LinkedInは、企業のブランド構築や優秀な人材の発見において欠かせない存在となっています。LinkedInを活用した採用活動は、求職者との接点を増やし、より質の高い候補者をターゲットにするための重要な手段です。
本記事では、LinkedInを活用した効果的な採用戦略と、そのメリットについて詳しく紹介します。
監修者情報
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月株式会社uloqoを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら
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Linkedinとは？
LinkedInは、世界最大のプロフェッショナル向けソーシャルネットワーキングサービスであり、ビジネスに特化したプラットフォームです。2024年現在、LinkedInのユーザー数は約9億人以上（世界中で）で、世界中の200以上の国と地域で使用されています。
企業は、LinkedInを活用することで、優秀な人材の採用、ブランディング、ネットワーキングを効果的に行うことができます。個人のプロフィールや企業ページを通じて、業界の動向や社員の紹介、企業文化の発信が可能で、採用活動を広範囲かつ効率的に行うことができます。
特に、採用活動においては、LinkedInは非常に強力です。企業は、求人広告をターゲット層に向けて精緻に配信することができ、履歴書をアップデートしている潜在的な候補者と積極的に接触することができます。また、LinkedInには求職者が自分のキャリアに関連するスキルや経歴を公開しているため、企業はそのデータをもとに候補者を探し出し、ダイレクトにアプローチすることが可能です。
LinkedInは企業にとって、採用活動のみならず、ブランド認知度の向上、業界内でのプレゼンス強化にも大きな役割を果たします。
サービス内容・特徴
LinkedInのサービス内容や特徴について詳しく解説します。
プロフェッショナル向けのSNS
LinkedInは、FacebookやInstagramのようなソーシャルメディアと異なり、ビジネスやキャリアに特化しています。主にプロフェッショナルのネットワーキングを目的としており、個人的な投稿よりも職業に関連した内容が重視されます。
ダイレクトリクルーティング
企業や採用担当者は、LinkedInを利用して優秀な候補者を直接探し、スカウトすることができます。逆に、求職者も自分のプロフィールを魅力的にして、リクルーターから声をかけてもらうことが可能です。
グローバルなネットワーク
LinkedInは世界中で利用されており、企業が国際的な人材を採用したり、グローバルなビジネスパートナーを見つけるためのツールとしても活用されています。
プレミアム機能
プレミアム会員は、通常の無料会員にはない追加機能を利用できます。より詳細な検索フィルター、インメッセージング機能、スキルアップコースへのアクセスなどが含まれます。
Linkedin採用のメリット・デメリット
Linkedin採用にはメリットもありますが、一方でデメリットも存在します。
それぞれについて詳しく解説します。
5つのメリット
メリットは以下5つあります。
- 優秀な人材の発見・採用ができる
- 企業ブランディングができる
- 業界内でのネットワーキング構築ができる
- 社員のエンゲージメント向上に繋がる
- グローバルな採用ができる
それぞれについて詳しく解説します。
優秀な人材の発見・採用ができる
LinkedInは、プロフィール情報（スキル、職歴、教育背景など）を詳細に登録しているプロフェッショナルの集まりです。企業は特定の業界や職種、スキルに合わせて、非常に精密な検索で候補者を見つけることができます。
また、求職者のスキルや業界経験に基づいて広告をターゲティングする機能を提供しています。そのため、企業はより適した候補者に求人情報を届けることができ、採用活動の効率が向上します。
企業ブランディングができる
企業は自社専用の「LinkedIn Company Page」を作成し、求人情報、最新ニュース、社員の声、企業文化などを発信することができます。
社員のインタビューや社内の活動、チームの雰囲気を紹介する投稿を通じて、外部の求職者に対して自社の魅力を伝えることができます。
求職者は企業の雰囲気や価値観を事前に知ることができ、自分に合った企業かどうかを判断しやすくなります。
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業界内でのネットワーキング構築ができる
LinkedInはビジネスパーソン同士がネットワーキングするための最適なプラットフォームです。企業は他の業界リーダー、ビジネスパートナー、顧客と繋がることで、新しいビジネスチャンスやパートナーシップを築くことができます。
また、LinkedInでは、業界のリーダーや影響力のあるプロフェッショナルが最新のトピックや見解を投稿します。企業はこの情報を活用することで、競合分析や業界動向を把握し、戦略に役立てることができます。
社員のエンゲージメント向上に繋がる
社員が自身のLinkedInプロフィールに企業名や役職を記載し、推薦状を送ることで、企業の信頼性が向上します。
また、社員自身が積極的に会社の文化やプロジェクトについて投稿することが、社員のエンゲージメントを高め、企業の魅力を引き立てます。
グローバルな採用ができる
LinkedInは世界中で使用されているため、企業は国境を越えた採用活動を展開することができます。グローバルな人材をターゲットにし、さまざまなバックグラウンドを持つ候補者を引き寄せることが可能です。
また、LinkedInは、ダイバーシティ（多様性）の確保にも有効です。企業は多様なバックグラウンドを持つ候補者にアクセスできるため、より広範な人材プールから最適な人材を選び出すことができます。
5つのデメリット
デメリットは以下5つあります。
- 競争が激しい
- コストがかかる
- 個人情報の管理に注意が必要
- 採用活動に時間がかかる可能性がある
- 非アクティブユーザーがいる
それぞれについて詳しく解説します。
競争が激しい
LinkedInは世界中で利用されており、多くの企業が採用活動に使用しています。そのため、求人情報が大量に投稿されている状況では、他社と差別化を図るのが難しいことがあります。特に人気のある職種では、他企業との競争が激しくなり、優秀な候補者を引きつけることが難しくなる可能性があります。
コストがかかる
LinkedInは無料で利用できますが、求人の掲載や候補者への直接アプローチを行う場合、LinkedIn RecruiterやPremium求人広告などの有料プランが必要になることがあります。中小企業にとってはコストがかさむことがあり、予算に制限がある場合、十分な効果を得るのが難しいことがあります。
個人情報の管理に注意が必要
LinkedInは個人情報を多く含むプロフィールを公開するプラットフォームです。採用担当者や企業が候補者にアクセスする際、個人情報の管理やプライバシーに対する配慮が必要です。
特に、企業の採用担当者が個別に連絡を取る場合、不適切な連絡方法や過剰なアプローチが問題になることがあります。
採用活動に時間がかかる可能性がある
LinkedInでは、求人掲載後すぐに応募が来るわけではなく、特に理想的な候補者を見つけるには時間がかかることがあります。スカウトやDM（ダイレクトメッセージ）を送っても、反応が得られない場合もあり、採用プロセスが長引く可能性があります。
非アクティブユーザーがいる
LinkedInのユーザーには、現在積極的に転職活動をしていない人も多く含まれています。そのため、求人に興味を持っている人を見つけるのが難しく、求人情報が目に留まりにくい可能性があります。
Linkedin採用に向いている企業
Linkedin採用に向いている企業の特徴を紹介します。
それぞれについて詳しく解説します。
グローバル展開している企業
LinkedInは、世界中で利用されているネットワーキングツールであり、多国籍の社員を採用する際に非常に効果的です。海外拠点やグローバルな人材の確保を目指す企業には特に向いています。
テクノロジー・IT企業
IT、ソフトウェア開発、AI、クラウド、データサイエンスなどの分野では、LinkedInは技術的な専門知識を持つ候補者を見つけやすいため、これらの企業に最適です。
スタートアップ企業
スタートアップは、特定の分野において特化した才能を見つける必要があるため、LinkedInを活用して特定のスキルや経験を持った人材をターゲットにすることができます。LinkedInの検索機能を使って、特定の業界や役職に合わせた採用活動が可能です。
高度な専門職を必要とする企業
医療、法律、金融、コンサルティングなど、高度な資格や専門知識を必要とする業界では、LinkedInを使って候補者の専門性を確認しやすく、信頼できる候補者を見つけることができます。
リモートワーク推進企業
リモートワークやハイブリッドワークを導入している企業にとって、LinkedInは世界中から多様な人材を集めることができます。特にリモートワークのポジションはLinkedIn上で非常に人気があり、柔軟な働き方を希望する求職者にアプローチできます。
人材業界やリクルーティング企業
リクルートメント業界の企業は、自身の採用活動にもLinkedInを積極的に活用しています。LinkedInを通じて、他の企業の求人情報や求職者とのネットワーキングを行うことが可能です。
LinkedInを使用して採用活動を行う際の5ステップ
それぞれについて詳しく解説します。
1. ペルソナを設定する
まず、採用する理想的な人物像（ペルソナ）を明確にします。
職業的な特性: 候補者が持っているべき職業的な特性や価値観（リーダーシップ、チームワークなど）を明確にします。
個人的な特性: 求めるカルチャーフィットや個人的な価値観、働き方（フレキシブル、チーム志向など）を設定します。
ターゲット層: 年齢層、キャリアステージ、業界経験、勤務地などを具体的に定義します。
ペルソナを設計することで、次のステップ（求人情報の作成、メッセージング戦略など）を候補者層に合わせてカスタマイズできます。
【簡単７ステップ】採用ペルソナとは？作り方やフォーマット、活用事例も紹介！
2. 企業ページを作成する
企業ページを作成し、会社のビジョンやカルチャー、特徴的な取り組みをしっかりと紹介。
魅力的なプロフィール写真やカバー画像を設定し、企業ブランドを強調しましょう。
3. 求人情報の作成と公開
求人情報を具体的に記載（職務内容、必須スキル、勤務地、給与範囲など）。LinkedIn求人機能を使用し、求人情報を掲載する。
4. ダイレクトリクルーティング
ペルソナに合わせた候補者を検索し、リストを作成します。
候補者のLinkedInプロフィールを確認し、興味を引きやすいメッセージを送信しましょう。
【例文解説】 スカウトメール書き方ガイド 効果を上げるコツを紹介！
5. ネットワーキングと認知拡大
現社員や採用担当者に求人情報をシェアしてもらい、ネットワーク内で広めてもらいます。
また、業界や職種に関連するLinkedInグループに参加し、求人情報をシェアしてさらに広いネットワークにアプローチすることも効果的です。
Linkedin採用を成功させる６つのポイント
Linkedin採用を成功させるポイントは以下6つあります。
それぞれについて詳しく解説します。
ダイレクトリクルーティング（InMail）を活用する
InMailは、LinkedInユーザーに直接アプローチできる機能で、ターゲット候補者に対してパーソナライズされたメッセージを送ることができます。
メッセージを送る際には、候補者のキャリアやスキルに関連する情報を具体的に盛り込むと効果的です。
社員やネットワークを活用する
企業の採用活動は、社内のネットワークや社員のつながりを活用することで、より多くの候補者にリーチすることができます。
社員がLinkedInで求人情報をシェアすることで、友人や同僚、業界内のつながりを通じて新たな候補者を引き寄せることができます。
広告機能を活用する（LinkedIn Ads）
LinkedInの広告機能を活用することで、求人情報を広範囲に拡散し、特定の業界やスキルを持つ候補者にリーチできます。
求人情報をターゲットとなる業界、地域、職種に特化して配信できるLinkedInの広告機能を利用します。そして、求人広告のターゲティングオプションを活用して、スキルや経験に基づいて、理想的な候補者層にリーチします。
積極的なネットワーキングとグループ活動をする
自社の業界や職種に関連するLinkedInグループに参加し、積極的に情報交換を行いましょう。
求人情報をグループ内でシェアしたり、求人に興味を持ちそうな候補者と積極的に接点を持つことが、採用活動に繋がります。
応募プロセスを簡素化する
LinkedInの「簡単応募」機能を活用し、応募を簡単に行えるようにします。
応募プロセスが複雑だと、優秀な候補者が途中で応募を辞めてしまうことがあります。シンプルでスムーズな応募フローを提供することが、応募者を増やす鍵です。
採用活動の振り返りと改善をする
成功したキャンペーンやアプローチを継続し、問題があれば改善していくことが重要です。採用活動の効果を分析し、どの求人情報やメッセージングが最も応募を集めたかをチェックします。
必要に応じて、ターゲット設定やメッセージ内容を改善しましょう。
【3選】成功企業事例
LinkedInを使って採用活動に成功した企業は数多くありますが、その中でも特に印象的な事例をいくつかご紹介します。
マイクロソフト (Microsoft)
画像元：「日本マイクロソフト｜新卒採用情報」
グローバルに拡大し続ける中で、多様なバックグラウンドを持つ才能を引きつけ、効率的に採用を行う必要がありました。
マイクロソフトは、LinkedIn Recruiterというツールを活用して、優れた候補者を見つけ、ターゲットを絞った採用活動を実施。
また、企業ページを活用して、社員のストーリーや社内文化を紹介するコンテンツを発信し、企業文化に共感する人材を引きつけました。
結果的に、LinkedInのプロフェッショナルネットワークを最大限に活用し、特にテクノロジー分野で高いスキルを持つ候補者を多く採用することに成功しました。
IBM
画像元：「IBM｜新卒採用情報」
デジタル分野やAI領域での成長を支えるために、高度なスキルを持つ人材を積極的に採用する必要がありました。
LinkedIn Recruiterを活用して、高度な専門知識を持つエンジニアやデータサイエンティストなど、特定のスキルを持った候補者をターゲットにした採用活動を展開。
企業ページや社員ストーリーを利用して、IBMでのキャリアや成長機会をアピールし、魅力的なコンテンツを発信。
社内の優秀な社員に、LinkedIn上で自社の求人をシェアしてもらい、ネットワークを最大限に活用しました。
IBMは、技術系の優秀な候補者を積極的に採用し、デジタル領域での成長をサポートするための強力なチームを構築することに成功しました。
エッジテクノロジー株式会社
画像元：「ホームページ｜エッジテクノロジー株式会社」
高度なソフトウェア開発スキルを持つエンジニアを採用する必要があり、リソースが限られた中で効率的に人材を確保したいと考えていました。
LinkedIn Recruiterを使って、特定のプログラミング言語や技術スタックを持つ候補者に直接アプローチしました。
企業ページで、プロジェクト事例や業務内容を詳しく紹介し、候補者に自社の魅力を伝えるコンテンツを発信。
社員のLinkedInネットワークを活用し、既存社員に求人情報をシェアしてもらい、リファラル採用を促進しました。
自社の強みや開発環境をしっかりアピールすることで、質の高いエンジニアの採用に成功しました。
まとめ
LinkedInは、求人情報を発信するだけでなく、企業のカルチャーや価値観を伝える場としても非常に有益です。積極的なブランド構築やネットワーキング、ターゲット層への精度高いアプローチを通じて、採用活動をより効果的に進めることが可能です。LinkedInを最大限に活用することで、企業は優れた人材を発見し、採用活動の成功に繋げることができるでしょう。
今後ますます重要性が高まるLinkedInを活用し、より充実した採用戦略を実現していきましょう。
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⑥エンジニア・データサイエンティスト・デジタルマーケター等、専門職種についてはテクノロジー領域専門のコンサルタントが担当します。
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