【2024年】ダイレクトリクーティングの市場規模は?将来展望や理由を解説!

【2024年】ダイレクトリクーティングの市場規模は?将来展望や理由を 解説!

近年、日本のダイレクトリクルーティング市場は、企業の採用手法の多様化に伴い急成長を遂げています。特にIT業界やスタートアップ企業を中心に、候補者との直接的な接触を重視する企業が増加しており、市場全体の規模は、リクルートメント業界全体の中で20%を超えるシェアを占めると見込まれております。

本記事では、新たな採用手法として普及してきているダイレクトリクルーティングの市場状況についてご紹介いたします。

具体的には

  • 2024年のダイレクトリクルーティング市場全体の規模はどのくらいか?
  • ダイレクトリクルーティングが浸透してきている理由とは?
  • 結局、今からでもダイレクトリクルーティングを始めたほうが良いのか?
  • 「中途・新卒」おすすめのダイレクトリクルーティングサービスとはなにか?

などをご紹介いたします。

監修者情報

監修者用
uloqo代表取締役
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月uloqoを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

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2024年ダイレクトリクルーティング市場全体の規模予測

ここでは、ダイレクトリクルーティングが市場全体としてどのような推移をたどっているのか、そして今後の展望についてご紹介いたします。

2024年現在の市場規模

ダイレクトリクルーティングサービス市場規模推移・見込

出典:「ダイレクトリクルーティングサービス市場に関する調査を実施(2024年)」株式会社矢野経済研究所

株式会社矢野経済研究所の調査(2024年)によると、ダイレクトリクルーティングサービスの市場規模は着実に年々増加していることが分かります。

2023年度のダイレクトリクルーティングサービスの市場規模は、事業者の売上高ベースで前年度比23.2%増加し、1,074億円に達しています。そして、2024年度では、約19%増加の1,275億円に達すると見込まれています。これは、2021年度(622.7億円)(株式会社矢野経済研究所の調査(2023年))から市場規模を比較すると増加の角度は低くなっているものの、依然として増加傾向が続いていることが認識できます。

2025年以降の成長予測

ダイレクトリクルーティング市場の拡大は、2025年度以降も継続していくことが予測されます。なぜなら、労働人口の減少や働き方改革が進む中で、企業はより積極的に優秀な人材を獲得しようとする傾向が高まっているからです。そのため、今後はより、求人媒体のような待つ姿勢の採用手法ではなく、ダイレクトリクルーティングのように企業が直接候補者にアプローチする採用手法が普及していくと考えられます。

特に、エンジニアやデータサイエンティストといった需要の高い専門職を獲得する際には、応募を待つタイプの採用手法では出会う可能性が低く、採用が困難であるため、企業側から見つけ出し、アプローチするダイレクトリクルーティングが求められていくと予測されます。

中途採用におけるダイレクトリクルーティング市場

採用サービスのうち、採用に繋がったサービス
出典:「中途採用状況調査2024年版(2023年実績)」株式会社マイナビ

中途採用におけるダイレクトリクルーティングの市場は、採用市場全体と同じように今後も増加していく傾向がみられる。上記のマイナビの図表から分かる通り、ダイレクトリクルーティングを利用し、実際に採用につながった企業者数の割合が、2021年から年々増加しております。2023年では、およそ企業の4社に1社が、ダイレクトリクルーティングを通して採用を成功させています。

現在、中途採用市場では、専門職人材や即戦力人材の需要が非常に高くなっています。そして、このような人材は中途採用市場になかなか現れないため、中途採用市場として、企業がこの小さいパイを取り合う構造になっています。この状況に対して、自社から積極的に人材にアプローチをするというダイレクトリクルーティングは、とても相性の良い採用手法と言えます。加えて、この中途採用市場の状況は続いていくことが予想されるため、今後もダイレクトリクルーティングの必要性は揺らがないと考えられます。

新卒採用におけるダイレクトリクルーティング市場

今年の採用活動において初めて実施した採用手法
出典:「マイナビ2024年卒企業新卒採用活動調査」株式会社マイナビ

中途採用市場と同様に新卒採用市場においても、ダイレクトリクルーティング(逆求人型採用)は、普及してきていると言えます。新卒採用市場における現在のダイレクトリクルーティングの利用率は、10.3%となっています。(「マイナビ2024年卒企業新卒採用活動調査」pp.118)そして、上記の株式会社マイナビの図より、ダイレクトリクルーティング(図内での「逆求人型の採用」)を取り入れている企業の数は、21年卒の採用活動から着実に増加していることが分かります。また、同調査の図21からは、およそ6社に1社が今後やってみたい採用手法としてダイレクトリクルーティングを選択しています。

これより、新卒採用市場でのダイレクトリクルーティングの利用率は、中途採用市場に比べるとまだ低いですが、今後より普及してくことが予測されます。この理由として、新卒採用市場においても、労働人口減少の影響により採用が困難であり、より良い人材を獲得するために企業側から積極的にアプローチすることが求められているからだといえます。

■新卒採用市場におけるダイレクトリクルーティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
新卒ダイレクトリクルーティングサービスのおすすめは? |特徴や費用を比較

ダイレクトリクルーティングの市場規模が拡大している3つの理由

ダイレクトリクルーティングがここ数年でここまで、急速に普及してきているのは、現在の採用市場に適した採用手法であるからだといえます。

では、具体的にダイレクトリクルーティングの利点や背景をが採用市場に必要だとされているのでしょうか?ここでは、ダイレクトリクルーティングが普及してきている理由を3つご紹介いたします。

採用活動の効率化

ダイレクトリクルーティングでは、エージェントを介さず、企業が直接候補者にアプローチできるため、採用活動のスピードが向上します。また、企業は候補者との直接対話を通じて、より正確なフィードバックを得ることができ、ミスマッチのリスクを軽減できます。

採用コストの削減

ダイレクトリクルーティングのように自社に適した人材を獲得する方法として人材紹介サービスが挙げられます。しかし、ダイレクトリクルーティングでは、従来の人材紹介サービスに比べて手数料がかからないため、採用にかかるコストを削減することができます。特に大量採用が必要な企業にとっては、コスト面で大きなメリットがあります。

パーソナライズされた採用体験

ダイレクトリクルーティングでは、候補者との直接的なやり取りを通じて、企業は候補者一人ひとりに合わせたパーソナライズされた採用体験を提供できます。これにより、候補者のエンゲージメントが向上し、採用成功率も高まります。

■ダイレクトリクルーティングのメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ダイレクトリクルーティングのメリットとは?デメリットも併せて解説

ダイレクトリクルーティングを始めるべき3つの理由

ダイレクトリクルーティングは、これからも企業の採用戦略において重要な役割を果たすと予測されます。もし、まだこの手法を導入していないのであれば、今からでも始めるべきと言えます。具体的な理由としては、大きく3点挙げられます。

  • 他社との競争優位性を確保するため
  • 今後の採用市場がより激化されるため
  • 自社に合った人材を効率的に獲得するため

他社との競争優位性を確保するため

本記事でご説明させていただいた通り、今後、ダイレクトリクルーティングを利用する企業は増加していくと考えられます。他社が良い人材に対して積極的にアプローチをしている中で、自社だけが受け身の姿勢で採用を行っていくことは、採用活動を困難に導くことになります。

できるだけ他社より早く良い人材を見つけ出し、アプローチすることは採用成功の大きなポイントです。そのため、他社に遅れず、ダイレクトリクルーティングを取り入れる必要があります。

今後の採用市場がより激化されるため

日本の採用市場は、新卒・中途どちらも今後、人材獲得競争が激化することが予測されます。競争優位性を確保するのと同様に、そうした状況の中で待ちの姿勢で採用活動を続けていては、他社に先を越されてしまい、自社の求める人材を獲得するのが難しくなっています。そのため、やはり企業側からアプローチをするダイレクトリクルーティングが必要であると言えます。

自社に合った人材を効率的に獲得するため

ダイレクトリクルーティングでは、企業側が求める人材の要件を定義し、その要件に合った人材にのみアプローチを行います。そのため、他の採用手法と比べて、企業の求める人材の獲得がしやすいと言えます。また、アプローチした人材は既に企業の要件に当てはまった人材であるため、選考の工数を省くことにもつながります。

市場規模データから得られる3つの示唆

市場規模データから得られる示唆について解説します。主に3つあります。

中途採用市場における活用の拡大

中途採用市場でのダイレクトリクルーティングの利用は年々増加しています。その理由の一つは、即戦力となる専門職や経験豊富な人材を効率的に獲得できる手法として、企業からの需要が高まっている点です。また、待つ採用(求人広告やエージェント経由)では見つけられない「潜在的な転職希望者」にもアプローチ可能である点も、この手法の強みです。

ターゲット候補者の明確化

中途採用におけるダイレクトリクルーティングでは、採用ニーズに合ったスキルや経験を持つ候補者をリストアップすることが重要です。データベースやLinkedInなどのプロフェッショナルネットワークを活用し、ターゲット候補者を明確に設定しましょう。

スキルセット別のカスタマイズメッセージ

候補者に送るメッセージは、彼らのスキルやキャリア志向に合わせた内容でカスタマイズする必要があります。例えば、「あなたの○○の経験は、当社のプロジェクトで重要な役割を果たせる」といった具体的なアピールが効果的です。

プロセスの迅速化

即戦力人材は複数企業からアプローチを受けている可能性が高く、レスポンスが遅いと競合に先を越されるリスクがあります。スピーディーな選考と柔軟なスケジュール対応が成功の鍵です。

新卒採用の可能性を探る

新卒市場でのダイレクトリクルーティング(逆求人型採用)は、まだ利用率が低いものの、年々増加傾向にあります。新卒採用における課題は、学生の応募数減少や内定辞退率の高さなどです。このような状況を克服する手段として、企業側から学生に積極的にアプローチする逆求人型の手法が注目されています。

ダイレクトリクルーティングの導入

例えば「OfferBox」や「LabBase」などの学生向けプラットフォームを活用し、優秀な学生のデータベースを活用します。特に理系学生やIT分野に特化したプラットフォームを選択することで、ターゲット層を明確化できます。

学生が興味を引くメッセージ設計

学生に対しては、単なる求人情報ではなく、彼らが将来描くキャリアにマッチする提案を行うことが重要です。例:「あなたの研究内容が当社の開発プロジェクトにどう役立つか」など、具体的にキャリアパスを示すアプローチが効果的です。

早期の接触と関係構築

ダイレクトリクルーティングを活用することで、早期から優秀な学生と接触し、インターンシップや会社説明会への招待を通じて関係を深めることが可能です。これにより、内定辞退率の低減やエンゲージメント向上が期待されます。

市場規模拡大を見据えた投資戦略を立てる

ダイレクトリクルーティング市場は、中途・新卒を問わず今後も拡大すると予測されています。ただし、市場の成長に伴い、競合他社の参入も増加し、優秀な人材の争奪がさらに激化すると考えられます。こうした状況では、単に市場の成長を待つのではなく、先手を打つ形でリソースを集中投入することが必要です。

中途・新卒のバランスの取れた投資

中途採用市場での即効性を活かしつつ、新卒採用市場にも長期的なリソース配分を行い、将来的な成長につなげる戦略を検討します。

差別化されたブランディング

市場の拡大に伴い、多くの企業がダイレクトリクルーティングを導入するため、自社独自の魅力を候補者に強く伝える必要があります。特に、働き方の柔軟性やキャリア開発の機会など、他社との差別化ポイントを明確に発信することが効果的です。

先進的なツールやAIの活用

人材選定やマッチング精度を向上させるために、AIや自動化ツールを導入することで、効率化と競争優位性を確保します。

「中途・新卒」おすすめのダイレクトリクルーティングサービス6選

ここでは、ダイレクトリクルーティングを始めるにあたって具体的にどのようなサービスを利用するべきかをご紹介させていただきます。

中途採用におすすめのダイレクトリクルーティングサービス3選

中途採用でおすすめのダイレクトリクルーティングサービスは以下の3つになります。

  • OfferBox
  • dodaキャンパス
  • Openworkリクルーティング

それぞれご紹介いたします。

OfferBox

OfferBox
引用元:OfferBox

  • 3年連続学生利用率No,1
  • スカウトメールの開封率は驚異の87%
  • AI検索システム活用で候補者選定の手間を簡略化

OfferBoxは3人に1人の就活生が利用している国内最大級のスカウト型採用サービスです。
OfferBoxは登録者数が多いため、学生の抽出に手間がかかると思われがちです。しかしAI検索システムを活用しているため、このような心配は必要ありません。

学生の適正検査の結果と実際に活躍している社員の適正検査の結果を組み合わせて、自社に最適な学生を抽出します。

dodaキャンパス

dodaキャンパス
引用元:dodaキャンパス

  • 追加費用が一切かからない
  • 特定エリア・職種のピンポイント採用が可能
  • 大学1〜2年生にもアプローチ可能

dodaキャンパスはベネッセが運営するスカウト型採用サービスです。dodaキャンパスでは、大学3〜4年生に向けたスカウトだけでなく、大学1〜2年生に向けたインターンシップやキャリア形成イベントに関するスカウトも可能です。

そのため、企業の採用ブランディング認知拡大にも役立てることができます。

Openworkリクルーティング

Openworkリクルーティング
引用元:Openworkリクルーティング

  • 口コミ評価に応じたスカウトメール送信数
  • 自社ページに訪問したユーザーの属性確認が可能

転職サイトとして有名なOpenworkですが、Openworkリクルーティングという新卒採用のスカウト媒体も提供しています。特に「自社ページの訪問したユーザーの属性確認」は今後の効果改善の際に役に立ちます。

「ページ閲覧数」や「学生の大学名」「訪問ユーザーがこの他にもフォローしてる企業」といった情報を閲覧することができます。
これにより今後どういった学生に注目していけば、採用を加速できるのか分析することができます。

新卒採用におすすめのダイレクトリクルーティングサービス3選

新卒採用でおすすめのダイレクトリクルーティングサービスは以下の3つになります。

  • Linkedin
  • ビズリーチ
  • Eight Career Design

それぞれご紹介いたします。

Linkedin

Linkedin
引用元:Likedin

  • 転職潜在層にアプローチすることができる
  • 海外の人材にも接触しやすい
  • 長期的に活用できる人材プールを作れる

Linkedinはビジネス特化のSNSですが、実はスカウト機能も搭載されています。

求職者はSNSを使っているかのような軽い感覚でLinkedinを利用しているため、転職意欲が低い方も多く登録しています。つまり転職潜在層が多いということです。この転職潜在層にアプローチすることで採用を加速させることができます。

ビズリーチ

BIZREACH

引用元:ビズリーチ

  • 247万人以上の人材が登録している
  • ハイクラス人材にアプローチしやすい
  • 企業に合わせた4つの料金プラン

ビズリーチは30〜50歳のハイクラス人材をターゲットにしている転職サイトです。

ビズリーチには通常スカウトとは別にプラチナスカウトというサービスがあります。プラチナスカウトとは自社が欲しい人材に対して、面接を確約して内定までのプロセスを簡略化した送信回数の制限されたスカウトです。このプラチナスカウトを利用することで、優秀な人材をいち早く囲い込むことができます。

Eight Career Design

Eight Career Designのサイト画像

引用元:Eight Career Design

  • 350万人を超える利用者数
  • 利用者の半数以上が、管理職
  • 転職サービスに登録していない人材との出会い

Eight Career Designは名刺アプリ「Eight」に付随した採用サービスです。この「Eight」の中から自社にマッチしたユーザーを抽出してスカウトを送ることができます。

元々「Eight」は名刺を管理するサービスであるため、積極的に転職を目指しているユーザーは少ないです。そのため、多くの転職潜在層にいち早くアプローチすることができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?2024年のダイレクトリクルーティング市場は、昨年、一昨年と同様に増加していくことが予測されています。また、2025年以降の動向に関しても、日本の採用市場の状況から、伸びていくと考えられています。

ダイレクトリクルーティングは、日本の現在の中途・新卒どちらの採用市場の状況においても、とても相性の良い採用手法だと言えます。現在、なかなか採用が上手くいかないという方は、一度、ダイレクトリクルーティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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