こんにちは。digireka!HR編集部です。採用活動で「ペルソナ設計」を行うことが主流になっています。採用活動において自社が求める人物像を明確にすることで、業務の効率化や採用後のミスマッチの予防が期待できるからです。
今回は、採用活動に必要なペルソナの作り方やそのポイント、具体例などをご紹介します。
採用ペルソナとは?
そもそもペルソナとは、マーケティングで活用される概念で、商品やサービスを利用する顧客モデルを想定し、趣味や価値観、パーソナリティーなどを絞り込んで1人の人物まで落とし込んだものです。
採用におけるペルソナとは、自社が採用したい人物像を指します。自社で採用したい人材の性別・年齢・現職・家族・年収・ライフスタイル・趣味といった情報を綿密に設計することで、採用したい人材を分かりやすくイメージできるようにします。その結果、自社で一緒に働きたい人材・採用したい人材を細かくイメージできるようになり、採用後のミスマッチや早期離職のリスクを抑えることにつながります。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットの違いは人物の詳細さにあります。ターゲットは年代、性別、居住地などのスペックを基本としているものです。ペルソナはそれをさらに絞り込んで人物像、価値観や特性まで想定しています。ターゲット設定では人物像が曖昧なため、社内に共有しても、社員や役員で想像が異なってしまう可能性が出てきます。採用担当者が経営陣や現場と同じ認識を持つために、ターゲットではなくペルソナを設定する必要があります。
採用ペルソナを設計するメリット
採用活動の効率を上げる
近年の採用活動は多様化しており、採用業務に多くの手間と時間を割く必要があります。しかし、ペルソナを事前に設計していれば、煩雑な採用業務を効率化できます。設計された内容にそぐわない人材を採用枠から省いたり、ペルソナに近い人材を採用するために有効な施策を考えやすくなったりします。また、採用に関する判断軸を社内で統一できるため、採用すべき人材の取りこぼしを防ぐことにもつながります。
採用後のミスマッチを防ぐ
現在、大卒の新入社員のうちの3割が3年以内に離職しています。採用しても早期離職することになれば、採用にかけた膨大なコストや時間が無駄になってしまいます。
ミスマッチにつながりやすい要因は、給与・待遇や、仕事に対する意欲、企業の社風などです。採用におけるペルソナ設計では、採用したい人材の趣味・嗜好・価値観・ライフスタイルといった内容まで掘り下げます。その結果、自社と採用候補者がマッチしているか判断しやすくなり、採用後のミスマッチや早期離職を防ぐことができます。
採用ペルソナの作り方
採用目的を明確に設定する
人材要件などを明確にする前に今なぜ人材が必要なのかという採用目的をはっきりしておきましょう。これを設定することで自分たちの欲しい人材要件が明確になります。
欠員を補充するのか、新事業を始めるためなのか、プロジェクトに必要な素質を持った人材が欲しいのかなどで、人材要件はもちろん採用方法まで変わっていきます。
自社が求める人物像を経営者と現場にヒアリングする
自社の経営戦略を実現するために、「どの部署にどのような人材がどのくらい必要か」という採用計画は重要です。まずは、経営者や現場からヒアリングを行い、自社や各部署が求める人材の要件として考えられる項目を洗い出します。
具体的な人物像を作成するために情報収集する
大枠の人数や要素を明確にしたら、次に自社が求める人物像を作成します。具体的には、社内で活躍している人材に対してヒアリングを行い、「この人」という状態まで具体的に求める人物像を決めます。ペルソナは細ければ細かいほどいいというわけではないため、あくまでペルソナを設計する上で必要な要素と親和性の高い情報について重点的に収集していきましょう。
仮のペルソナを経営層や現場とすり合わせる
仮のペルソナを設計したら、経営層と現場それぞれにイメージとずれていないか確認してもらい、認識のずれがあれば修正します。ただし、経営層と現場双方の理想を詰め込むと、非現実的になる可能性もあります。人事は経営層と現場の意見を取り入れながら、優先順位をつけて要件を絞り込み、現実的なペルソナになっているかどうかを第三者の立場から確認する必要があります。
採用市場を調査して要件を絞る
設定した仮ペルソナは経営層と現場ですり合わせて終わりではなく、その後は採用市場にもすり合わせなくてはなりません。仮のペルソナが採用市場の状況とすり合わせないと、求職者からの応募は見込めないからです。
例えば、応募条件として、「〜の経験がある人」とつけた場合には、応募できる人材の数は少なくなります。設定した条件で多くの応募が見込めない場合は、その条件を取り下げる必要があります。自社からの要望だけでなく、新卒や転職者の状況も踏まえて正式なペルソナを設計することで、多くの応募を見込めます
設計したペルソナを実際の採用活動に活用する
ペルソナの設計が完了したら、実際の採用活動に活用していきます。ペルソナに近い人材が応募してくれるように、設計に沿った求人内容を作成しましょう。また、採用面接の場面においても、ペルソナを踏まえて面接が出来るため、選考基準をある程度揃えることができるでしょう。
ペルソナの見直し・修正をする
設定したペルソナが毎年同じになることはほとんどありません。なぜなら採用市場と社内の状況は常に変化しているからです。またペルソナを設定しても、見込んだ数の応募が来ない可能性もあります。その際は改めて、ペルソナを作る際に行なってきた過程をまた1から見直すことがおすすめです。
採用ペルソナの3つの構成要素
年齢、性別、年収
ペルソナの設定において、年齢、性別は基本的な項目になります。また業務内容に応じての報酬や年収もまた設定することが重要になります。
資格、経験
経理などの専門的な知識が必要な職種の場合は経験や資格などのペルソナを設定することが必要です。また柔軟に働ける人材なのか、能力が発揮できる人材なのか見極める必要があります。
性格や価値観
条件が整っていてもその人が必ずしも自社の求める人材な訳ではありません。価値観や人柄が自社とマッチする必要があります。そのため、人間柄においてもペルソナを設定する必要があります。
採用ペルソナを設計する際のポイント
経営・現場・人事の3者間で認識をすり合わせる
ペルソナの設計をする上で、経営者・現場・人事の3つの意見を取り入れることが重要です。現場にとって必要な人材がいたとしても、経営陣が掲げる経営戦略に沿っていなければ役員面接で不採用になります。そのため、先に経営者と人事の間で人材要件をできるだけ細かく詰め、その後現場と打ち合わせに入れると良いでしょう。経営者と現場の欲しい人材に対する認識のズレを埋めていき、社内で統一されたペルソナを持ちましょう。
できたペルソナを求人票に反映する
ペルソナを設定したら、それをしっかり求人票に反映する必要があります。なぜなら、ペルソナこそ、求人票が欲しがる必要の1つだからです。ペルソナにそって求人票と募集要項を作成していきましょう。
またきて欲しい人材に会社として何を提供できるか、どのようなサポートができるかを伝えることで、より自社が求めている人材が集まりやすくなります
ペルソナを細かく設定しすぎない
ペルソナにはある程度の条件をつける必要があります。しかし、細かく設定しすぎてしまうと、該当する人材が少なかったり、どのような人材を採用するべきかわからなくなったりしてしまいます。
細かすぎる条件は仕事と直結しない部分が多いです。ペルソナを設定する際は必要な人材を明確にするための最低条件で設定しましょう。
定期的にブラッシュアップする
市場の変化や経営方針の変化など状況に合わせて柔軟にペルソナを見直すことが大切です。一度設計したからとそのまま使い続けることは避けましょう。
また、選考を重ねながら適宜ペルソナを見直し、より現実的なペルソナへとブラッシュアップしていくことも大切です。思ったような人材が見つからなかったり、応募者が集まらなかったりする場合は、理想像が高すぎるのかもしれません。
ペルソナは1つとは限らない
ペルソナは1つだけでなく、複数存在することも念頭に置いておきましょう。ペルソナを複数設定しておくことで、特定の人物像でなく、たくさんの個性を持った人材を確保でき、会社の多様化につながります。同じペルソナで特定の人物像を持った人材を複数採用するより「主力事業を支えられる人材」「将来幹部になる人材」などの方向性に沿って複数のペルソナを設定した方が組織の活性化につながります。
またペルソナを1つにすることで生じる機会損失も低減できます。しかし多すぎても良くないため、2〜3つ程度で設定することがおすすめです。
採用ペルソナ設計の活用事例
ここではITエンジニアの中途採用を想定したペルソナの例を紹介します。項目は以下の通りです。
学歴:国立の情報工学系学部を卒業
経歴:新卒でネット広告会社に入社して5年目。チームリーダーを任されている。
職業:Sierのフロントエンジニア
年収:600万円程度
最近の悩み:顧客対応の経験を積んだので、もう少し上流工程の開発をしたいと思っている
応募企業に求めるもの:給料が高いこと
保有スキル:高いデバッグ能力、問題解決力
採用ペルソナを設計した後にするべきこと
現段階のペルソナを現場のイメージと重ね合わせる
現段階のペルソナはまだ仮のもので、現場とすり合わせることが重要です。しかし経営陣、現場の意見両方を取り込んだペルソナは非現実的なものになってしまうため、いくつか条件を絞りましょう。
設計したペルソナに沿って募集と選考を行う
ペルソナを設計しても、それに沿った人材からの応募が必要となります。またペルソナに近い人材がくるように募集要項にペルソナを記入することが重要です。そこから、ペルソナに沿った選定基準で剪定していくことでスムーズに人材採用を進めることができます。
媒体の選定
ペルソナを設定した後は、次のステップとして最も効果的なアプローチを決める必要があります。
近年では。人材紹介や採用広告、ダイレクトリクルーティングといったさまざまな媒体がリリースされていますが、媒体によってアプローチ効果が全く変わっていきます。
最もおすすめな媒体はダイレクトリクルーティングです。スカウトによる直接的なコンタクトで学歴や年齢はもちろん、給与重視や福利厚生重視などの志向まで細かく知ることができます。
募集要項・スカウト文面を作成する
ペルソナに合わせたスカウト文面、募集要項も作成していきましょう。どこの会社でも見られるようなありきたりな文章よりも熱いアプローチの方が求職者にも強い印象を与えることができます。ペルソナにとって魅力的な募集要項、喜んでもらえるようなスカウト文面を考えることで、応募数は大きく変わっていきます。
まとめ
採用活動で自社が求める人材像に沿ったペルソナを設計し、そのペルソナに近い人を採用することで、採用後のミスマッチや早期離職を防ぐことができます。本記事を参考に自社が採用したいペルソナを設計してみてはいかがでしょうか。
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