あの人は遅刻したことがあるけれど、皆勤手当は支給すべきだろうか
有給をとっていたあの人には支給すべき?
このように判断に困ることって多いですよね。
本記事では、皆勤手当の受給条件や相場、有給や遅刻の際の対応まで解説します。
皆勤手当とは
皆勤手当とは、従業員が休まず出勤した場合に支給する手当のことです。皆勤手当に近い言葉として精勤手当も存在します。
皆勤手当と精勤手当の違い
皆勤手当と精勤手当。正確には以下のような違いがあります。
精勤手当:会社が従業員に対して「頑張って働いた」とみなせば支給する手当
上記だけ見ると、精勤手当の定義はあいまいですよね。従業員が何時間働いて、どれくらいの成果を出せば「頑張って働いた」とみなすのか、基準がないからです。このあいまいさが従業員とのトラブルを引き起こします。そのため以下のような対応をとり、未然にトラブルを防ぎましょう。
精勤手当に関するトラブルを未然に防ぐために
・就業規則に精勤手当の基準を記載する
・精勤手当の基準を従業員に周知徹底する
また、皆勤手当と精勤手当はどちらも法定外手当です。すべての会社で支給されるわけではないため注意しましょう。
皆勤手当は法定外手当
先ほど「皆勤手当は法定外手当だ」と述べました。では、法定外手当とはどのようなものなのでしょうか。
法定外手当とは、法律で支給が定められていない手当のことを指します。そのため、以下のようなことが起こります。
・すべての会社にあるわけではない
・支給条件が会社によって異なる
法定外手当であるからといって、急に廃止・変更することはできません。従業員との話し合いを行い、会社・従業員の双方が納得する形を目指しましょう。
皆勤手当は会社のためにある
皆勤手当は会社のためにあります。皆勤手当には以下の効果が見込まれるからです。
・欠勤を減少させる
・賃金の向上により、離職率を低下させる
これらの効果により、会社に利益があることは間違いないでしょう。しかし皆勤手当によって経営に影響が出ているのであれば、話は変わります。皆勤手当の廃止、金額の減少を考えてみては。
皆勤手当の支給条件
皆勤手当の支給条件は会社によって異なります。本記事では皆勤手当のことを「従業員が休まず出勤した場合に支給する手当」としていました。しかし、会社によってその基準が異なるのです。遅刻や早退した場合「休まず出勤」とするかどうか、判断は分かれるのではないでしょうか。
従業員からすると、1回の遅刻や早退で皆勤手当の支給対象から外れるというのは不満に感じるでしょう。会社によっては、3回の遅刻=1回の欠勤とする就業規則を定めているところもあるようです。
従業員に不満を抱かせないためにも、就業規則の欠勤に関する項目を確認してみてはいかがでしょうか。
従業員が有給をとった場合、皆勤手当は支給すべき?
従業員が有給をとった場合、皆勤手当は支給すべきか。結論からいうと、皆勤手当は支給するべきです。
「従業員が有給をとった場合、皆勤手当は支給すべきか」という問題は、有給は欠勤に含まれるのか、といった点に注目してしまいがちです。しかし、この点は重要ではありません。問題となるのは、「有給をとった従業員に不利益が出ていないか」です。
労働基準法第百三十六条には
といった記述があります。もし、有給をとった従業員に対して皆勤手当を支給しなかった場合、従業員に対して不利益が出ていると判断されます。したがって、皆勤手当を支給しなければなりません。
皆勤手当の相場
皆勤手当の相場は1人当たり1万円/月 程度といわれています。しかし、会社によって金額も条件も異なります。自社業界や職種に絞って相場を調べてみてはいかがでしょうか。
割増賃金の基礎となる賃金には皆勤手当が含まれる
残業代計算の際、考えなければならないのは「割増賃金の基礎となる賃金」です。
「割増賃金の基礎となる賃金」とは
「割増賃金の基礎となる賃金」について知るにあたって、まずは割増賃金について知りましょう。
従業員が時間外労働や休日労働・深夜労働を行った際、法令で定める割増率以上の率で算定した賃金を支払わなければいけません。この割増した賃金のことを割増賃金といいます。
そして割増賃金は、所定労働時間の労働に対して支払われる1時間あたりの賃金額を基礎として計算します。月給制の場合、月給を1か月の所定労働時間で割って計算しましょう。
この1時間あたりの賃金額が「割増賃金の基礎となる賃金」です。
割増賃金の基礎となる賃金に皆勤手当が含まれる理由
割増賃金の基礎となる賃金には、皆勤手当が含まれます。
理由としては、労働基準法施行規則第二十一条に次のように定められているからです。
一 別居手当
二 子女教育手当
三 住宅手当
四 臨時に支払われた賃金
五 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金
また、上記で言及されている労働基準法第三十七条第五項は次の通りです。
上記に皆勤手当は含まれていないため、皆勤手当は割増賃金の基礎となる賃金に含まなければなりません。
皆勤手当と割増計算の方法
皆勤手当が割増計算に含まれることは分かりました。では、どうやって計算すればよいのでしょうか。皆勤手当の金額は増減する可能性があるため、悩ましいところですよね。
結論からいうと、皆勤手当として設定した金額を「割増賃金の基礎となる賃金」として考えなければいけません。
例皆勤手当=1万円 の会社
・満額の1万円を支給した場合
もちろん、1万円を「割増賃金の基礎となる賃金」として考えます。
・皆勤手当を支給していない場合
支給していないため、計算に含む必要はありません。しかし、毎月「割増賃金の基礎となる賃金」が変化してしまいます。そのため1万円を「割増賃金の基礎となる賃金」に含んでしまう会社もあるようです。
上記のように、会社側の都合も考慮しながら皆勤手当の金額を計算しましょう。
まとめ
皆勤手当は従業員がしっかりと働いた証拠のようなもの。誰に支給すべきか、有給は欠勤に含むのか、迷われた方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
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