MOOC(ムーク)とは?メリットや問題点、具体的なサービスについて解説!

MOOC(ムーク)とは?メリットや問題点、具体的なサービスについて解説!

「MOOC」(ムーク)は、幅広い分野の講座をほぼすべて無料で受けられる為、人材の育成や大学教育での普及が進んでおり教育の在り方を大きく変える可能性を秘めています。MOOCは、受講者に時間的・経済的制約からの解放の他様々な便益をもたらします。しかし、まだ導入段階のサービスでもあるため、課題も多々あるのが現状です。

そこで今回は、MOOCのサービスをこれから利用しようと検討している方に向けて、そのメリットや問題点、提供されているサービスの紹介をしていきますのでぜひ参考にしてください!

MOOCとは?

MOOCとは、「Massive Open Online Course」の略で、日本語訳すると、「大規模公開オンライン講座」という言い方になります。2012年にアメリカで開始され世界的に広まっていったサービスで、大学や研究機関、企業などが幅広い分野の専門的な講座を配信しています。

また、MOCCは、ほぼ全ての講座が無料で受けられるため年齢や性別、学歴に関係なく誰でも受講できるという最大の特徴があり、いつでもどこにいても利用することができます。。そのため、教育に大きな変革をもたらす可能性を持っており、大学や企業において活用され始めています。アメリカでは、初期に設立された「Cousera」「edx」「Udacity」などのサービスが有名です。

日本国内においては、日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)が2013年に設立され、JMOOCを主体とした複数のポータルサイトが立ち上げられ、「gacco」「Open Learning,Japan」「OUJ MOOC」「Fisdom」という4つの配信プラットフォームから様々な講座が配信されています。

MOOCでの講座修了で単位認定や学位取得は可能か?

文部科学省によれば、MOOCを通して受講した講座を修了した場合、一部の大学では取得単位として換算することが可能であるといわれています。この場合、自大学の講義だけでなく、他大学や大学以外の団体、企業などが作成したものであっても単位認定されるとのことです。

しかしながら、修了することで学位を取得できるというわけではありません。場合によっては、認定基準を満たしている講座は、大学から修了証を交付してもらえることもあります。

日本では、MOOCでの修了証取得率はまだまだ低いですが、大学の発行する公式の修了証は信用度が高いとされていて、取得をすることで自身のスキルの証明に繋がります。また、「Coursera」や「edX」は有料オプションとして修了証を提供している為、今後MOOCの認知度が上がれば就職や転職の際にはアピール材料として活用できます。

参照:)「大学における多様なメディアを高度に利用した授業について 背 景 1

MOOCのメリット

MOOCには一般的な大学や塾では実現できないメリットがたくさんあります。ここでは、それらの利点を紹介します。

自由に受講できる

基本的に無料で受講することができるMOOCでは、受講者層の制限はされておらず、誰でも受けることができます。

さらに、オンラインで受けることができるため、インターネットの利用環境があれば受講する時間や場所も関係なく、完全に自由に利用することが可能です。

経済的制約の排除

経済的な理由で大学に通うことができない方は多くいらっしゃるかと思いますが、MOOCは無料のサービスであるため、誰でも学ぶ意欲さえあれば学習することができます。そのため、MOOCは教育格差の是正を推進することのできるサービスでもあります。

豊富な講義内容

世界的な著名大学や総務省などが提供するハイレベルな講義や、ITなどの専門知識から、資格獲得や語学力向上を目指すためのコースなどといった、ビジネス向けのものなど、多岐にわたる領域のコースがあることも大きな魅力です。

それぞれのMOOCサービスによって、有する強みは異なるため、「何を学びたいのか」を明確にしたうえで、サービスを選定することをおすすめします。

言語の壁を超えることができる

MOOCでは、英語で行われる授業に日本語字幕が表示されるようになっており、海外の大学で学びたいが英語はわからないといった方のための配慮がなされています。

MOOCの抱える3つの課題

MOOCは教育体系が完全に整備されているわけではないため、まだ課題は多くあります。これからMOOCを利用する方は、MOOCの問題点とも向き合う必要があるでしょう。MOOCの抱える課題は主に以下の3つになります。

・学位の取得は難しい
・終了率が低い
・独りで学習することによる弊害

それぞれ詳しく説明させていただきます。

学位の取得は難しい

MOOCは大学の代替サービスとして利用できる可能性がありますが、唯一大学でしか得ることのできないものとして学位があります。そのため大卒という肩書を手に入れたいと考えている場合は、多くの場合大学に通う必要があります。

しかし、修了証の発行を行う大学も少数ではありますが存在しており、今後MOOCの教育体系が確立されていくことでそのような大学が増加する可能性は十分あります。

 

修了率が低い

MOOCの修了率は10%と非常に低い水準であり、さらにMOOC利用者が増加していかなければ、MOOCによる学位の取得やサービスの拡大は進んでいかないでしょう。そのため、MOOCの認知度を上げて修了者を増加させていく必要があります。

 

独りで学習することによる弊害

MOOCと大学・塾の学習の異なる点として、周りの同じ授業を受ける受講生の有無があげられます。他の受講生がいないことにより、不明点は自己解決しなければなりませんし、何より独りで勉強することはモチベーションの維持が難しいという問題点があります。

 

MOOCサービスの選び方

サービスにより、特化している分野や特性はかなり異なります。また、海外のサービスを利用することにより、世界レベルの最新のスキルを身に付けることができます。

MOOCのサービスを最大限に活用するには、まず自身が何を身に付けたいのか、また、社員に何を身に付けて欲しいのかを明確にし、それぞれの目的に合ったサービスを選んでみてください。

英語学習に特化したMOOCサービス

海外規模での活躍を望むのであれば、英語力は必須スキルです。英語学習を効率的に進めるにあたり、MOOCは最適な勉強ツールといえます。下記では、英語圏発の、英語学習に力を入れているプラットフォームをいくつかご紹介します。

FutureLearn

「FutureLearn」は、イギリスで40年以上の実績のあるOpen Universityが立ち上げたイギリス初のMOOCプラットフォームです。2013年に配信が開始されました。

特徴・イギリスの公的な国際文化交流機関であるBritishCouncilが提供する英語学習講座がある
・23のトップ大学及びブリティッシュ・カウンシル、大英博物館、ユネスコなどと連携
・4000以上のコースを受講可能
・ハイレベルの英語習得が可能
・ほとんどの講座を無料で受講可能
・生徒同士で話し合うことができる

MOOEC

「MOOEC」は、Massive Open Online English Courseの略で、オーストラリア発の英語学習専門のプラットフォームです。2013年に設立されました。

特徴・Reading、Listening、Writing、Speaking、Short Courcesのカテゴリー別に学習可能
・主にリスニングとスピーキングに特化
・CEFRという世界的な語学力の基準に基づいた講義のレベル分けがされている
・自身に合った適切なコースを選ぶことが可能
・全ての講義が無料

edX

「edX」は、アメリカにおいて最大とされるプラットフォームの1つです。2012年に設立されました。

特徴・マサチューセッツ工科大学やハーバード大学の講座を受講可能
・世界トップレベルの専門講義を英語で学べる
・講義内容のレベルが非常に高い為、高レベルの英語学習を求めている方におすすめ
・全講義無料で受けられ、有料オプションとして修了証を取得可能

高度な専門知識に特化したMOOCサービス

続いて、世界の最先端の専門知識が無償で得られるおすすめのMOOCサービスをご紹介します。

Udacity

「Udacity」は、2012年に開設された、専門家向けのMOOCサービスです。

特徴・GoogleやFacebook、NVIDIAといった一流IT企業の講座を受講可能
・コンピュータサイエンスやウェブ開発の分野に特化
・世界で必要とされている技術や知識を学べるだけでなく、簡単なプロジェクトに参加できる
・世界レベルの講師のフィードバックが得られる
・未経験者、初級、中級、ベテランという4段階にコースが分かれている
・講座を修了すると「ナノ学位」という学位を有料オプションとして授与できる(「ナノ学位」は資格と同じレベルで社会に通用するものとされている)
・実践を意識した講座がそろっており、IT人材にはおすすめのプラットフォーム

Coursera

「Coursera」は、アメリカ最大級のプラットフォームで、2012年に設立されました。

特徴多様な講座と圧倒的な講座数を誇る
・自身に合った講座を見つけることができる
・講座の多言語化への取り組みをしている
・語学力がなくても世界中の講座を受講可能
・ほとんどの講座が無料

Schoo

「Schoo」は、株式会社Schooにより設立されたサービスです。

特徴・Web業界で働くためのスキルに特化
・プログラミングやwebデザインなど、実務に活きる実利的な講座を受講可能
・「ビジネスプラン」と「マスタープラン」に別れていて、自身の経験値から選ぶことができる
・無料で受講できる生放送の講座も提供

OpenLearning

「OpenLearning」は、2012年に設立されたオーストラリア発のMOOCサービスです。

特徴・誰でも授業を受講することができ、授業を作ることもできる
・様々な分野のエキスパートの講座を受講可能
・プロとカジュアルの講座が混在している
・無料の講座も提供

資格やビジネススキルに特化したMOOCサービス

実務で役立つスキルを手軽に身に付けられるのは、会社にとっても社員にとっても望ましいことです。最後に、資格やビジネススキルに繋がる勉強ができるおすすめのサービスをご紹介します。

Udemy

「Udemy」は、2009年にアメリカで設立され、様々な専門スキルを習得するのに最適なサービスです。

特徴・世界最大級の会員数を誇る
・開発、IT、マーケティング、ビジネススキルなどのカテゴリーに分けられている
・IT系のプログラミングやweb制作に力を入れている
・¥1,270から受講可能

Alison

「Alison」は、2007年といち早く設立された為、MOOCの先駆者と言われています。

特徴・職場ベースのスキルに主に焦点を当てている
・750以上の講座を受講可能
・今の仕事で昇進したり新しい仕事を見つける為に必要なワークスキルを身につけることができ
・英語講座のセクションも充実している
・レベル別に講座を選択できる
・ほとんどの講座が無料

日本国内唯一のサービスJMOOCとは?

JMOOC(一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会)とは、日本国内でのMOOCの普及を目指し、2013年に設立された、国内唯一のMOOCサービスです。

JMOOCは、国内大学や企業などが提供するオンライン講座を公開する複数のプラットフォームをまとめており、すべての講座を受講することができます。

さらに、受講登録からデジタル形式の修了証の発行までをすべて無料で利用することができます。なかには、追加料金を支払うことで、オプションを追加したり、対面で直接講義を受けられたりするサービスもあります。

特徴・海外のMOOCサービスと異なり言語の壁なく受講できる
・日本企業や労働者の実態に即した社会人の教育に力を入れている
・大学講師による実践的なビジネス研修プログラムを提供
・全て無料で受講でき、終了条件を満たすと修了証を取得できる
・大学の学問領域に加え、簿記や宅建などの資格試験対策講座も受けられる

JMOOCで受講できる3つのプラットフォーム

①gacco

特徴株式会社ドコモgaccoが運営する、JMOOC内のサービスです。人生100年時代を豊かにすることを目指し、大学教授による本格的な大学レベルの講義を受けることができます。講義では、掲示板を利用することもでき、他の受講者とディスカッションを通して学びを深めることも可能です。

②OpenLearning, Japan

特徴株式会社ネットラーニングが運営する、JMOOC内のサービスです。九州大学や同志社大学、東海大学など複数の大学の教授による講義をすべて無料で受講が可能です。動画講義の他に、ディスカッションや相互採点、アンケート機能などをもったプラットフォームも利用することができます。

③OUJMOOC

特徴BSテレビやラジオ、インターネットを通じて学習できる通信制大学・大学院である、放送大学が提供する、JMOOC内のサービスです。放送大学で実際に行われている講義を受けることができます。

これら3つのサービスは、それぞれのサイトだけでなく、JMOOCからも閲覧、受講することができます。

まとめ

MBAや資格を取るためには、一定期間大学院や資格学校に通わなければならず、時間や費用などのコストがかかります。一方で、「MOOC」による講座は空き時間に手軽に受講でき、費用もほとんどかかりません。

また、大学が公式に発行する修了証を取得することができれば、自身のスキルを証明するものとして、企業からの信用も得ることができます。「MOOC」は、新たな人材教育方法として今世界で注目されており、実用化されています。是非、目的にあったサービスを活用し、人材の育成や自身のキャリアアップに役立ててください。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

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