「RJP理論」とは、「Realistic Job Preview理論」の略で、「事前に企業の仕事の実状を開示する」という意味があります。
RJP理論の意義
採用活動時に、企業側が求職者に向けてリアルな情報を与えることを言います。求職者に向けて、良くも悪くもリアルな情報を開示することによって、入社後の定着率上げていこうとするものです。
RJP理論の提唱者はアメリカの産業心理学者
1970年代にアメリカ人の産業心理学者ジョン・ワナウスが「あらゆる情報を開示することで、就社後のギャップをなくす採用の在り方」として提唱しました。当時のアメリカでは、企業が求職者に対し都合がよく、イメージの良い情報ばかりを伝えて、たくさんの求職者を集めていました。それに対して、ポジティブな情報はもちろんネガティブな情報も求職者に向けて発信すべきであると提唱されました。
RJPで得られる4つの効果
⑴スクリーニング効果
ポジティブな情報とネガティブな情報を得ることで、その両面から自分に適している企業かどうかを自分で適切に選択できる効果です。 これを行うことにより、企業側からすれば、より親和性が高く、ネガティブに対する認識のある求職者が集まるため、面接など採用工数の削減につながります。
⑵コミットメント効果
ネガティブな情報を開示していくことで、企業の誠実さが伝わり、信頼を得た状態で働いてももらうことで、帰属意識に繋がり、コミットメントを上げる効果があります。
⑶ワクチン効果
ワクチン効果とは、その名の通り、事前にネガティブな情報を知っておくことにより、実際にその場面や状況に立たされた時のギャップや反発を最小限に抑える効果があります。
⑷役割明確化効果
役割明確化効果とは、採用を役割ごとに分けたり、仕事内容を伝えることで、入った時の業務内容のイメージをしてもらい、役割や業務のギャップなくす効果があります。