リカレント教育とは?企業が導入するメリット、補助金の額などについて解説します。

こんにちは。digireka!HR編集部です。人材不足の中、1人1人の社員の能力に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は社会人が学び直しを行い、能力を高めるリカレント教育についてご紹介します。

リカレント教育とは

リカレント教育は生涯にわたって就労と学び直しを繰り返す教育のことです。リカレントは「回帰」や「循環」を意味し、社会に出た後でも必要だと感じた時に学び直すことができるため「社会人の学び直し」とも呼ばれます。

本来は仕事を休職、退職して行うリカレント教育ですが、日本では働きながら学ぶ場合や、学校以外で学ぶ場合も含む言葉としても解釈されます。

リカレント教育が注目を集める背景

リカレント教育はもともと欧米で一般的な教育制度でしたが、最近日本でも注目を集めています。そこでその背景をご紹介します。

「人生100年時代」への適応

日本では医療の発達、栄養状態や衛生環境の改善などによって、人生は100年時代を迎えています。人生100年時代では老若男女問わず活躍することが求められます。そのため、新しい常識に対応するために働き方も変えていく必要があります。

寿命が伸びるということは働く期間が伸びるため、定年の延長や退職後の再就職も考えられます。全員が活躍し、ブランクを乗り越えたり、キャリアアップをする手段としてリカレント教育が注目され始めました。

AI化や機械化による仕事の減少

AIの発達などにより技術革新が進み、知識やスキルのいらない単純労働はAIや機械にとって変わられています。これまで通りに働いていては変化に対応できず、職を失ってしまうかもしれません。そこで専門的な知識やスキルを身に着けるための「学び直し」が注目を集めています。

雇用の流動化

今までは新卒で入社した会社で働き続ける終身雇用が一般的でしたが、最近は転職のハードルが下がっており、雇用の流動化が進んでいます。短い勤続年数の中で仕事のための十分な知識を身に着けることは社内教育だけでは難しいため、社員自らが学びの場を作ることが必要になります。

そこで自分のキャリアパスに合わせて、自ら学習する手段としてリカレント教育が注目されています。また、転職時の空白期間に大学などで学び直しを行うことができます。

リカレント教育の企業のメリット

社員の知識、スキルの向上

リカレント教育は専門的な知識などを学び直すことができます。学生の頃と比べて問題意識をもって学習に取り組むため、学習効果が大きいです。また、学習する知識を実際にどのように活用させるかを考えながら学ぶことができるため、学習が直接仕事のスキルアップにつながりやすいです。

国からの給付金・助成金

社員にリカレント教育を受けてもらうための制度を整備することにより国からの給付金が認定される場合があります。有給の休暇制度などの導入や運用にかかる費用の一部を国が肩代わりしてくれます。詳しくは後述します。

リカレント教育の課題

日本では終身雇用が基本的な考え方であり、一度働き始めてから学び直すという方法は定着しませんでした。想定されている企業外での学習は通信教育や夜間や休日に学ぶなどの学習方法でした。

doda主催のセミナーで行った調査(2019年8月26日~9月2日まで実施)では91%の人事担当者がリカレント教育を導入していないと回答しました。また、導入していると答えたのはわずか3%でした。
参照:リカレント教育とはいつどんなことを学ぶもの?企業が導入するメリットと取り組み事例

このように定着しないのには以下のような課題があると考えられます。

経済面での課題

社会人が会社を休職してフルタイムで大学に入り直すという際に、問題となるのが学習期間中の収入です。収入をゼロにしてまで学び直したいという従業員は少ないため会社からの手当により経済的な負担を解消する必要があります。

人事面での課題

学習を理由としての休暇を認められるような制度を設定しなければいけません。また、復帰後に人事面で不利益を被らないようにする必要があります。専門的な知識を付けスキルアップした社員がすぐに戻ってこれるような環境をつくる必要があります。

教育機関の経験のなさ

日本ではまだ社会人向けの教育カリキュラムが確立されていません。社会人が仕事に役立てることができるようなカリキュラムを組み、そのための教員も集めなければなりません。そのような経験を持った教員は少なく、社会人が学び直しに魅力を感じるほどのカリキュラムを用意できるかどうかが課題になっています。

リカレント教育で活用できる補助金

前述したようにリカレント教育では国から補助金を受け取れる場合があります。補助金には社員個人が受け取る「教育訓練給付金」と、企業が活用できる「人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース」があります。

教育訓練給付金

これは社会人が主体的に能力開発、キャリア形成などを目指し教育訓練を行う際に、その費用の一部を補填するものです。教育訓練終了後ハローワークなどで申請を行うことで、かかった費用の20%相当が支給されます。

人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース

これは、社員にリカレント教育を受けさせるために休暇を設定する企業に対して支給される助成金です。社員がその休暇を取得し、教育訓練を受けた場合に助成金を受け取ることができます。また、休暇の日数によって「教育訓練休暇制度」と「長期教育訓練休暇制度」に分けられ、助成金額も変わってきます。

これらの制度は有給の休暇を社員に認めた場合に認定されます。休暇日数が120日を超えると「長期教育訓練休暇制度」が適用され、賃金助成を受けることができます。賃金助成は一日当たりの助成金で、一人当たり150日が限度となっています。経費助成は制度導入と実施により認定されます。

また、賃金助成においても経費助成においても生産性要件を満たす場合と満たさない場合により支給金額が変わります。生産性要件は3年前に比べて生産性が6%以上伸びているなどの基準を満たすことで達成されます。下記の表は実際の支給金額を示しています。

支給対象となる制度 賃金助成 賃金助成(生産性要件満たす場合) 経費助成 経費助成(生産性要件満たす場合)
教育訓練休暇制度 30万円 36万円
長期教育訓練休暇制度 6000円 7200円 20万円 24万円

参照:厚生労働省 人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース)

リカレント教育を推奨している企業の事例

優秀な社員を育てるためにリカレント教育に対して前向きに取り組んでいる企業を紹介します。

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は2012年から35歳以下の社員を対象に「育自分休暇制度」を開始させました。これは退職後6年以内であれば復職が可能であるという制度です。35歳以下の将来性が高い社員に成長のための転職や留学を勧め、復職しやすい環境を作ることを目的としています。

パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリア株式会社はライフステージに合わせて働くことができる「FLASH」という制度があります。これは働く日数や場所、休暇を自分で選択することができる制度で、その一環として「Learning(進学・留学)」へのサポートを行っています。仕事の能力を伸ばすような学習をしたい場合に最長1年間の時短勤務、あるいは最長2年間の休業が認められています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はリカレント教育について企業が導入するメリットや課題、補助金に関して解説しました。リカレント教育によって専門知識やスキルを身に着けることによる企業の業績アップや新しいアイデアの創出につながります。社員のレベルアップのために企業の中でリカレント教育を推奨できるような制度を整備してみてはいかがでしょうか。

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