精度の高い面接を実施することは、内定辞退や入社後のミスマッチを防ぐために不可欠です。よって、精度の高い面接を実施するため面接官トレーニングの実施を検討中の企業も増えているかと思います。
しかしながら
・面接官トレーニングの目的や本当に効果があるかわからない
・自社で取り入れるべきかわからない
・面接官トレーニングの方法やポイントがわからない
という方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、本記事では、
・面接官トレーニングの目的や背景
・もたらすメリットと事例5選
・実践する方法・ポイント
を解説します。
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面接官トレーニングを行う目的・背景
従来の面接では、一部の面接官が法律で禁止されている質問をしたり、面接中に不適切な説教を行ったり、パワハラやセクハラ行為などの問題点が報告されています。
またこのようなコンプライアンス言動がインターネット上で拡散されると、企業の評判に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの問題は、面接官の適切なトレーニングによって事前に防止できた可能性があります。不適切な言動が起こる原因は、面接官のスキルや知識の不足によるものと見なされています。
これらが、企業が面接官トレーニングを行う背景となっています。
次に、面接官トレーニングを行う目的について見ていきましょう。
目的は主に3点あります。
・面接官の惹きつけ力の向上
・面接官の見極め力の向上
・面接官のビジネスマナーの向上
それぞれ解説していきます。
面接官の惹きつけ力の向上
1点目は面接官の惹きつけ力の向上です。
近年の労働市場は労働者人口の減少に伴い「売り手市場」となっています。売り手市場においては、求職者の方が有利な立場になるため、企業は求職者に選んで選んで貰うために、企業の魅力をアピールする必要があります。
企業の魅力を上手く求職者に訴求するためには「面接官の惹きつけ力」が必要となります。
つまり、面接官トレーニングは、売り手市場において、企業の魅力を上手くアピールするため面接官の惹きつけ力を向上させることを目的としています。
面接官の惹きつけ力は具体的には以下のものが挙げられます。
・傾聴力
・質問力
・表現力など
表現力は、面接官が自社の魅力を正確に伝えるために必要です。傾聴力や質問力は、求職者をフェアに評価するために必要な能力であり、フェアな面接が行えているかどうかは面接官、ひいては企業のイメージとも結びついています。よって、傾聴力や質問力も惹きつけるために必要な能力といえます。
面接官の人材見極め力の向上
2点目は面接感の見極め力の向上です。
売り手市場とはいえ、誰でも採用するわけではなく、自社とマッチしている人材を採用しなければ、ミスマッチがおき離職に繋がります。
ミスマッチを起こさないためには、自社とマッチした人材であるかを精度高く判断できる面接官が必要になるはずです。面接官トレーニングは、面接の精度を高めるために面接官の見極め力を向上させることも目的にしています。
面接官のビジネスマナーの習得
3点目は、ビジネスマナーの習得です。
求職者が入社前に最も多く接する機会があるのはおそらく面接官であると考えられます。ゆえに、面接官への印象がその会社への印象に結びつく可能性が高いです。
つまり、面接官のビジネスマナーが悪い場合、企業への印象が下がる可能性があるということです。
企業への印象が悪くなると、求職者の企業への志望度は下がると考えられるため、面接官のビジネスマナーの習得は採用の機会損失をなくすために必要であるといえます。
面接官トレーニングの3つのポイント
まず、面接官トレーニングを行う上でのポイントを3点紹介いたします。
・現状の採用課題を特定すること
・認知バイアスの存在を認知する
・効果測定を行う
それぞれ解説していきます。
現状の採用課題を特定すること
1点目のポイントは、採用課題を特定することです。
前提として、面接官トレーニングは採用課題を解決するための手段として位置しています。そのため、採用課題は何か?を明確にした上で面接官トレーニングを行う必要があります。
また、面接官トレーニングには様々なオプションが存在するため、採用課題を明確にしておかなければ、どのトレーニングを行うことが最適解であるかがわからなくなってしまいます。
例えば、
・内定辞退率が高い場合
・離職率が高い場合
この2つのケースは、入社前と入社後の自社の課題に分類されるため何のトレーニングを行うべきかは異なっているはずです。
面接官トレーニングを効果を最大化するには、採用課題起点でオプションを選択する必要があります。
認知バイアスの存在を認知する
2点目のポイントは、認知バイアスの存在を認知することです。
認知バイアスとは、過去の経験やバックグラウンドから自然に身についた固定概念や偏見のことを言います。面接は人が判断を行うため、少なからず認知バイアスがかかってしまいます。
例えば、
・面接官が同じ大学の出身者には評価を甘くしてしまう。
・大企業出身者や経歴が高い人は優秀に感じてしまう。
などが認知バイアスの事例として考えられます。
これらのバイアスは、認知バイアスを認識することで軽減できると考えられています。つまり、自分の評価は認知バイアスによる評価になっているのではないかと疑うことによって、認知バイアスによる評価を減らすことができるのです。
そのため、認知バイアス自体を認知することが面接官としてトレーニングする際にも重要になります。
効果測定を行う
3点目は、効果測定を行うことです。
ここでの効果測定とは、面接官トレーニングの効果がどれくらい出ているのかを分析することを指しています。
そもそもの面接官トレーニングの目的は、面接官の面接力を高め、会社の採用課題を解決することにあります。そのため、面接官トレーニングを行うことによって、どのような効果が出たのかを分析する必要があります。
分析した結果を基に、面接官トレーニングを改善/継続するかどうかの判断を繰り返していくことによって、面接官トレーニングの効果を高めることができます。
面接官トレーニングのメリット
面接官トレーニングを行うことで具体的にどのような効果があるのか気になる方はいらっしゃるかと思います。
そこで、面接官トレーニングを行うメリットを3点紹介いたします。
・面接官ごとの採用実績の差を小さくできる
・内定辞退率の減少が見込める
・企業イメージが向上する
それぞれ見ていきましょう。
面接官ごとの採用実績の差を小さくできる
1点目のメリットは、面接官ごとの成果の差を小さくできる点です。採用面接では、面接官ごとに採用の成果にばらつきがでることが往々にしてあります。
「定着人材を多く採用することのできる面接官」がいる一方で「ミスマッチによる離職を増やしてしまう面接官」がいる場合もあります。
このように、面接官の力量に差異が生じている原因は、面接官が自己流で面接を実行していることが考えられます。さらに深堀して「自己流で行ってしまっていること」原因は「教育が行き届いていないこと」が考えられます。
そのため、面接官トレーニングによって面接に必要なスキルを提供する機会を均等に与えれば、面接官ごとの力量を縮められると考えられます。
内定辞退率の減少が見込める
2点目のメリットは、内定辞退を減少させることができるという点です。
面接官トレーニングにより、会社が用意した採用要件を基に面接官を教育することで、統一された採用基準が面接官に共有されます。そのため、面接官の評価から主観的な要素が少なくなり、企業が設定した客観的な基準を基に評価できるようになります。
企業が用意した客観的な評価基準によって、採用要件に合致した人材を採用しやすくなるため、ミスマッチを減らすことができ、結果として内定辞退を減らすことに繋がります。
企業イメージが向上する
3点目のメリットは、企業イメージが向上するという点です。
適切な対人スキル、傾聴スキルを身につけた面接官は、応募者の目から見れば個人としてではなく企業としてよいイメージを与えます。結果的に入社につながらなかったとしても、様々な場面で第三者に語られたり、折々に触れてその後の応募者の意思決定にかかわったりすることが期待できます。
面接官は、審査をする側という意識ではなく、自分も相手からふさわしい企業かどうか見極められている広報担当者という意識をもって応募者に接していく必要があります。
面接官トレーニングのデメリット
面接官トレーニングを実施することによる不利益はあるのか?気になる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、面接官トレーニングを導入することのデメリットを2点紹介いたします。
・課題を明確にしないと効果は薄い
・型にはまりすぎてしまう可能性がある
それぞれ見ていきましょう。
課題を明確にしないと効果は薄い
1点目のデメリットは、課題を明確にしないと効果は薄いという点です。
面接官トレーニングは大きな効果を見込むことができる一方で、解決したい課題を明確にして行わないと実施しても効果は見込めないです。課題特定をせず面接官トレーニングを行うのではなく、まずは現場の面接官にヒアリングを行いましょう。
採用の現場において何が問題となっているのか?を明確化し、その問題を解決するためにはどのような面接官トレーニングを行うべきかを検討する必要があります。
型にはまりすぎてしまう可能性がある
2点目のデメリットは、型にはまりすぎてしまう可能性がある点です。
面接官トレーニングを行って、実際の面接に臨むとなった時に、トレーニングで学んだ内容を生かそうとして、過剰にトレーニング通りの型にはめ込もうとするかもしれません。
そうすると、少しトレーニングで実践したものと異なった状況になったときに対応できない可能性があります。応募者には様々なタイプの方がいるため、臨機応変に対応するための柔軟性も必要になってきます。
面接官トレーニングの実践方法4選
面接官トレーニングは具体的にどのような方法で行うのか気になる方はいらっしゃるかと思います。
そこで、面接官トレーニングにおいて取り入れられることの多い方法を4つ紹介いたします。
・研修/セミナー
・ロールプレイング
・書籍
・メンターシップ
それぞれ見ていきましょう。
研修/セミナー
1点目は、研修/セミナーです。
面接コンサルタントなどの外部講師を招いて対面で行う場合や、オンラインで視聴できるようなサービスもあります。
面接官としての基礎講義では、まず以下のような基本知識を学びます。
・面接官としての心構え、役割
・面接の流れ
・応募者とのコミュニケーションの取り方
・質問すべき内容、タブーな質問
・面接時の注意点
・評価方法
ロールプレイング
2点目は、ロールプレイングです。
社内で採用担当者の支援プログラムとして取り入れられることの多いロールプレイングでは、採用担当者役、受験者役に分かれて実践形式で行われます。
具体的には以下のようなポイントを押さえて指導が行われます。
・聞き出すこと(応募者を審査するための情報収集)
・情報提供をすること(自社の特徴・業務内容を正しく簡潔に伝える)
・応募者を入社に結びつけること(入社の動機付けを行う)
書籍
3点目は、書籍です。
採用面接のノウハウが書かれている書籍は数多くあります。採用のプロフェッショナルによって体系立てて書かれた書籍であれば、効率よく採用関連の知識をインプットできるでしょう。
以下はおすすめの面接官のスキルを上げるための書籍になります。
・「使える人材」を見抜く採用面接(著:細井智彦)
・採用基準(著:伊賀泰代)
・採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則(著:青田 努)
メンターシップ
4点目は、メンターシップになります。
メンターシップは基本的に、ロールプレイングと同じように模擬面接を行うトレーニングになります。しかしメンターシップの大きな特徴は、経験豊富な面接官によるフィードバックを貰える点にあります。実際に模擬面接を行い、それに対してフィードバックを貰うことによって、自身の何が課題なのか?改善すべきことは何か?が具体的に理解できます。
また、同じ会社に属する面接官とロールプレイングを行うため、自社の採用要件や採用ペルソナを踏まえた上での解像度の高いフィードバックが貰えるという点もメリットになります。
面接官がトレーニングで身に着けるべきスキル
面接官が具体的に身に着けるべきスキルである、
・ビジネスマナー
・プレゼンテーションスキル
・質問力・情報収集能力
・人当たりの良い対人スキル
これら4点について解説します。
ビジネスマナー
1点目は、ビジネスマナーです。
求職者からすれば、面接官は企業の1社員であるため、面接官の態度やマナーは求職者から企業に対してのイメージとも結びつきます。面接官の態度が悪ければ、その企業に対する求職者からのイメージは悪くなるでしょう。
求職者からの企業へのイメージは、企業への志望度にもつながる要因であるため、選考の歩留まりや辞退率にも密接に関係しています。基本的なことですが、面接官のビジネスマナーのトレーニングは重要だといえます。
歩留まり率については「【事例付】採用の歩留まりとは?低下しやすい5項目と改善策を解説https://digireka-hr.jp/yield/」で解説しているのでご覧ください。
プレゼンテーションスキル
2点目は、プレゼンテーションスキルです。
プレゼンテーションスキルは、面接官が応募者に対して自社の魅力を訴求する際に役立ちます。応募者は自社だけを志望しているとは限りません。また労働市場は、売り手市場であることから応募者に有利になりがちな状況となっています。
そのため、他の会社には無い自社の魅力を、応募者の志望度が面接中にも上がるように伝えることが非常に重要になります。応募者に自社の魅力を上手く伝えるためには、プレゼンテーションスキルが重要になります。
質問力・情報収集能力
3点目は質問力です。
ここでの質問力とは、求職者を適切に判断するための質問を投げかける力のことを指しています。企業の採用面接では、採用基準が設けられていることは一般的かと思います。
この採用基準をもって求職者を採用すべきかどうかを判断するための判断材料になるものが面接でのQ&Aになります。したがって、求職者から自社の判断基準において判断可能な材料を上手く引き出す必要があるのです。
求職者から求めている解答を引き出す能力が質問力になります。
人当たりの良い対人スキル
4点目は人当たりの良い対人スキルです。
応募者は面接のために意気込んで臨んでいるでしょう。それによってかなり緊張している可能性が高いです。そんな中で面接官が本題に入る前に軽い雑談を交えたり、何気ない気遣いをしてあげることで応募者はリラックスして面接に入ることができます。
緊張した状態では、応募者は言いたいことを上手く伝えきれなかったり、本調子で話ができないという問題が生じるため、面接官は緊張をほぐすことのできる対人スキルを身に着けるべきです。
面接官トレーニングの実施企業事例5選
面接官トレーニングセミナーや、採用担当者向け研修を行っている会社である、
・株式会社マイナビ
・株式会社トライアンフ
・レジェンダ・コーポレーション株式会社
・株式会社インソース
・株式会社リスキル
それぞれ紹介していきます。
株式会社マイナビ 「採用力強化シリーズ 面接官研修」
新卒面接における質問力、評価の考え方など、面接官としての基本スキルを身につけるコースです。採用コンサルティングおよび面接経験豊富な講師が、最近の学生傾向や事例などを踏まえて、面接のポイントを指導します。
また、ロールプレイングを基本とした実践演習を通じて、面接官としての自らの課題を把握することができます。
講師派遣型:お問い合わせください
株式会社トライアンフ 「面接官トレーニング講座」
応募者とのコミュニケーションに不安のある方から、見抜き・評価力を高めたい方におすすめの講座です。様々な業界で面接経験がある講師が、経験をもとに指導してくれます。
講師派遣型で、より自社の面接官のレベルや自社の評価基準に沿ったトレーニングを実施することも可能です。
講師派遣型:お問い合わせください
レジェンダ・コーポレーション株式会社 「面接官トレーニング」
面接官に求められる基本知識やスキルを学ぶことができます。
現役の学生とのロールプレイングを通じて、面接官の印象や癖、学生への質問方法や、質問への回答方法の良い部分と改善すべき部分を伝えてくれます。本番さながらの環境を経験することにより、面接が初めての方でも、「見極める力」「惹き付ける力」「問う力」を高め、自信を持って実施できるようになります。
株式会社インソース 「良い人材を見抜くための採用面接研修」
面接官としてのマインド・知識・スキルを習得すると共に、模擬面接を通して実践力を身につけることができる講座です。面接官としての心構え・役割や面接のポイントを理解でき、良い人材を見抜く力を身につけることができます。
株式会社リスキル 「ミスマッチを防ぐための採用研修」
自社の採用基準を満たしているかの「ジャッジ」だけでなく、応募者の入社意欲を高める面接方法を身につけることをその目的としています。
5段階中平均4.75点の講師が登壇し、豊富なワークショップやロールプレイングを通して学ぶことが可能です。
無料の研修管理ツール使用で10,000円。
一社研修:全ビジネス研修メニューが人数問わず料金一律です。
金額はお問い合わせください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、
・面接官トレーニングの目的や効果がわからない
・自社で取り入れるべきかわからない
・面接官トレーニングの方法やポイントがわからない
という方のために、面接官トレーニングの「目的や効果」「方法、ポイント」を解説しました。
ぜひ面接官トレーニングの検討にお役立て下さい。
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