近年、企業経営において「ダイバーシティ」の重要性が注目されています。特に採用の場面では、性別、年齢、国籍、障がいの有無、性的指向、価値観など、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に受け入れる「ダイバーシティ採用」が広がりを見せています。
グローバル化や価値観の多様化が進む中で一様な人材だけでは変化に対応しきれず、イノベーションも生まれにくくなります。多様性を受け入れ、互いの違いを尊重する職場づくりは、組織の柔軟性と競争力を高め、より持続可能な成長を実現する鍵となります。
本記事では、ダイバーシティ採用の意義や実施する上での課題、企業に与えるポジティブな影響について詳しく解説していきます。
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ダイバーシティ採用とは?
最近よく聞くダイバーシティ採用とはどのようなものなのでしょうか?本章ではダイバーシティ採用について紹介していきます。
基本情報
「ダイバーシティ採用」とは、企業が採用活動において、多様なバックグラウンドや特性を持つ人々を積極的に採用することを指します。性別・性的思考・年齢・人種・宗教・障がい・教育背景や経験など様々な違いを尊重し、働き方などに偏見を持たず、多様な人材を採用する考え方です。
注目される背景
なぜダイバーシティ採用が注目されているのか?背景には大きく3つの理由があります。
- 社会的・文化的な変化
- 働き方改革と柔軟性の必要
- 消費者の多様化
1:社会的・文化的な変化
世界的に性別・性的思考・年齢・人種・宗教・障がい・教育背景や経験などに関する平等を求める声が強まり、企業も多様性を尊重する姿勢を求められ、ダイバーシティを推進することが社会的責任となっています。
具体的に女性の労働力参加が進み、管理職や専門職で活躍する女性が増えました。これにより、企業は性別に関わらず平等な機会を提供することが求められています。また障がい者の雇用促進に向けた法改正が進み、企業は障がい者の積極的な雇用を進めています。
これにより、多様なバックグラウンドを持つ人々が平等に働ける職場環境作りが求められたり、世界中で移民が増え、企業は多国籍な人材を活用する必要性が高まっています。異なる文化や言語を持つ社員が共に働く環境作りが進められています。
2:働き方改革と柔軟性の必要
少子高齢化が進む日本では、年々働き手の数が減少しており、企業は多様な人材を採用することで労働力を確保しなければならなくなっています。社会の変化や企業の多様化するニーズがあり、ダイバーシティ採用を推進するために柔軟な働き方を提供することが求められています。
具体的にフレックスタイム制や時差出勤の導入により、社員は自分のライフスタイルや都合に合わせた働き方ができるようになっています。特に育児や介護を担う社員、障がいを持つ社員、シニア世代の社員にとって、柔軟な勤務時間は重要な支援策となります。
3:消費者の多様化
出典:)「消費者問題の動向と消費者の意識・行動」
現代の消費者はより多様で個別化されたサービス・商品を求めています。多様な人々が企業内にいることで、顧客のニーズをより深く理解し、適切な製品やサービスを提供できるようになります。消費者と同じようなバックグラウンドや価値観を持つ社員がいることは、企業が顧客との信頼関係を築く上でも有利に働きます。
具体的にグローバル市場の拡大により世界中での消費者の購買力が増大し、異なる文化や言語を持つ人々が製品やサービスの主要な消費者層となっています。これに対応するため、企業は異文化理解や多言語対応ができる人材を採用する必要があります。
ダイバーシティ採用の4つメリット
次にダイバーシティ採用が企業にもたらす4つのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
4つのメリット
- 優秀な人材の確保
- イノベーションの創出
- 企業イメージの向上
- 離職率の低下
優秀な人材の確保
ダイバーシティ採用は、優秀な人材を確保するための重要な手段です。多様なバックグラウンドや視点を持つ人々を積極的に採用することで、企業は幅広い才能を活用し、より革新性のある組織を作ることができます。また、ダイバーシティを重視する企業は、働きやすい環境を提供し、優秀な人材の定着率を高めることができます。結果として、企業の競争力が強化され、優秀な人材が集まりやすい職場が形成されます。
イノベーションの創出
ダイバーシティ採用により、異なる文化、価値観、経験を持つ人が一堂に会することになります。この多様なグローバルな視点を持つ社員が多い企業は異なる文化や価値観に対して高い理解力を持つため新しい市場や国に適応する能力が高まります。それにより、新しい製品やサービスを開発することができます。
企業イメージの向上
ダイバーシティを重視する会社は、社会的責任(CSR)を果たしていると社会的な信頼を得やすくなります。そのことにより消費者に選ばれることや投資家からの投資が増える可能性や競争の激しい市場において企業がダイバーシティ採用を取り入れることはほかの企業とのブランドの差別化にもなります。
また、ダイバーシティ採用により企業内の雰囲気が柔軟で開かれたものになることで外部からも「働きがいのある企業」として認識されることに繋がるかもしれません。
離職率の低下
ダイバーシティ採用をすることはすべての従業員が尊重され、平等に扱われるインクルーシブな職場形成につながります。このような環境では社員は自分が認められていると感じ、職場での居心地がよくなります。そうすることで仕事に対するモチベーションやエンゲージメントが高まり、その結果離職意欲が低下し、企業に対する忠誠心が高まります。
ダイバーシティ採用の3つデメリット
しかし、ダイバーシティ採用にはメリット同様に3つのデメリットも存在します。
- 採用判断の難しさ
- ハラスメントや偏見の発生
- コミュニケーションの摩擦
採用判断の難しさ
多様性を重視すると、応募者の背景や価値観が異なるため、単一の基準で評価することが難しくなります。
例えば、スキルや経験だけでなく、文化的背景や多様な視点を考慮する必要があり、面接官がそのバランスを取ることは容易ではありません。また、採用の際に多様な価値観やライティングスタイル、コミュニケーション方法を持つ候補者をどのように評価するかは一筋縄ではいきません。
このように、ダイバーシティを採用基準に盛り込むことで、一貫した評価基準を維持することが難しく、採用プロセスが長引いたり、適切な判断が難しくなることがあります。それに加えて、採用後の適応や統合のプロセスも重要な課題となるため、採用時の判断が一層慎重を要します。
ハラスメントや偏見の発生
異なる文化や価値観を持つ人々が集まることで、無意識的な偏見や差別が生じやすくなります。特に、性別、年齢、人種、宗教などの違いに対する理解が不足している場合、従業員同士の摩擦が起こりやすく、場合によっては職場内でのハラスメントが発生することもあります。
例えば、特定のグループに対する固定観念が職場の雰囲気を悪化させ、コミュニケーションの障壁となることがあります。さらに、ダイバーシティを進めるための教育や取り組みが不十分だと、偏見が根強く残ることがあります。
このような状況では、従業員が互いに尊重し合う文化を築くのが難しくなり、職場環境に悪影響を及ぼします。ハラスメントや偏見を防ぐためには、明確なポリシーと継続的な研修が必要であり、従業員が安全に働ける環境を提供することが重要です。
コミュニケーションの摩擦
多様なバックグラウンドを持つ従業員が集まることで、異なる価値観や文化、言語の違いが原因でコミュニケーションに摩擦が生じることがあります。
例えば、文化的な違いから言葉の使い方や表現方法にズレが生じ、意図しない誤解や対立が起こりやすくなります。また、異なる国や地域出身の従業員が多い場合、言語の壁やコミュニケーションスタイルの違いが問題となり、効率的な情報共有やチームワークが難しくなることもあります。
さらに、異なる価値観を持つ人々が集まると、会話の進め方や意思決定の方法にも違いが現れることがあります。このような状況では、意思疎通のすれ違いや、意見の食い違いが発生することがあり、チームとしてのまとまりが欠ける可能性もあります。これを防ぐためには、ダイバーシティに配慮したコミュニケーションスキルの向上や、明確な意思決定プロセスを整えることが重要です。
ダイバーシティ採用をした企業の事例
すでにダイバーシティ採用を促進している企業は数多くあります。そのなかでも3社について紹介していきます。
- Google Japan
- 株式会社リクルート
- アクセンチュア株式会社
Google Japan
Google Japanのダイバーシティ採用は、性別や人種、背景に関係なく、多様な人材を採用し、組織のイノベーションや成長を促進することを目的としています。
これまで、特に「女性の管理職比率」や「少数派グループの採用目標」などを掲げていましたが、2025年にはこれらの数値目標を廃止し、採用プロセスの質を重視する方針に転換しました。現在、Google Japanは無意識のバイアスを排除するため、採用面接官に対するトレーニングや、評価基準の標準化を進めています。
また、応募者に対して複数の面接官が評価を行うことで、偏りを最小限にしています。具体的には「Women Will」プログラムを通じて、女性の社会進出を支援するなど、積極的なダイバーシティ活動を行っています。Google Japanは多様な視点を取り入れることで、より包括的で革新的な企業文化を築こうとしています。
株式会社リクルート
リクルートは、ダイバーシティ採用を企業の成長と競争力強化の重要な要素と位置づけています。リクルートは、性別や年齢、障がいの有無、国籍、LGBTQ+など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、包括的な職場環境を整えることを目指しています。
具体的な施策としては、面接官トレーニングやバイアスフリーな採用プロセスの導入、ダイバーシティ関連のデータ分析を活用した採用戦略の最適化があります。
また、女性活躍推進や障がい者雇用、外国籍社員の採用など、各種プログラムを通じて多様性を尊重した組織文化の醸成を進めています。さらに、社内でのキャリア支援や育成プログラムも充実させ、誰もが公平に活躍できる環境を提供しています。リクルートは、ダイバーシティが生み出す革新力を重視し、社会的責任を果たしながら採用活動を推進しています。
アクセンチュア株式会社
アクセンチュアは、ダイバーシティとインクルージョン(D&I)を企業の成長の基盤と位置づけ、積極的に多様な人材の採用を行っています。アクセンチュアも同様に採用戦略は、性別、国籍、年齢、障がいの有無、性的指向など、多様な背景を持つ人々が活躍できる環境作りに焦点を当てています。
具体的な取り組みとして、女性のリーダーシップポジションの増加を目指し、女性向けの支援プログラムやネットワーキングイベントを実施。また、LGBTQ+や障がい者、マイノリティグループの採用活動にも力を入れ、インクルーシブな社内文化の形成を進めています。
アクセンチュアも、無意識のバイアスを排除するため、採用面接官向けのトレーニングやバイアスチェックツールを導入し、客観的な評価を重視しています。さらに、ダイバーシティ関連のデータを分析し、採用戦略を常に改善しています。アクセンチュアは、多様な視点を取り入れることで、革新的な解決策を生み出し、クライアントにもその価値を提供しています。
ダイバーシティ採用の流れ
次に実際にダイバーシティ採用をする流れを紹介します。
採用方針・戦略の策定を決定する
まず最初に、ダイバーシティ採用の目的を明確にします。その際に企業文化や職場環境を見直し、インクルーシブな環境づくりを進める方針を策定します。ダイバーシティ採用は、単に人材を採用するだけでなく、企業全体で多様性を尊重する文化を醸成する必要があります。
多様な応募者の獲得をする
ダイバーシティ採用を促進するために、さまざまなメディアを活用して求人広告を出します。求人広告もただ出すだけでなく属性ごとの専門媒体に出すことで様々な層にアプローチできます。また採用広告やプロモーション活動では、企業がダイバーシティを重視していることを明確に伝えるメッセージを含めます。
応募者の選考プロセスを行う
ダイバーシティを意識した面接方法を採用することもひとつの作戦です。例えば、障がいを持つ候補者には必要なサポートを提供したり、オンライン面接を導入することで、地域や状況に関わらず応募者を公平に評価できる環境を作ります。また面接担当者に対してダイバーシティに関するトレーニングを行い、無意識のバイアスや偏見を排除できるようにします。これにより、全ての候補者が公平に評価される環境が作られます。
ダイバーシティ採用をする際のポイント
ダイバーシティ採用を行うにあたって2つのポイントがいくつかあります。
- ダイバーシティへの理解を深める
- 適切な環境や評価制度を整備する
ダイバーシティへの理解を深める
ダイバーシティ採用を成功させるためには、ダイバーシティへの理解を深めることが最も重要です。企業内でダイバーシティに関する教育を行い、無意識のバイアスを排除し、インクルーシブな採用プロセスを設けることで、多様な人材を活かし、全社員が公平に評価される職場を作り上げることができます。
適切な環境や評価制度を整備する
ダイバーシティ採用を成功させるためには、採用後の職場環境や評価制度の整備が不可欠です。インクルーシブで柔軟な環境を整え、全社員が公平に評価されるための仕組みを作ることで、多様なバックグラウンドを持つ人々が活躍しやすい職場を作ることができます。
まとめ
社会情勢が目まぐるしく変化する中で多様性の協調や少子高齢化によって多くの企業にとって採用難易度が高くなっています。その中で多様な人材を受け入れるダイバーシティ採用には優秀な人材確保や企業イメージの向上などのメリットがあります。一方で採用判断の難易度、偏見やハラスメントといったリスクもあります。導入するには企業全体でダイバーシティ採用への理解を深め適切な環境や評価制度を整備することが必要です。
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