通年採用とは?メリットや一括採用との違い、成功のコツ、企業事例を紹介!

通年採用とは?メリット・デメリットや成功企業の事例を解説します。【2021年版】

こんにちは。digireka!HR編集部です。経団連の就活ルール廃止に伴い、年間を通して採用活動を行う「通年採用」を取り入れる企業が増加傾向にあります。

今回は通年採用について、メリット・デメリットや既に通年採用を導入している企業例等を説明します。

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通年採用とは

通年採用とは、企業が年間を通して自由に採用活動を行う採用方式です。欧米では一般的な採用形態ではありますが、日本においては、春に新卒者を採用する「一括採用」が主流となっています。これは、採用活動が学業の妨げにならないよう、経団連(日本経済団体連合)が制限を設けていたためです。しかし、近年では採用活動時期が多様化しています。

就職みらい研究所の「就職白書2020」によると、2020年卒の学生に対して、通年採用を実施した企業は全体の17.5%でした。これに対して、2021年卒の採用の方法・形態として通年採用を実施予定の企業が25,1%。データからもわかるように、通年採用のトレンドになりつつあるのです。

新卒の通年採用はいつから?

経団連による就活ルールが撤廃されたことにより、2021年卒向けの就職活動からは政府主導で進めていく方針に変更されました。2022年卒までは従来通り、大学3年次の3月から広報を開始し、大学4年次の6月から面接を開始することになっています。政府が定める方針に拘束力はないため、「いつから通年採用に転換する」等の詳細事項はある程度各企業の意思で決定することが可能です。

通年採用が注目されている背景

通年採用が注目されている背景の1つ目は人材確保の激化です。少子高齢化による労働人口の現象、経済の縮小によって、満足いくまで人材を確保できない企業が増えています。一斉に採用をかける状況では、どうしても知名度のある大企業に募集が集まってしまいがちであるため、この実態は特に中小企業で顕著にみられます。このような状況を受けて、第二新卒や中途採用といったあえてタイミングをずらした採用を行う企業が増えてきているのです。

通年採用と一括採用の違い

通年採用と一括採用の違いを分かりやすく以下の表に示しました。

通年採用新卒一括採用
採用活動期間1年を通じて行う3月~10月辺り
採用対象・新卒者
・留学生
・第二新卒者
・中途者
(・大学生)
・新卒者
(・留学生)
特徴・企業が採用スケジュールを定められる
・内定人数の調整を行いやすい
・採用スケジュールが定められている
・内定者の補完ができない

通年採用を導入するメリット

一括採用では出会いにくい多様な学生と出会える

一括採用のスケジュールでは、外国人や帰国子女、留学生など、一般的な日本の大学生と卒業時期が異なる人材を採用することは困難でした。上記の人材を採用するためには、一括採用枠とは別に留学生枠などを設けるといった対応が必要です。しかし、通年採用の形態に転換することで、個々の学生の都合に合わせた採用スケジュールを設けることができるため、多様な人材の獲得を見込めます。

また、一括採用では、採用面接の時期が集中するため、1日に何十人の候補者を選考することも珍しくありませんでした。しかし通年採用では、時間に追われることがないため、丁寧に学生と向き合うことができ、自社の求める人事に出会える可能性が高まるのです。

内定辞退者が出たとしても補完できる

新卒採用において、「内定者が辞退すること」を大きな課題として抱える企業は多いのではないでしょうか。一括採用では、一度に多くの学生に内定を出すため、必然的に採用担当者1人当たりの内定者フォローの負担が大きくなります。その結果、学生1人に対する内定者フォローの質が下がってしまい、内定辞退が発生しやすい傾向にあるようです。

また、一括採用は一度採用を締め切ってしまうと、再度募集をかける際に大きなコストがかかります。しかし通年採用では、内定を辞退した学生が出た場合でも、その都度必要な人数分だけ補完することができるため、内定辞退が起こったとしても柔軟に対応できるのです

慎重に選考を進められる

通年採用においては期間の定めがないので、ゆとりを持った選考スケジュールを調整できます。学生1人1人とじっくり対話することができるため、選考過程を通じて相互理解を深めることができるでしょう。ミスマッチの防止にも繋がり、社員の定着率の向上も期待できます。

通年採用の導入に伴うデメリット

滑り止めにされる可能性がある

今後、通年採用に転換する企業が増えたとしても、日本全体において一括採用がなくなることはないでしょう。一括採用の時期に採用活動に注力しないと、他企業に競り負けてしまいます。また、通年採用を行っている企業は学生から「いつでもエントリーできる」と思われてしまい、滑り止め企業の位置付けとなる恐れもあります。

滑り止めにされることを防ぐためには、内定者の入社モチベーションを高めつづける内定者フォローが必要不可欠です。しかし早期内定者には長期的にフォローを行う必要があるため、採用担当者の負担を増えてしまう可能性があります。

人事の負担・コストが増える

通年採用は1年を通して採用活動を行うため、春先に短期で採用活動を行う一括採用と比較して、人事の負担が増えてしまいます。人事の仕事は採用のみではないため、他の業務を考慮してスケジュール管理を行う必要があります。また、通年採用では採用媒体の運用や広報、イベント出席の機会が増えるため、一括採用と比較すると高い採用コストを要することになります。

採用広報の効果が期待できない

就職活動の時期は多くの学生が企業調査を行うため、自社PRの効果が存分に期待できる時期となります。一括採用ではこの時期に広報に注力することで、多くの学生に採用情報を認知してもらうことが可能です。しかし通年採用を行っている企業はコストの関係上、継続した情報発信が難しくなります。その結果、自社の採用情報が学生の目につきにくくなってしまいます。

通年採用の導入方法

通年採用の導入にあたって必要な手順は主に5つあります。ここではその5つの導入工程の内容とポイントについて説明していきます。

要員計画を基本とした採用計画を作る

要員計画とは企業が事業に取り組むにあたってどれくらいの人数で行っていくかという人事計画のことです。この計画に基づいて、採用活動を行っていくことで無駄なコストをかけずに採用活動を行うことができます。

明確なターゲットの選定

要員計画と同時に考えるものとして「どんな人材が必要なのか」も考える必要があります。採用ターゲットが明確になれば、自社にはマッチしない人材にアプローチする必要がなくなるため、少ないコストで採用活動を進められるようになります。

採用ターゲット設定を明確にするために有効なのが3C分析です。3C分析とは市場・顧客を意味する「Customer」自社を意味する「Company」競合を意味する「Competitor」の頭文字の3つの「C」を利用する分析方法です。まず市場や顧客ニーズを把握した後に、競合他社のリサーチを行い、自社の強みと弱みを明確にします。3C分析を適切に行うことで、自社に本当に必要な人材が明らかになります。

採用チームの編成

ターゲット像が設定できたら、採用を専門で行うチームを構成していく必要があります。通年採用を導入すると、タスクや採用スケジュールは増えていくため、1人ではなく複数で採用活動を行っていく必要があります。また採用業務だけでなく、採用市場に関する情報収集や他社の採用活動の動きなどを把握する必要があります。

採用方法・選考方法を選定する

採用チームを編成したら、ターゲットである求職者にどのようにアピールするかというような具体的な採用方法を決めていく必要があります。コスト、工程数、特徴など総合的に判定し、採用の確率を上げられるものを採用していきましょう。

育成の体制を構築

採用活動を終えて、求職者の入社が決まったら、彼らの育成体制を整える必要があります。通年採用は入社のタイミングにばらつきがみられるため、特に研修担当や配属部署の受け入れ体制を整える必要があります。

通年採用を成功させるためのポイント

KPIを明確に設定する

KPIの設定は一括採用だけでなく、通年採用においても重要なものと言えます。通年採用は一括採用と比べて選考期間を長く設定できるため、特に「面接実施率」と「内定承諾率」は。それぞれの工程でKPIを達成するための広告戦略や、ターゲットの母集団形成などを計画的に行い、目標までの道のりが具体的に見えることで、コスト削減を図ることができます。

採用市場を分析する

現在、通年採用を取り入れている会社が増えてきています。そのため、一括採用導入時には現れなかった競合もみられることがあります。今後の採用活動においては、学生の同行はもちろんですが、競合分析などを行い、多くの観点から採用市場をみていく必要があります。

学生への理解を持つ

新卒のターゲットとなる学生への理解は採用活動において重要な要素の1つです。
学生への理解として重要な項目は

・就職で重視している観点
・大手、海外志向などがみられるか
・転職希望があるか
・学生のスケジュール(部活、卒論など)

通年採用の最大の特徴はその柔軟性にあります。そのため、学生の事情に合わせて採用活動を行っていくことが重要になります。特に重要なのが学生のスケジュールの把握です。一括採用の場合は、学生側がスケジュールを合わせてくれますが、通年採用は企業側が日程を調整する必要があります。

テスト期間や卒論期間、夏休みなど多くの学生に当てはまるスケジュールに沿って採用活動を進めましょう。まずは採用ターゲットを明確にして、そのターゲットへの理解を深めましょう。

採用活動の効率化を図る

通年採用は採用活動期間が長いため、それに伴って求職者の応募が増えていく可能性も十分考えられます。そのため、多くの求職者を一括に管理するためのツール、システムの導入が必要になります。最近ではAIなどの最先端技術による人事業務の最適化が注目を集めています。また一括採用と通年採用では採用観点が異なってくるため、これまで一括採用で使ってきた採用管理ツールは通年採用での管理には不便になってくる可能性も考えられます。自社にあった最適なツールを導入しましょう。

通年採用を取り入れている企業事例

楽天株式会社

楽天株式会社は、エンジニア向けに通年で採用活動を行っています。選考時期だけでなく、入社時期も自由に選択することができます。応募者の都合に合わせた柔軟な選考方式となっています。

参照 : )「エンジニア職 – 新卒採用 – 楽天株式会社」

ソフトバンク株式会社

ソフトバンクは「ユニバーサル採用」という採用方針を掲げています。ユニバーサル採用では、挑戦する意欲ある学生に広く門戸を開き、自由な時期に自己の意思で選考に臨めるように通年採用を取り入れています。また、No.1採用や就労体験型のインターンシップなど、多様な選考プログラムがあります。

参照 : )「ユニバーサル採用 – ソフトバンク新卒採用」

株式会社ファーストリテイリング

株式会社ファーストリテイリングでは、「一人ひとりが仕事について真剣に考え、主体的に行動し、納得した将来が送れるように」と年間を通じて新卒採用を行っています。誰かに決められるのでなく、就職活動をするタイミングも個人が選べるべきだと考え、大学1,2年生からの応募も受け付けていることが特徴です。

参照 : )「グローバルリーダー社員 通年採用 – ファーストリテイリンググループ採用情報」

ネスレ日本株式会社

ネスレ日本では、「ネスレパス」という独自の採用方式をとっています。年齢・学歴・国籍等の採用対象を限定せず、従来のエントリーシートやWebテスト以外の方法でチャレンジできる環境を設けています。(課題提出、ケーススタディ等)選考過程で面談やグループディスカッションを行い、通過した学生にはネスレパスを渡します。ネスレパスを得た学生は都合の良いタイミングで社員参加型研修に参加することができます。

参照 : )「Nestle Recruiting Information」

通年採用を行う際に役立つツール4選

通年採用を始めるにあたって、サービスの選択は重要になっていきます。ここでは様々なサービスをご紹介してきます。

dodaキャンパス


dodaキャンパスは登録者数20万人の日本最大規模のアイレクトリクルーティングサービスで、早い時期からの優秀な学生へのアプローチが可能です。また理系学生や、地方大学の学生へのアプローチもできるため、幅広いターゲット層を設定することができます。

特徴
・登録者数20万人以上の国内最大級のダイレクトリクルーティングサービス
・早期から就職活動をしている優秀な学生に会える
・ダイレクトリクルーティングのため、接点の薄い理系学生や地方学生とも接点ができる。

Offer Box

Offer Boxは大手企業からベンチャー企業まで幅広い会社から登録されているダイレクトリクルーティングサービスです。初期費用が発生せず、費用も成功報酬(1人あたり30万円)だけのため、低コストで始められます。またAIが企業の動きを分析し、企業にあった人材を紹介してくれます。

特徴
・大手からベンチャーまで幅広い企業が導入している
・初期費用が発生せず、発生費用も成功報酬のみ
・人工知能が企業の動きを分析し、ビッグデータと照らし合わせ、人材を紹介してくれる。

就職エージェントNEO

就職エージェントは全国で約120の大学と提携しており、3〜8月といった就活ピークだけでなく、1年を通じて新卒紹介を行っています。

・約120の大学と提携しており、イベント開催規模は業界トップクラス
・文系学生の就職支援実績トップクラス
・大手就職サイトに掲載されてない企業も網羅している

ちほりけ

ちほりけは就活エージェントNEOが運営している工学、情報系の理系学生に焦点を置いた新卒紹介サービスです。また学生一人当たり最大6万円まで支給しており、地方の学生へのアプローチも可能となっています。

・採用が難しい理系学生に特化したサービス
・地方の学生に直接的なアプローチが可能

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は通年採用について詳しく説明しました。

企業のグローバル化や新卒人材獲得競争の激化の影響で、通年採用を導入する企業は今後更に増えていくでしょう。通年採用を取り入れることで新たな人材の獲得に繋がるかもしれません。新卒一括採用のみを取り入れている企業の方も通年採用の導入を一度検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

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