度を徹底解説!一般企業の昇給状況や見直しの事例などを詳しく解説します。

こんにちは。digireka!HR編集部です。近年、グローバル化にともなって昇給制度を見直す企業が増えてきています。そこで今回は、昇給制度の説明から近年の昇給制度の変化、見直しに伴う助成金や企業の一般的な昇給状況に至るまでを詳しく解説します。

昇給制度とは

昇給とは、勤務年数や職務上の昇格に応じて給与を増額することです。

そして昇給制度とは、会社ごとに取り決められた、昇給時の社員の給与改定の仕組みを指します。

定期昇給制度とベースアップ(ベア)

年に1回の昇給には、主に定期昇給制度とベースアップ(ベア)の2種類があります。

定期昇給制度

定期昇給制度では個人の能力の伸長や実績によって基本給が上昇します。多くの場合は年齢や勤続年数に応じて増額するため、「年功序列」の制度といえます。定期昇給制度の会社では賃金カーブ(賃金の上昇具合)が維持されており、社員の基本給は賃金カーブに応じて決定されます。

ベースアップ(ベア)

ベースアップ(ベア)では会社の賃金表や賃金カーブの全体的な引き上げによって賃金が上昇します。個人単位の昇給である定期昇給制度とは異なり、全従業員の基本給が底上げされるため、賃金総額が大幅に増加します。

定期昇給制度導入のデメリット

日本で従来採用されてきた定期昇給制度は、年数を経れば確実に給与が上昇するために従業員の生活安定や企業側の管理のしやすさというメリットがあります。しかし一方で、最近では定期昇給のデメリットが指摘されています。

人件費の負担が大きい

社員の勤務年数につれて自動的に給与が上昇するため、会社側の負担も年を経るごとに増加します。企業規模の拡大の際にも、社員の増加に応じて負担額が増加するため企業の成長の足かせとなる可能性があります。

個人の成果に見合わない昇給

定期昇給制度では、成果を出していないが勤務年数の高い、年配の社員も昇給の対象となります。給与額に見合わない業績の社員も昇給するため、会社側として理に合わない支出となります。

社員のモチベーションの低下

業績の向上に関わらず、勤務年数に応じて昇給するため実力ある若手社員の意欲を低下させる恐れがあります。社員がやりがいや成長を感じられず、スキルアップへの意欲を失えば会社全体の業績の低下にもつながりかねません。

昇給制度見直しの2つのパターン

上記のようなデメリットが指摘されるため、昇給制度の見直しを行う企業が増えてきています。実際の変革の例として、以下の2つのパターンが挙げられます。

昇給停止年齢の引き下げ

昇給が停止する年齢を定義また引き下げることで、自動的な賃金上昇に歯止めをかけることができます。全国の平均停止年齢は48.9歳とされていますが、中規模企業では30代後半頃とされ企業規模によって傾向が異なります。定年退職を迎えるまで昇給が続く企業は、現代では17.6%と低い割合になっています。

成果昇給制度への移行

成果昇給制度企業業績への貢献度に応じて賃金を決定する制度。勤務年数や年齢に関わらず、個人の実力や成果に応じて昇給します。

定期昇給制度自体を廃止し、成果昇給制度へと移行する企業も増えてきています。成果昇給制度では職務遂行や業務達成度に応じて賃金が決定されるため、定期昇給制度の課題を回避することができます

成果主義に基づいた人事評価として、職務等級制度や役割等級制度が挙げられます。それらに関する詳しい情報は、以下の記事にまとめているので参考にしてみてください。
参考:ミッショングレード(役割等級制)とは?導入におけるメリット・デメリットを徹底解説しました。

昇給制度見直しの事例

実際に定期昇給制度を廃止した企業を3つ紹介します。

キャノンの事例

キャノンは国際競争力を高めるため、組織の生産力向上と高品質の維持を目指して範囲職務給制度(ミッションバンド)を導入しました。新制度では定期昇給制度を廃止、目標管理制度に代わってミッション評価を徹底、また退職金制度をポイント制に移行し、職務とは関係のない手当や福利厚生の改革がなされました。

ソニーの事例

ソニーは2015年から全社員を対象にジョブグレード制を導入しています。新制度では年齢や勤務年数によらず、個人の果たした役割に着目して評価を行います。管理職の比率の低下、意欲ある若手社員の登用、また人件費削減による国際競争力の強化を狙っています。

日立製作所の事例

2014年10月、管理職を対象に従来の年功序列制度を廃止し、グローバル共通の能力給制度に切り替えました。新制度では、各職務の役割や職責を国際的な統一基準に応じて評価します。成果に応じた報酬を可視化することで従業員のモチベーション向上を促しています。

人事評価改善等助成金とは

「人事評価改善等助成金」とは、生産性の向上、賃金アップおよび離職率の低下を目指して厚生労働省が発表した、人事評価制度と賃金制度整備を行う事業主に与えられる助成金です。次の2コースの実施によって申請が可能となります。

(1)制度整備助成・・・50万円
①人事評価制度を年1回以上行う
②賃金アップを含む賃金制度の整備を行い、就業規則等に規定する

(2)目標達成助成・・・80万円
以下の3点の項目において、厚生労働省の提示する条件を満たすこと
①生産性の向上 ②賃金の増加 ③離職率の低下

昇給制度含め、人事評価制度の見直しを考える際はこのような助成金の活用も検討しておきましょう。

参考:厚生労働省 平成29年度人事評価改善等助成金のご案内

昇給率の計算方法

昇給率とは、昇給後の給料が昇給前に比べどれほどの割合で上昇したかを示すものです。昇給率を計算することで自社の成長度を図ることができ、また職種ごとの昇給率や他社の昇給率と比較することが可能となります

昇給率(%)=昇給後の給与÷昇給前の給与

例えば入社時の月給が20万円で、翌年は20万4000円だった場合は
204,000÷200,000=1.02
となり、昇給率は1.02%となります。

企業規模別の平均昇給額

労働組合連合の発表によると、2019年の全体の平均昇給額は5,997円、昇給率は2.07%です(組合のある5405社のうち)。2018年は5934円であることから、全体としては前年より63円上昇しています。

大企業の平均昇給額
従業員数が300人以上:昇給額は6,199円(昇給率2.09%)
100~300人:昇給額は5,389円(昇給率1.98%)
100人以下:昇給額は6,430円(昇給率2.12%)
中小企業の平均昇給額
従業員数が300人以下:昇給額は4,785円(昇給率1.94%)
100~300人:昇給額は4,949円(昇給率1.97%)
100人未満:昇給額は4,288円(昇給率1.87%)

大企業の平均昇給率よりも中小企業の平均昇給率が低い傾向にあります。その原因として、企業規模が小さいことによる利益の上昇幅の小ささ、また景気の影響の受けやすさが挙げられます。企業規模が大きいほど利益余剰分のストックも大きく、また活発かつ強力な労働組合を持っているために昇給率が高くなると考えられます。

昇給を行う際の注意点

昇給の際には、給与が上がる根拠を明確にすることが重要です。昇給の意図が不明確だと、社員の不満を呼ぶ原因になります。昇給は社員のライフプラン設計や仕事の意欲向上に大きな影響を及ぼすため、どのような理由で昇給したのかを明確に伝えましょう。

まとめ

従来、多くの日本企業では定期昇給制度を用いていましたが、年功序列型からの移行が進む現在、その見直しが進んでいます。これを機に、改めて昇給制度のあり方や他社の昇給状況を調べ、自社の昇給制度を見直してみてはいかがでしょうか。

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