👉この記事のポイント
- エンジニア採用が難しい背景
売り手市場・選考短期化・働き方の多様化など複数の外的要因により、企業間での競争が激化している状況です。
- 採用成功のための実践的な工夫
計画・求人・面接といった各フェーズごとに戦略的な対応を行うことで、採用の精度とスピードを高めることができます。
- 優秀なエンジニアの見極め方
コーディングテストの活用や質問内容の工夫により、スキルと適性を的確に判断することが重要です。
関連動画:なぜエンジニア採用は失敗するのか?母集団形成から内定までの落とし穴
エンジニア採用が難しい理由
エンジニア採用は多くの企業にとって大きな課題となっています。
- 売り手市場による人材獲得競争の激化
- 選考スピードの重要性が高まっている
- 働き方の多様化による正社員志向の減少
本章では、エンジニア採用が難しいとされる代表的な要因を3つに分けて解説します。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
売り手市場による人材獲得競争が激化しているから
エンジニア採用の難しさの根底には、需給バランスの崩れによる「売り手市場化」があります。これはつまり、企業が採用したいエンジニアの数に対して、転職市場にいるエンジニアの数が圧倒的に少ないという状況です。
実際に、厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況」によれば、ITエンジニア(情報処理・通信技術者)の有効求人倍率は、2013年から2023年の10年間で一度も1倍を下回っていません。下記のデータからも分かる通り、職業全体と比べて常に高い水準を維持しています。
| 年 | ITエンジニア(情報処理・通信技術者) | 職業計 |
| 2013年 | 1.59倍 | 0.73倍 |
| 2014年 | 2.03倍 | 0.91倍 |
| 2015年 | 2.22倍 | 1.00倍 |
| 2016年 | 2.47倍 | 1.11倍 |
| 2017年 | 2.59倍 | 1.26倍 |
| 2018年 | 2.72倍 | 1.43倍 |
| 2019年 | 2.65倍 | 1.49倍 |
| 2020年 | 2.17倍 | 1.34倍 |
| 2021年 | 1.31倍 | 1.05倍 |
| 2022年 | 1.59倍 | 1.17倍 |
| 2023年 | 1.71倍 | 1.29倍 |
出典:)「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)〜令和6年3月」e-Stat
特に直近の2023年には、ITエンジニアの有効求人倍率は1.71倍と、1人の求職者に対して1.7社が求人を出している計算になります。これはエンジニアを確保したい企業が人材不足で奪い合いになっている状況であり、優秀な人材ほどすぐに他社に決まってしまうことを意味します。
内定までの期間の短縮化されているから
もう一つの大きな要因は、採用スピードの重要性が増していることです。特にコロナ禍を経てオンライン面接が一般化したことで、エンジニアの転職活動が迅速化しており、企業はタイミングを逃すとすぐに候補者を他社に奪われてしまう可能性があります。
オンライン選考は日程調整が柔軟になり、選考全体のリードタイムが短縮される一方で、1〜2週間で内定が出るケースも少なくありません。このようなスピード感の中で、企業が社内調整に時間をかけすぎてしまうと、優秀な人材ほどすぐに他社に流れてしまう傾向が強まっています。
したがって、現代の採用活動では「いかに早く選考を進められるか」が成功のカギになります。初回面談の日程調整から内定提示までのリードタイムを短縮し、候補者の離脱を防ぐ工夫が必要不可欠です。
働き方の多様化による正社員志向が減少しているから
近年の大きな社会的変化として、働き方の多様化が進んでいます。特にテレワークの定着や副業容認の流れにより、「必ずしも正社員として企業に属さなくても良い」という意識が広がり、フリーランスとして働くエンジニアの数も年々増加しています。
以下のグラフからも分かるように、ITフリーランス人材の数は継続的に増加傾向にあり、企業が正社員として採用できる人材の母数が相対的に減ってきているのが現状です。

出典:)「ITフリーランス人材及びITフリーランスエージェントの市場調査 2022年版が公開」CodeZine
さらに、フリーランスに限らず副業やパラレルキャリアといった新しい働き方を選ぶエンジニアも増加しており、「安定性」よりも「柔軟性」「自己成長」「複数の収入源」といった価値観を重視する傾向が強まっています。
その結果、企業がフルタイムで雇用したいと考えている人材像と、実際に転職市場にいる人材のニーズが噛み合わないケースが増えており、マッチする人材が見つからないという課題が発生しているのです。
エンジニア採用に苦戦している企業がやりがちなこと
エンジニア採用が社会的に難しくなってきていますが、同じような条件でも採用がうまくいく会社とうまくいかない会社に別れます。
そこで、エンジニア採用におけるNGパターンを紹介します。
- エンジニア採用の相場感をわかっていない
- 選考に時間がかかりすぎている
- 人材紹介会社を複数活用していない
この3つについてそれぞれ説明していきます。
エンジニア採用の相場感をわかっていない
先ほどのデータのように、エンジニア採用は売り手市場です。
一方的に採用側の希望を出すのではなく、採用市場における自社のブランド力とエンジニアのレベルとのバランスを理解した上で採用戦略を立てることが重要です。
無闇に基準を下げてはいけませんが、基準を上げるほどに「候補となるエンジニアの絶対数は減る」「企業間での競争率が上がる」「必要となる年収も上がる」といった点を考慮する必要があります。
選考に時間がかかりすぎている
一次面接から内定までの平均日数は12日となっています。スピーディな採用プロセスは、求職者に対する企業の関心度を反映しています。
カジュアル面談を含む迅速なスケジューリングができない企業は、競合他社に比べて遅れをとっていると見なされがちです。そのため、求職者は自分が企業にとって魅力的な候補でないと感じる可能性があります。
基本的に二回面接を行う際には一週間程度間を空けている。また、最終から内定までが一週間程度などとなっており、選考のスピードが遅い企業が採用に失敗しているケースが多いです。
エンジニアは似たような求人が多く職務内容に差が大きく生じないため、直感や印象、共通点の多さなどで決めてしまうこともあります。そのため、内定を一番に出すことができれば印象を高めることができます。そのためにも、選考スピードをより早める必要があります。
人材紹介会社を複数活用していない
人材紹介会社は基本成果報酬型です。
つまり、企業は採用が決まるまでは人材紹介会社に支払う費用がほとんど発生しません。
現状、エンジニア採用に必死となっている企業は様々なエージェント会社に登録をしています。登録場所を増やすことで母数を確保し採用の人数を確保することが重要となってきます。
エンジニア採用を成功させるコツは?
エンジニア採用におけるNGパターンを踏まえた上で、次は採用を成功させるコツについてです。
ここでは、採用場面を以下の3つのように分けて説明していきます。
- 採用計画のコツ
- 求人掲載のコツ
- 面接のコツ
実際の採用フローと同様に、採用計画のコツから解説していきます。
採用計画のコツ
採用計画とは、具体的に採用・配置の計画を立てることを指します。計画を立てる際には、中長期的(3か月〜1年)計画を立てると良いです。
採用計画を立てる際に決めておきたい項目は以下のとおりです。
- 採用コスト・採用人数の決定
- エンジニアの採用期間の決定
- 採用手法の決定
それぞれについて、順に説明していきます。
1.採用コスト・採用人数の決定
1つ目は、採用人数と採用コストを決定することです。
今後どの部署に、何人のエンジニア人材が必要になるのかを明確化します。
状況は企業により異なりますが、今回は人員数や時期、採用コスト予算の具体的把握の一例をご紹介します。
- システム開発部署に欠員が出ているため、早急に3人エンジニアを雇いたい。急ぎのため、予算はかかっても構わない。(採用コスト1人100万×3人)
- 案件増加に伴い、1年間600万円の予算でプロジェクトを率いることができるインフラエンジニアを5名採用したい。(採用予算600万円÷5名=採用コスト1名120万円)
このように、企業の現状を具体的に把握することが大切です。
現状を明確にすることで、逆算して採用活動のスケジュールを組み、今後どのようにエンジニア採用を実行していくかを考えていくことができます。
また、一人当たりの採用コストを把握しながら採用コストや採用予算を作成すると、合理的に決定することができます。
2.エンジニアの採用期間の決定
2つ目は採用時期の決定です。
採用時期の算出方法はいくつか存在するため、自社の状況に合わせた算出方法を選択することが肝心です。いつまでにエンジニアを採用する必要があるかを決定します。
先ほどの例の場合には、事業計画をもとにエンジニアの採用時期を決定します。
採用時期から逆算して広告出稿時期や面接開始時期、人材紹介やエージェントに依頼する時期を決定していきます。
3.採用手法の決定
3つ目は採用手法の決定です。
採用手法の決定は、採用計画を立てる中で最も大切なフローとなります。募集職種やどの年代を対象にしているかで採用手法が変わるため、自社に合う手法で募集方法を決定します。
求人掲載のコツ
転職や就職を目指すエンジニアは、具体的な勤務条件を記載していない企業は避ける傾向にあります。
そのため、就職・転職活動者に配布する資料は丁寧に作り込み、理解しやすい説明を心がけることが大切です。
具体的には、
- 社内での具体的な業務内容
- 必要なスキル
- 業務の難易度
- 依頼業務の範囲
- 残業の有無
- リモートワークの有無
- 働く社内のエンジニアの声
これらを詳細に記載することが大切です。
また、近年リモートワークが普及したのをきっかけに、面接で求職者からリモートワークへの理解や取り組みについて聞かれることが増えています。そのため、リモートワークに関しては事前に記載しておくべきだといえます。
面接のコツ
面接のコツは、エンジニアが面接官として同席することです。
求職者にとって、自分が働く環境を最も深く知る方法は、現場のエンジニアと直接話すことにあります。たとえば、使用されているハードウェア・ソフトウェアの仕様や、現場の最新トレンド、実際に直面している課題などを具体的に知ることができます。
求職者は、自分に合った環境かどうかを他社と比較するため、企業全体の話よりも「現場レベルのリアルな情報」を求める傾向が強いです。そのため、面接や面談にはエンジニアが積極的に参加し、現場視点でのコミュニケーションを図ることが重要です。
ただし、単にエンジニアが同席するだけでは逆効果になることもあります。適切な受け答えができないと、かえって企業イメージを損なうリスクがあるため、エンジニアに対しても面接トレーニングを実施することが不可欠です。
これまで人事担当者のみが受けていた面接トレーニングを、エンジニアにも拡大することで、面接全体の質が向上します。そのうえで、エンジニアが面接・面談に同席したり、場合によってはエンジニアだけで面接を担当することで、求職者にとっても満足度の高い選考体験を提供できるようになります。
優秀なエンジニアを見抜くには?
ここまでは、エンジニア採用における基礎的なポイントについて解説してきました。
しかし、本当に優秀なエンジニアを採用するためには、さらに踏み込んだ視点が必要です。
採用段階で優秀な人材を見抜くためには、単なるスキルチェックにとどまらず、いくつか意識すべき重要なポイントがあります。
ここでは、優秀なエンジニアを見極めるために押さえておきたい2つのコツをご紹介します。
- コーディングテストを導入する
- 面接での質問内容を工夫する
それぞれ説明していきます。
コーディングテストを導入する
優秀なエンジニアを採用するにあたって、現時点でのスキルチェックは必須です。
そこで、限られた面接時間の中で優秀なエンジニアを見極めるために「コーディングテスト」を導入しましょう。
コーディングテストとは、エンジニア採用においてエンジニアのプログラミングスキルや知識量を図るテストです。面接の前に実施することで、面接時にコーディングテストの結果を踏まえて「どうしてこのコードを書いたのか」「なぜこの言語を使ったのか」といった候補者の考えを探ったり、具体的な質問を投げかけたりすることができます。
これにより、質の高い面接を実施することが可能となります。
また、自社のニーズに合致したスキルや実績を持っているか判断ができるだけでなく、採用に携わる人事担当者や現場エンジニアの負担軽減や選考フローの改善にも役立ちます。
最近では、外部のコーディングテストサービスを導入する企業も増えています。
外部サービスやツールを利用することで事前にスクリーニングをかけることができ、技術力を量るための質問や問題を用意する手間がなくなることも、工数の削減に繋がります。
面接での質問内容を工夫する
エンジニアの仕事は専門性が高いため、応募時の書類だけでスキルを見極め判断することは非常に難しいです。
そのためにも、面接では短い時間内で、履歴書・職務経歴書では分からない求職者の魅力や強みを引き出すことが重要です。そして、自社が求めている要件に合っているかどうか、活躍できる人材かを判断する必要があります。
具体的には、
- これまでに開発したサービスを教えてください
- 開発経験のある言語やサーバーを教えてください
- 今後身につけたいスキルや知識はありますか
- 経験あるポジションで最も責任範囲が広かったものを教えてください
このような質問があると、求職者のスキルが整理でき、かつ自社の要件と合っているかが確認できます。
特に、エンジニアの仕事は常に情報が更新されるため、知識をアップデートすることが求められます。そのため、成長性や将来性のある人材かどうかを判断できる観点からも、3つ目の質問は有効だといえます。
エンジニアの採用面接で聞くべき質問は?
エンジニアの採用面接では、技術力だけでなく、チームとの相性や問題解決能力、コミュニケーションスキルも重要な評価ポイントです。以下のような質問を通じて、候補者の多面的なスキルや人柄を見極めましょう。
技術的スキルを測る質問
-「最近取り組んだプロジェクトについて教えてください」 → 実務経験や使用技術、役割を確認できます。
– 「○○(特定の言語や技術)でどのような課題に直面し、どう解決しましたか?」 → 技術の理解度と問題解決力がわかります。
コードスタイル・設計思想に関する質問
– 「コードの可読性を高めるために意識していることはありますか?」 → チーム開発を意識しているかの確認ができます。
– 「過去に設計で失敗した経験はありますか?」 → 成長意欲や学びの姿勢を測れます。
チーム適応力・コミュニケーションに関する質問
– 「チーム内で技術的な意見が割れたとき、どう対応しましたか?」 → 対人関係スキルや調整力を見極められます。
– 「他の職種(デザイナー・PMなど)とどう連携してきましたか?」 → 複数職種との協業経験を確認できます。
学習姿勢やキャリア志向に関する質問
– 「最近学んだ技術やトピックは何ですか?」 → 自主学習の習慣や好奇心を知ることができます。
– 「今後どんなキャリアを描いていますか?」 → モチベーションや中長期のビジョンを確認します。
【6選】エンジニア採用のおすすめ手法
エンジニアの採用手法も多様化してきています。
そのため、採用手法を上手く組み合わせて効率的に採用していくことが重要となります。
ここでは、その代表的な手法を6つ紹介します。

順に紹介していきます。
人材紹介の活用
人材紹介は、企業が求める条件にあった人材を紹介してくれるサービスです。
メリットとして企業は求人票を作成する手間をなくすことができることが挙げられます。また、求職者のスクリーニングが行われた状態で面接を行うことができるため、時間的なコストを非常に少なくする事ができます。初期費用がかからないサービスも少なくはないため、採用までのコストを抑えられます。エンジニアの母数が少ないなかで、直接紹介してもらえるサービスは非常に有用です。
デメリットとして、雇用が決定した場合には年収の20〜40%程度の仲介手数料を支払う必要があり、採用全体としての金銭的コストは高くなる傾向があります。
求人サイトや広告の活用
インターネットや求人情報誌など様々な媒体に対して求職情報を掲載し、多数の求職者に向けてアプローチする手法です。
大きなメリットとして、低コストで求人を行うことができ、ターゲットを設定しやすいことや効果測定を行うことができるため、広告による求職者の反応を確かめやすいことが特徴です。もっとも一般的な方法であり、利用することが非常に簡単です。
デメリットとしては、応募者の質にばらつきがあることや、自社の知名度が低いと他の求人に埋もれてしまうことが多々あります。エンジニアの求職者にとって求人広告は数が多すぎるため、選択肢を絞ることができず使いにくいものとなります。
リファラル採用の活用
リファラル採用は、自社の社員を通じて候補者を紹介してもらい採用する方法です。
メリットとしては、紹介料や広告料金がかからないため、採用コストを大幅に下げることができます。また、定着率と質が他の採用に比べて高いことから、エンジニアの長期的な人材確保に非常に効果的です。人材の人柄や能力の把握がしやすく、評価が難しいエンジニアの採用を楽にしてくれます。
一方、社員の人数が十分にいない場合には応募者数を確保することができず、まとまった人数を採用することができません。また、候補者の性質が偏ってしまうために多様性が確保できなくなります。
リファラル採用とは?導入のメリットや成功のポイントを徹底解説
ダイレクトリクルーティングの活用
ダイレクトリクルーティングは、企業から直接的に求職者にアプローチする手法で、主にスカウトメールを利用して接触します。
メリットとしては条件の整った候補者に直接アプローチすることができ、他の求人に埋もれてしまうことを防ぎます。また、エンジニア採用において多い「転職潜在層」にアプローチできる手法として非常に魅力的です。
一方デメリットとして、求職者に適したスカウトメールを作成するなどで採用工数が増えるために、採用担当者の負担が増えることが挙げられます。また、適切な候補者を探すために時間を要してしまうため、結果が出るまでに時間がかかってしまうことが難点です。
ダイレクトリクルーティングとは?最新サービス比較や費用相場も紹介!
フリーランスプラットフォームの活用
Lancersやクラウドワークスなどのフリーランスプラットフォームを通じて、プロジェクト単位でエンジニアを採用する手法です。
正社員での雇用ではありませんが、優秀な人材を発掘できれば正社員へのオファーを出すことも可能です。
メリットとしては、正社員採用が難しい場合でも、必要なスキルを持つエンジニアを短期間で確保できます。また、プロジェクト終了後に更新や正社員へのオファーを打診するなど、長期的な関係に繋げることも可能です。
しかし、フリーランスという働き方を選択しているエンジニアのため、長期的な雇用契約や定着率は期待しにくいのも現実です。
大学や専門学校との提携
新卒採用を視野に入れ、大学や専門学校との共同研究・共同開発などを実施する手法です。これらを通じて優秀な学生の入社希望を期待します。
早い段階から企業ブランドを知ってもらえることや、若手の育成や長期的な人材確保につながることがメリットとして挙げられます。
一方、未経験者であるため、社内での育成コストがかかります。よって、即戦力が必要な場合には不向きとなります。
エンジニア採用における選考プロセスの設計ポイントは?
優秀なエンジニアを確実に採用するためには、「どのような流れで選考を進めるか」というプロセス設計が非常に重要です。ただ面接を繰り返すだけでは、スキルや志向、カルチャーフィットを正確に見抜くことは難しく、採用後のミスマッチや早期離職につながるリスクも高まります。

ここでは、エンジニア採用における選考プロセス設計の基本的な考え方と、実践的なポイントをご紹介します。
1. カジュアル面談の導入で相互理解を深める
選考前に、採用担当者や現場エンジニアとの「カジュアル面談」を設けることで、応募者に会社の雰囲気や事業内容を理解してもらう機会をつくります。 企業側も、候補者の価値観や働き方の希望を早い段階で把握できるため、ミスマッチを防ぐことができます。
エンジニア採用のカジュアル面談とは?メリットや質問項目を解説!
2. 技術課題やコーディングテストでスキルを可視化する
実務に即した課題を出すことで、履歴書だけでは見えない「実力」を定量的に評価することができます。 重要なのは、評価基準を明確に定めておくこと。単に正解・不正解を見るのではなく、課題に対する考え方やアプローチの柔軟性も評価対象としましょう。
3. 現場エンジニアとの技術面接を設定する
コーディング力や設計思考を見極めるには、実際に現場で働くエンジニアとの対話が不可欠です。 質問例としては、「過去のプロジェクトで工夫したこと」「技術選定の理由」「トラブル対応の経験」などが効果的です。 現場目線でのフィードバックを得ることで、実務にフィットする人材かどうかを判断しやすくなります。
4. 人事面接では志向性やカルチャーフィットを重視する
スキルだけでなく、組織との相性も定着率に大きく影響します。人事面接では、キャリアビジョンや働き方に対する価値観を確認し、会社のカルチャーと合致しているかを見極めましょう。 また、年収や働き方の希望など、入社後のトラブルを避けるための条件面の調整もここで行うのが理想です。
5. 選考スピードと連絡のタイミングにも注意する
エンジニア採用では「選考スピードの速さ」が競争力の一つです。他社よりも早く内定を提示することで、候補者の第一志望に選ばれる可能性が高まります。 特に、一次面接〜最終面接までに1週間以上かけると、他社に先を越されるリスクが高まります。 スムーズな日程調整と、合否連絡のスピードを意識しましょう。
エンジニア採用の成功事例
エンジニア採用が難しいとされる中でも、工夫や戦略を駆使して優秀な人材の獲得に成功している企業は数多く存在します。
- 技術広報とエンジニア発信を活用した成功事例
- スカウト運用体制を強化し、即戦力を短期間で採用
- 選考プロセスを見直して採用決定率を向上
この章では、採用手法を見直すことで成果を出した企業の実例を紹介し、採用活動において取り入れるべきヒントを探っていきます。
技術広報とエンジニア発信を活用した成功事例
自社の技術力や開発文化を積極的に発信することで、候補者からの関心を集め、母集団形成に成功した事例です。例えば、自社エンジニアによる技術ブログや登壇活動を継続的に行い、業界内での認知度を高めた企業では、「このチームで働きたい」と思ってもらえるようなファンづくりに成功しています。
実際、X(旧Twitter)やQiita、Zennなどを通じて社外に向けた情報発信を行った結果、エンジニア同士のつながりから自然な応募や紹介が増え、採用コストを抑えながら優秀層の獲得に繋がった事例も報告されています。
スカウト運用体制を強化し、即戦力を短期間で採用
ダイレクトリクルーティングを強化した企業の中には、スカウト専任チームを編成し、ターゲット人材に対するメッセージの質とスピードを徹底的に磨いたことで、高い反応率と採用成功を実現したケースもあります。
特に中途採用市場においては、経験豊富なエンジニアは受け身の応募を行わない傾向があるため、「攻めの採用」が有効です。成功している企業では、スカウト文面において単なる業務説明ではなく、候補者のキャリアや価値観に寄り添う内容を盛り込み、高い開封率と返信率を獲得しています。
選考プロセスを見直して採用決定率を向上
選考フローそのものを見直すことで、採用成功に繋がった企業もあります。たとえば、従来の書類選考や複数回面接といった一般的なプロセスをやめ、「1回面談+コーディング課題のみ」といった簡素化された設計に変更したことで、内定受諾率とスピードの両方を向上させた事例があります。
候補者側にとっても、選考にかかる時間や手間は大きな判断要素です。そのため、選考体験(CX:Candidate Experience)を意識した設計は今後ますます重要になるでしょう。こうした改善によって、自社の魅力がより伝わりやすくなり、競合他社との差別化にもつながっています。
エンジニア採用のコツについてよくある質問(FAQ)
最後に、エンジニア採用のコツについてよくある質問をまとめました。
エンジニアが一人前になるまで何年かかる?
一般的には3年程度の実務経験で一通りの開発スキルを身につけ、一人前と評価されるケースが多いです。
エンジニアが不採用になる理由は何がある?
技術力不足に加え、コミュニケーション能力やチーム適性が不足していることが不採用の主な要因です。
優秀なエンジニアの特徴は?
技術力に加えて、課題解決力・学習意欲・他者との協働力を兼ね備えている点が特徴です。
採用支援サービスやエージェント、コンサル活用は有効?
自社に知見がない場合は、専門の支援サービスを活用することで母集団形成やマッチング精度が大きく向上します。
【2025年6月最新版】厳選エンジニア採用代行11社を比較!見極め方や委託できる業務も解説
まとめ
エンジニア採用は年々難易度が高まっており、企業側には市場理解と迅速な対応が求められます。
エンジニアの有効求人倍率は常に高い水準を維持しており、加えて働き方の多様化や副業の普及により、転職市場に現れるエンジニアの母数も限られています。
採用市場が売り手優位の中では、スピード感と情報の透明性、そして現場との接続が採用成功のカギを握ります。
企業全体で採用への意識を高め、エンジニアにとって「ここで働きたい」と思われる環境づくりを進めていきましょう。
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