ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活用した新しい採用手法で、近年日本においても活用している企業が増えています。
導入を検討される担当者の方の中には
・本当にソーシャルリクルーティングを始めるべき?
・自社にあったサービスがわからない
など、さまざまな疑問や悩みを持つ方も多いと思います。
この記事では、ソーシャルリクルーティングの特徴と、おすすめサービスの4選をご紹介いたします。採用手法でお悩みの担当者様は是非、参考にしてみてください。
改めて知りたい!ソーシャルリクルーティングとは?
ソーシャルリクルーティングの定義について、改めてご紹介します。
ソーシャルリクルーティングとは
「ソーシャルリクルーティング」とは、FacebookやTwitterなどのSNSを利用した新しい採用手法です。
従来の人材採用では、求職者が応募をし企業が採用選考をする順序が一般的でした。一方でソーシャルリクルーティングでは、SNSを通して人と人を繋げ最初に信頼関係を構築してから、採用選考に進むという特徴があります。ソーシャルリクルーティングを活用することによって、自社の情報をより多くの人に共有するという、効率的な採用活動が可能です。
ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違い
ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングは、企業側が候補者に直接アプローチをかけるという点で同じことを意味しますが、両者では使用するツールが異なります。
ソーシャルリクルーティングは、SNSを用いて自社の魅力を発信したり、候補者に直接アプローチをかけたりすることを意味するのに対し、ダイレクトリクルーティングでは手段は問わず、候補者に直接アプローチするという行為自体のことを指します。
つまり、ダイレクトリクルーティングの中でも、SNSを用いて採用活動を実施することをソーシャルリクルーティングと呼びます。
ソーシャルリクルーティングって信頼できる?
一般にSNS上の情報は信頼性や正確性に欠けることも多く、企業担当者の方の中には「ソーシャルリクルーティングって信頼できる?効果はある?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

引用元:マイナビ 中途採用実態調査(2023年)
ですが、株式会社マイナビが実施した中途採用実態調査(2023)によると、近年、即戦力の補充などを目的に中途採用を行う企業が増えています。
上のグラフによると、その中でもソーシャルリクルーティングを含めたダイレクトリクルーティングを行う企業が増加しています。
ダイレクトリクルーティングとは企業が求職者に直接アプローチする採用手法全般を指し、自社にあった人材をピンポイントに採用できることから注目が集まっています。
ダイレクトリクルーティングを行うことで、コストを削減できる・求める人材に対して、的確なアプローチが可能・潜在層へのアプローチが可能・採用後のミスマッチを防止できるなど、さまざまなメリットが得られます。
ソーシャルリクルーティングを含め、ダイレクトリクルーティングを行う際は、長い時間をかけることや明確なペルソナの設計、一貫した情報管理などが、採用活動成功のカギです。
最近では、X(旧ツイッター)やLINEなどの普段使いされるSNSに加え、LinkedInなどのビジネス用のSNSも普及しており、ますますダイレクトリクルーティングの間口が広がっています。
また、直接企業からのスカウトが可能な人材紹介サービスも多岐に渡ります。
最近ではそうしたダイレクトリクルーティングの代行をする「スカウト代行」の利用も一般的です。
スカウト代行会社の種類は多岐に渡ります。具体的には、採用代行の一つとしてスカウト代行を行う会社、スカウト配信の代行のみを行う会社、ノウハウのある人材をクライアント企業にアサインする会社、プロジェクトマネジメントも行う会社、などです。
適切な活用方法を実践し、信頼できる情報を得ることで、より効率的な採用活動が見込めるでしょう。
ダイレクトリクルーティングについては、「【中途採用向け】ダイレクトリクルーティングツール11選徹底比較!特徴・料金まとめ」で詳しく解説しています。
一般的なソーシャルリクルーティングのやり方
実際にソーシャルリクルーティングの方法を手順ごとに解説します。
採用
採用する際はまず、SNSを通じて気になる人材にコンタクトを取ります。
コミュニケーションを重ねる中で、その候補者のスキル・経験・希望する方向性などを判断し、自社の求める人材とのマッチ度を測ります。
こうしたコミュニケーションを取る上で、候補者が彼ららしさを出すことができるよう、フレンドリーな態度で接するのが良いでしょう。
情報収集
ハッシュタグやコメント、アンケートなどをSNS上で活用し、情報収集を行います。
例えば、会社説明会などの採用に関するイベントを開催した後に、SNS上で参加者の声を知ることができます。
発言内容から、その候補者の自社に対する興味・印象などを見ることもできるでしょう。
好意的な意見が多く、多くのいいね数・閲覧数を得ている投稿があれば、自社情報の拡散にも繋がります。
情報発信
自社の情報を積極的に発信し、より多くの人に自社を知ってもらうことができます。
特にSNSでは継続的な投稿により、フォロワーの増加・閲覧数の上昇が見込めます。
いいね数・再生回数など、その投稿やアカウントの影響力が如実に見えるSNSであるからこそ、情報発信には力を入れて、アカウントとしての地位を高めていくことが大切です。
使われるSNSの種類・特徴
気軽に始めやすいソーシャルリクルーティングですが、うまく活用できなければ意味がありません。
ターゲット層を正確に定義すること、各SNSの特徴を理解しその上で自社にあったSNSを選定することでソーシャルリクルーティングの効果を高めることができます。
ここでは、メジャーなSNSとその特徴、利用方法をご紹介します。
LINE
月間利用者数 9200万人
LINEは男女ともに幅広い世代で利用されているコミュニケーションツールです。どちらかというとクローズドで、個人間の会話が公開されることはありません。
LINEを用いて採用活動を行う際には、公式アカウントを作成し、候補者にダイレクトに情報を発信するのがおすすめです。公式アカウントでは自動返信も行えますが、手動で個人に連絡することもできます。
月間利用者数 2600万人
Facebookは男女ともに30代~40代に利用者が多く、他のSNSに比べて年齢層が高いのが特徴です。基本的に実名制で、面識がある人同士の利用がメインになります。
Facebookでは写真投稿を多く行えるため、写真や画像を用いた情報発信が効果的です。
シェア機能により、候補者がどのような投稿に興味をもったかを知ることができる他、拡散してもらえることもあります。
X(旧Twitter)
月間利用者数 4500万人
X(旧Twitter)は男女とも10代~30代に利用者が多いのが特徴です。オープンなツールで情報拡散能力が高く、投稿が時系列で表示されるため投稿量が重要になります。
Xでは、さまざまな大手企業の公式アカウントが社内での日常を発信するなど、親しみやすい投稿をしています。
短い文章で投稿できるからこそ、こまめな情報発信や企業のイメージ作りが行えるでしょう。
ダイレクトメッセージにて、候補者と直接やりとりをすることもできます。
YouTube
月間利用者数 6500万人
YouTubeは男女とも比較的幅広い世代で利用されているツールです。動画を投稿することがメインで、コミュニケーションを取ることもできますが、動画投稿がメインのプラットフォームです。
Youtubeにはダイレクトメッセージの機能はありませんが、動画による情報発信を通じてリーチを広げることができます。コメント欄にて、視聴者の反応を見れるところも特徴です。
月間利用者数 3300万人
Instagramは特に女性で10代~30代に利用者が多いのが特徴です。画像の投稿が多く、比較的オープンですが個人間のやり取りも可能です。
Instagramでは、投稿の系統を揃えることでアカウント固有の雰囲気を出すことができます。投稿だけでなく、ストーリーやインスタライブ、リール動画を通して多角的なアプローチも可能です。
月間利用者数 3.1億人
LinkedInは、世界中のビジネスに関心のある人が、各業界・専門家とつながるために利用しているSNSです。世界規模で使われており、利用者数が桁違いです。日本での知名度はまだ低いと言えますが、海外の人材とのコンタクトを取りやすいです。
またLinkedInにて広告を出し、意欲的な候補者にアプローチをする企業も増えています。
ソーシャルリクルーティングのメリット・デメリット
ソーシャルリクルーティングのメリット・デメリットにはどのようなことが考えられるのでしょうか?
メリット
メリットは大きく分けて、以下の4つが挙げられます。
・候補者と双方向のコミュニケーションが取れる
・企業の情報発信を効率的に行える
・採用コストを抑えられる
・広範なターゲット層へのリーチ拡大ができる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
|候補者と双方向のコミュニケーションが取れる
SNSを利用して採用を行う中で、チャット機能やコメント機能を用い、候補者と企業の双方向のコミュニケーションが可能になります。
従来の採用過程よりも近い距離間でコミュニケーションを取ることで、お互いの理解を深めあうことができ、採用後のミスマッチを減らすことにも繋がります。候補者からの質問に迅速に回答したり、フィードバックを提供したりすることも可能です。
|企業の情報発信を効率的に行える
SNSを用いて、企業・採用に関する情報発信を効率的に行うことができます。
例えば、インスタグラムであれば、通常のフィード投稿に加え、ストーリーズの投稿やインスタライブを行えます。そうすることで、企業のブランドや文化、価値観を効果的にアピールすることができます。
また、投稿をアーカイブやハイライトとして残しておくことができるので、情報発信をしやすいですし、候補者にとっても必要な情報を得やすいです。
|採用コストを抑えられる
ソーシャルリクルーティングは既存のSNSを利用する方法のため、基本的に無料で利用することができます。
具体的には、求人広告の配信やブランド露出にかかる費用が少なく済む場合が多いです。
一般的な求人サイトや人材紹介は、コストが数十万〜数百万万円かかりますが、そのコストが抑えられることは大きなメリットになっています。また、そのコストのかからなさから、気軽に利用を開始できることが特徴となっています。
|広範なターゲット層へのリーチ拡大ができる
ソーシャルメディアは世代を超えて広く利用されており、幅広い層の人々にアクセスする手段として有効です。求職者の興味・能力・経験に合ったターゲット層にリーチできます。
具体的には、ターゲット広告とターゲティング機能を用いて、求職者の興味や履歴に基づいて広告を配信できる他、シェアや拡散により予想以上のリーチを産むこともできます。
ハッシュタグやキーワードを利用して、関連するトピックやテーマに関連するユーザーにアクセスすることも可能です。
デメリット・問題点
ソーシャルリクルーティングのデメリットには以下の3つが挙げられます。
・労力がかかる
・急募・大規模採用には向いていない
・情報漏洩・炎上のリスクが高い
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
|労力がかかる
ソーシャルリクルーティングでの採用を実現するためには、更新頻度がポイントとなります。
更新頻度が高く、最新情報が豊富であるほど、アカウントの信憑性が高まるからです。
また、短期的な効果が見込めるものではなく、長期的な労力がかかる点も理解しておきましょう。
|急募・大規模採用には向いていない
上記でも記載した通り、ソーシャルリクルーティングでは選考前からある程度お互いの理解度を深める必要があります。
そのため、迅速に人手が必要な場合や、大規模採用の場合には向いていません。
特に、SNS上では情報が多岐に渡り、候補者の情報が多様化しています。そのため、候補者にとっても、自分に適切な情報を見つけるのが難しくなってしまいます。
企業側は、自社にあう人材を丁寧なプロセスのもとで採用する意識を持つ必要があります。
|情報漏洩・炎上のリスク
ソーシャルリクルーティングはSNSを利用して採用活動を行うため、情報漏洩や炎上のリスクも伴います。
特にプライバシーの問題には注意が必要です。個人情報が採用プロセスで不適切に使用されることや、採用担当者が適切な情報管理を怠る可能性も考えられます。
炎上を防ぐためにコンプライアンスを意識し、投稿前に第三者に確認してもらう等の対策が必要です。
成功するためのコツ
ソーシャルリクルーティングを成功させるためのコツをご紹介します。
ターゲットを明確にする
ソーシャルリクルーティングを成功させるには、自社が求める人材を明確にすることが大切です。
特に、SNSによって利用者の年代は異なります。各SNSの特徴を十分に把握し、ターゲットに応じた情報発信をする必要があります。
双方向のコミュニケーションを行う
ソーシャルリクルーティングの大きな強みの一つが、候補者と双方向のコミュニケーションを取れることです。
一方的な情報発信だけではなく、候補者が何を知りたいのかを考えながら、柔軟なアプローチをすることが大切です。
常に最新の情報を発信
SNSではタイムリー性が重視されます。
こまめに投稿をしてフォロワーの注目を集めるのは大切ですが、その情報が最新のものかどうか、候補者にとって有益であるかどうかが、自社の信頼に関わります。
定期的に、有益な情報を発信するようにしましょう。
他の施策とソーシャルリクルーティングの比較
ソーシャルリクルーティングは、業務の効率化に直接効果がある訳ではありません。しかし、SNSを通じて自社の求める人物像にあう候補者にダイレクトに連絡することができるため、採用する人材の質を高めることができます。
SNSの発信、チャットのやりとりなどの業務は追加で生じますが、企業の親しみやすいイメージを作るため、知名度上昇のためなどにも役立ちます。
ただし、ソーシャルリクルーティングの他にも、採用業務の質を上げる方法はあります。それぞれの特徴をご紹介します。
採用ツールを導入する
採用ツールとは採用のオペレーション業務を効率化し、労力を削減できるツール全般を指します。具体的には、オンライン会社説明会、動画、採用サイト、求人情報サイト、求人検索エンジン、SNS、採用管理システムなどです。
これらを活用すれば、効果的な採用業務が行えますが、どれもある程度のノウハウが必要になります。
自社内に採用業務に詳しい方がいる場合におすすめです。
採用代行サービスを利用する
採用代行は、採用業務全体を部分的にも全体的にも依頼することが可能です。そのため、サービス内容や費用はさまざまで、自社のニーズに合わせて最適なプランを利用することが可能です。
特に、面接代行サービスのみの利用も可能で、より自社にマッチした人材を採用したい際、経験・知識ともに豊富な面接官により適切な採用を代行してもらうことができます。
また、応募媒体に関わらず、自社求人に応募する全ての人への対応を代行してもらうことができます。
企業の成功事例
実際にソーシャルリクルーティングを行い成功した企業の例をご紹介します。
株式会社NTTドコモ
株式会社NTTドコモでは、新卒向けの採用活動をするにあたり、自社の特設Facebookを設け、限定Liveセミナーや社員へのインタビューなどを含むコンテンツを用いて、選考に関する情報や自社の魅力を積極的に発信し、競合他社との差別化を図るだけでなく、より多くの応募者数を獲得しているそうです。
参照:)「株式会社ドコモ公式HP」
三井住友カード株式会社
三井住友カード株式会社では、新卒採用を行うにあたり、自社の特設Instagramを開設し、採用情報だけでなく、オフィスの様子や社員・内定者インタビューなどを定期的に発信しています。
SNSの使用頻度が高い学生に対して、Instagramを通して実際に働いている社員の方を紹介することで、社内の雰囲気をダイレクトに伝え、より効果的な採用活動を行なっているそうです。
参照:)「三井住友カード株式会社公式Instagram」
実際にソーシャルリクルーティングを始めるには?
ソーシャルリクルーティングを始める際には、以下のことに気をつけましょう。
運用ルールを決定する
SNSをうまく活用するにはその運用ルールを決めましょう。
特に注意したいのが以下の3点です。
・投稿頻度
・投稿の内容、テーマ
・返信のタイミング
これらを統一しなければ、候補者に不信感を与えかねません。
アカウントの運用ルールを決めた上で、ソーシャルリクルーティングに取り組みましょう。
一つSNSを初めてみる
ソーシャルリクルーティングをうまく進められるか自信がない…という場合は、まず自社の宣伝も兼ねて一つ公式SNSを運用してみましょう。
そうすることで、SNSの運用方法やかかる労力、それにより得られる成果(獲得フォロワー数など)の全体像をつかむことができます。
一から採用活動を目的にSNSを運用することもできますが、初めはそのアカウントをみてもらうフォロワーの獲得が欠かせません。
まずは一つ、自社のターゲットにあったSNSの運用を初めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、ソーシャルリクルーティングについて、その概要からSNSの種類、注意点など、幅広くご紹介しました。
求める人材に直接連絡が取れるソーシャルリクルーティングを行うことで、採用人材の質を向上させることができます。
自社の採用活動を今一度見直し、ソーシャルリクルーティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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