新卒採用はいつから始める?最適な採用スケジュールを解説

新卒採用はいつから始める?最適な採用スケジュールを解説!

「新卒採用はいつから始めるべきか」。新卒採用に携わる人事担当者なら、一度は頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか。近年、新卒採用の早期化が進む中で、自社に最適な採用スケジュールを立てることが重要になってきています。

しかし、学生の就職活動の動向や、自社の採用ニーズを踏まえて、効果的なスケジュールを設定するのは難しいものです。そこで本記事では、新卒採用の基本的な流れから、早期化の実態、企業タイプ別の採用スケジュールの特徴まで、網羅的に解説します。

さらに、スケジュール設定の際の考慮点や、効果的なスケジュールの立て方についてもご紹介。新卒採用のスケジュールを検討する際に、ぜひ参考にしてください。

監修者情報

監修者用
株式会社uloqo
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月株式会社uloqoを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

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新卒採用の基本的なスケジュール

新卒採用の基本的なスケジュールについて解説します。新卒採用は、大学3年生の3月1日から解禁され、約1年間にわたって行われます。この期間内に、企業は母集団形成、インターンシップ、選考、内定出しなどの一連のプロセスを経て、新卒人材の獲得を目指します。

新卒採用の解禁日と採用活動の流れ

基本的には、新卒採用の解禁日は、大学3年生の3月1日です。この日以降、企業は自社の採用情報を公開し、学生とのコミュニケーションを開始することができます。

採用活動の流れとしては、まず母集団形成から始まり、インターンシップ、選考、内定出しへと進んでいきます。各プロセスには、それぞれ適切な時期があり、企業はこれを考慮しながら採用スケジュールを組む必要があります。

新卒採用の主要イベントと時期

新卒採用における主要なイベントとその時期は、「就活ルール」に基づいて設定されています。就活ルールでは、以下の3つの解禁日が定められています。

  • 広報解禁日:大学3年生の3月1日
  • 選考解禁日:大学4年生の6月1日
  • 内定解禁日:大学4年生の10月1日

これらの解禁日を基準として、各イベントが以下のような時期に実施されます。

  • 広報解禁日以降:採用情報公開、プレエントリー開始、会社説明会実施、エントリーシート受付け
  • 選考解禁日以降:本選考(試験や面接など)
  • 内定解禁日以降:内定出し、内定者フォロー

ただし、これらの就活ルールは、政府から企業への要請であり、法的な拘束力や罰則はありません。そのため、厳格にルールを守るよりも、早期に採用活動を開始する企業が多いのが実状です。

新卒採用の終了時期と内定者フォロー

新卒採用の終了時期は、翌年の4月入社に向けて内定者を確保した時点となります。多くの企業では、12月までに内定出しを完了させます。

しかし、採用活動はこれで終わりではありません。内定出し後は、内定者フォローが重要な役割を果たします。企業は、内定者との継続的なコミュニケーションを通じて、入社意欲を維持・向上させる必要があります。

新卒採用の各ステップとその開始時期

次に、新卒採用の各ステップとその開始時期について詳しく見ていきましょう。母集団形成、インターンシップ、選考プロセスのそれぞれについて、いつから始めるべきかを解説します。

母集団形成はいつから始めるべきか

母集団形成は、新卒採用の第一ステップであり、できるだけ早期に開始することが望ましいといえます。多くの企業では、大学3年生の5月〜8月頃から母集団形成を始めています。

この時期は、学生の就職意識が高まり始める時期でもあるため、効果的な母集団形成が可能です。具体的には、以下のような取り組みを通じて、学生との接点を増やしていきます。

  • 自社の採用サイトの立ち上げ
  • SNSでの情報発信
  • 合同説明会への参加
■母集団形成の具体的な方法に関してはこちらで詳しく解説しています。
新卒母集団形成の9つの方法|成功ポイントや形成ステップを解説

インターンシップの最適な実施時期

インターンシップは、学生に自社の業務内容や雰囲気を知ってもらう絶好の機会です。多くの企業では、大学3年生の6月〜8月にインターンシップを実施しています。この時期は、学生の夏休み期間と重なるため、比較的参加しやすいというメリットがあります。

一方で、早期化の傾向から、春休み期間(2月〜3月)にインターンシップを行う企業も増えています。自社の採用戦略に合わせて、最適な時期を選ぶことが大切です。

選考プロセスのスタート時期と内定出しのタイミング

選考プロセスは、エントリーシートの提出から始まり、面接、筆記試験、最終面接を経て内定出しに至ります。多くの企業では、大学3年生の6月〜10月にエントリーシートの提出を受け付け、8月〜11月に面接・選考を実施します。

内定出しは、10月〜12月が一般的です。ただし、近年では選考の早期化が進んでおり、9月には内定を出す企業も珍しくありません。自社の採用ニーズと学生の動向を見据えながら、選考スケジュールを組むことが求められます。

新卒採用の早期化とその背景

ここでは、新卒採用の早期化傾向とその背景について掘り下げます。近年、多くの企業が新卒採用の開始時期を前倒しする傾向にあります。その実態と、早期化が進む理由について説明します。

新卒採用の早期化傾向とその実態

新卒採用の早期化傾向は、年々顕著になっています。従来、新卒採用は大学3年生の3月解禁でしたが、現在では多くの企業が大学2年生の段階から採用活動を開始しています。

具体的には、大学2年生向けのインターンシップの実施、SNSでの早期の情報発信などが行われています。この傾向は、特に人気企業や大手企業で顕著であり、優秀な学生の獲得競争が年々激化しているといえます。

早期化が進む理由と企業の思惑

では、なぜ新卒採用の早期化が進んでいるのでしょうか。その主な理由は、優秀な学生の獲得競争にあります。

多くの企業が、できるだけ早い段階で学生とのコミュニケーションを開始し、自社への興味・関心を高めておきたいと考えています。また、長期インターンシップを通じて、学生の能力や適性を見極めたいという思惑もあります。早期化することで、他社に先んじて優秀な学生を確保することができると期待されているのです。

早期化に対する学生の意識と反応

一方で、学生側の反応はどうでしょうか。早期化に対する学生の意識は二分化しているといえます。

一部の学生は、早い段階から就職活動に取り組むことで、有利に進められると考えています。実際、早期にインターンシップに参加したり、企業との接点を持ったりすることで、就職活動をスムーズに進める学生もいます。

しかし、多くの学生にとっては、早期化はプレッシャーになっているのも事実です。大学生活を楽しみたい、じっくり進路を考えたいという学生にとって、早期化は必ずしも歓迎されているわけではありません。企業側は、学生の意向を汲み取りながら、柔軟に対応していく必要があるでしょう。

企業タイプ別の新卒採用スケジュール

新卒採用のスケジュールは、企業によって異なります。ここでは、企業のタイプ別に、それぞれの採用スケジュールの特徴を見ていきます。

早期スタート型企業の採用スケジュール

早期スタート型企業は、新卒採用を非常に早い時期から開始します。具体的なスケジュールは以下の通りです。
早期スタート型企業の採用スケジュール

  • 大学2年生の秋頃から母集団形成を開始
  • 大学3年生の春にインターンシップを実施
  • 大学3年生の6月〜8月に選考を実施
  • 大学3年生の9月には内定出しを開始

このタイプの企業は、主に人気ベンチャー企業や外資系企業に多く見られます。早期に優秀な学生を獲得するために、積極的に採用活動を展開しています。

標準スタート型企業の採用スケジュール

標準スタート型企業は、新卒採用を従来の解禁日に合わせて開始します。具体的なスケジュールは以下の通りです。
標準スタート型の企業の採用スケジュール

  • 大学3年生の5月ごろから母集団形成を実施
  • 大学3年生の夏にインターンシップを実施
  • 大学3年生の10月から選考を実施
  • 大学3年生の11月以降、内定出しを実施

このタイプの企業は、大手メーカーや金融機関に多く見られます。採用スケジュールは、学生の就職活動の一般的な流れに沿っているといえます。

後発スタート型企業の採用スケジュール

後発スタート型企業は、新卒採用を比較的遅い時期から開始します。具体的なスケジュールは以下の通りです。
早期スタート型企業の採用スケジュール

  • 大学3年生の9月〜12月に母集団形成を実施
  • 大学3年生の12月〜2月にインターンシップを実施
  • 大学4年生の4月〜6月に選考を実施
  • 大学4年生の6月〜8月に内定出しを実施

このタイプの企業は、中小企業やニッチ業界の企業に多く見られます。採用活動に割ける時間や資源が限られているため、効率的な採用スケジュールを組んでいるのが特徴です。

業界や企業規模による採用スケジュールの違い

以上のように、新卒採用のスケジュールは企業のタイプによって大きく異なります。また、業界や企業規模によっても、採用スケジュールに違いが見られます。

例えば、IT業界では早期化が著しく、大手企業ほど早いスケジュールで採用活動を展開する傾向があります。一方、公務員志望者を対象とした採用では、国家公務員試験のスケジュールに合わせて、比較的遅い時期に選考が行われます。

自社の特性を踏まえつつ、最適な採用スケジュールを設定することが求められます。

新卒採用スケジュールを決める際の考慮点

新卒採用のスケジュールを決める際には、様々な要素を考慮する必要があります。ここでは、スケジュール設定の際に押さえておくべきポイントを解説します。

自社の採用ニーズと目標人数の設定

新卒採用のスケジュールを決める前に、まず自社の採用ニーズを明確にしておく必要があります。

どのような人材が必要なのか、どの程度の人数を採用したいのかを具体的に設定しましょう。採用目標が明確になれば、それに合わせてスケジュールを組むことができます。

例えば、大量採用が必要な場合は、早期からの母集団形成が欠かせません。一方、少数精鋭の採用を目指す場合は、じっくりと選考を進められるよう、スケジュールに余裕を持たせることが大切です。

採用競合企業の動向と差別化戦略

自社の採用スケジュールを決める際は、競合企業の動向を把握しておくことも重要です。

特に、同業界の人気企業の採用スケジュールは、学生の就職活動に大きな影響を与えます。競合企業の動向を分析し、自社の強みを生かせる採用スケジュールを設定しましょう。

例えば、競合他社よりも早くインターンシップを実施することで、学生との接点を増やすことができます。また、選考時期をずらすことで、他社と差別化を図ることも可能です。

ターゲット学生層の就活スケジュールとの整合性

新卒採用のスケジュールは、ターゲットとする学生層の就職活動のスケジュールと整合性を取ることが大切です。

例えば、理系学生を対象とする場合は、研究室配属のタイミングを考慮する必要があります。また、外国人留学生を採用する場合は、ビザの取得スケジュールにも配慮が必要です。

学生の就活スケジュールを理解し、それに合わせて自社の採用スケジュールを調整することで、効果的な採用活動が可能になります。

社内リソースと採用体制の整備

新卒採用のスケジュールを決める際は、社内のリソースと採用体制も考慮に入れる必要があります。

採用活動には、人材、時間、予算などの様々なリソースが必要です。自社の現状を踏まえ、無理のない採用スケジュールを設定しましょう。また、採用担当者の育成や、社内の協力体制の構築にも時間を割く必要があります。採用スケジュールに合わせて、社内リソースを最大限に活用できる体制を整えることが重要です。

効果的な新卒採用スケジュールの立て方

最最後に、効果的な新卒採用スケジュールの立て方について、ポイントを絞って解説します。
効果的な新卒採用スケジュールの立て方

母集団形成からオファー出しまでの最適化

効果的な新卒採用スケジュールを立てるには、母集団形成から内定出しまでの一連のプロセスを最適化することが重要です。まず、母集団形成の時期と方法を戦略的に設定しましょう。

自社の認知度を高め、優秀な学生に興味を持ってもらうために、早い段階から情報発信を始めることが有効です。また、選考プロセスは、学生の特性を見極められるよう、複数の選考方法を組み合わせることが望ましいでしょう。

内定出しのタイミングは、学生の就職活動の状況を見ながら、柔軟に調整していくことが大切です。

インターンシップの戦略的な活用方法

インターンシップは、学生と企業の相互理解を深める絶好の機会です。戦略的にインターンシップを活用することで、効果的な新卒採用が可能になります。

まず、インターンシップの目的を明確にしましょう。早期に優秀な学生を発掘したいのか、自社の魅力を伝えたいのか、目的に合わせてプログラムを設計することが大切です。

また、インターンシップ参加者には、選考プロセスにおいて一定の優遇措置を設けることも効果的です。インターンシップを通じて、学生と深い関係性を構築することで、その後の採用活動がスムーズに進められるでしょう。

選考プロセスの設計とコミュニケーション強化

選考プロセスは、学生の能力や適性を見極めるための重要な機会です。効果的な選考プロセスを設計するには、自社の求める人材像を明確にし、それに合わせた選考基準を設定することが不可欠です。

また、選考プロセスを通じて、学生とのコミュニケーションを強化することも大切です。面接では、学生の話に耳を傾け、丁寧なフィードバックを行いましょう。筆記試験の結果についても、学生に適切に説明することが求められます。こうしたコミュニケーションを通じて、学生との信頼関係を構築していくことが、効果的な新卒採用につながります。

内定者フォローの充実と入社意欲の維持

内定出し後は、内定者フォローが重要な役割を果たします。内定者との継続的なコミュニケーションを通じて、入社意欲を維持・向上させることが大切です。具体的には、定期的な連絡や、社内イベントへの招待などが効果的でしょう。

また、内定者同士の交流の場を設けることで、内定者コミュニティを形成することもできます。こうした取り組みを通じて、内定者の不安を払拭し、入社への期待感を高めていくことが求められます。

内定者フォローは、新卒採用スケジュールの最終段階ですが、入社後の定着にも大きな影響を与えます。充実した内定者フォローを行うことで、新入社員の早期戦力化につなげましょう。

まとめ

以上、新卒採用のスケジュールについて、基本的な流れから、早期化の実態、企業タイプ別の特徴、スケジュール設定の際の考慮点、効果的なスケジュールの立て方まで、幅広く解説してきました。

新卒採用は、企業の将来を左右する重要な取り組みです。自社の特性や採用ニーズを踏まえつつ、学生の動向にも配慮しながら、最適な採用スケジュールを設定することが求められます。

早期化が進む中、他社との差別化を図り、優秀な人材を確保するために、戦略的な新卒採用スケジュールを立てることが、今後ますます重要になるでしょう。

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