こんにちは。digireka!HR編集部です。新型コロナウイルスの対策として、テレワークを導入する企業が増えています。テレワークの導入には様々なメリットがありますが、すべての職種や業務に適しているとは限りません。自社で行う業務がテレワーク化できるか、事前にしっかり吟味する必要があります。
そこで今回は、テレワーク(在宅勤務)に向いている職種・業務内容についてまとめました!
テレワーク導入時の注意点や導入事例も併せて紹介していますので、テレワークの導入をご検討されている人事担当者様は是非参考にしてみてください!
テレワークとは?
テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用し、時間や場所にとらわれずに柔軟に働くことができる勤務形態のことを指します。ちなみに「リモートワーク」とも呼ばれますが、両者の意味に大きな違いはありません。
テレワークは、テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つ分けられます。
テレワークに向いている業務の条件
一般的にジョブ型といわれる、職務内容が明確に規定された雇用形態のほうがテレワークに適しているとされています。以下では、テレワークに向いている業務の条件を具体的に解説します。
一人で完結する業務であること
最初から最後まで、他の社員とコミュニケーションをとらなくても一人で完結することができる業務はテレワークに向いています。また、1人ではなく分担制の業務であっても、直接的なやり取りが必要なければテレワークに適していると言えます。
一人で完結することができる業務は、SEやプログラマーなどのITエンジニア、編集者、ライター、デザイナーなどのクリエイティブ職に多い傾向があります。
成果で判断できる業務であること
プログラムの作成や一定の量のデータを入力など、仕事の成果が客観的に判断できる業務はテレワークに向いています。
在宅勤務中の様子を完全に管理することは難しいため、成果や仕事量が可視化できない業務の場合、テレワークには適しません。
セキュリティ面で問題がない業務であること
セキュリティ面で問題がない業務であることも重要な条件です。
テレワークを導入した場合、社員同士のやりとりはインターネットを介して行われます。オフィスと比べてセキュリティ面の整備が万全ではないため、機密情報や個人情報を扱う業務の場合、情報漏洩のリスクは高まります。
テレワークに向いている業務内容
資料作成
企画書や提案書などの資料や社内文書を作成する業務はテレワークに向いています。Excelデータをもとにグラフなどを作成してPowerPointにまとめるといった内容が考えられます。
データ入力・分析
データ入力には伝票入力や紙ベースのデータをパソコンに打ち込むベタ打ちと呼ばれる業務もテレワークに適しています。入力作業以外に、ExcelやAccessを使ったデータ加工やデータ分析を行う場合もあります。
デザイン・プログラミング
紙媒体、Webページのデザイン、設計・CAD系のデザイン業務もテレワークで行うことが可能です。各種言語を使ったプログラミングもテレワーカーが多い領域です。
ライティング
社内報やコンテンツマーケティングのWeb用記事などを書く業務もテレワークに適しています。取材が加わることもありますが、基本的には与えられた資料や調査した情報をもとに記事作成することが多いです。
ライティングの業務に関してはすでにテレワーク化やアウトソーシングが進んでおり、今後もさらに加速度的にテレワーク化されていくことが想定されます。
調査
マーケティングや営業用の調査(リサーチ)もテレワークと親和性の高い業務です。顧客ニーズの把握や、インターネットなどを通じてアンケート調査を行う場合もあります。
テレワークの導入が可能な職種
テレワークができる職種は限られています。以下は代表的なテレワークに向いている職種です。
ITエンジニア
SEやプログラマーなどITエンジニアは、テレワークに向いている仕事の代表格です。事務職と同様に1人で作業する部分が多いのでテレワークに適しています。
プログラムやシステムという目に見える形の成果物があるため、仕事の成果を客観的に判断できるというメリットがあります。
国土交通省が2017年に行ったテレワーク人口実態調査によると、雇用型テレワーカーはSEやプログラマーなど情報通信業種に最も多く、全体の約30%以上を占めていることが分かりました。
クリエイティブ職
編集者、ライター、デザイナーなどクリエイティブ職も基本的に自己完結できる仕事が多く、テレワークに適している職種と言えます。ライターやデザイナーは自宅で働くフリーランスの人が多く、パソコンさえあればどこでも仕事ができます。
いずれの仕事も成果物が可視化されるため、客観的な評価が可能です。
事務職
経理、総務、人事、営業事務など事務職は、パソコンに向かって1人で作業を進める割合が高く、テレワーク化しやすい仕事といえます。
ただし、事務職が行う仕事は、成果が可視化されにくいといった特徴もあります。成果重視の評価だと適切な査定ができない可能性もあるため注意が必要です。
また、事務作業で個人情報や機密情報を扱うケースが多いため、セキュリティにも注意が必要です。
管理職
管理職もテレワーク化しやすい職種の一つです。チャットツールやタスク管理ツールによって、部下1人ひとりの業務の進捗や成果を確認しコミュニケーションを取ることができれば、オフィス以外の場所でも十分に仕事が行えます。
営業職
営業職はオフィスで仕事をするよりも、顧客対応で外出することが多い職種のため、テレワークに適しています。
自宅から直接訪問先に出向いて、訪問先から自宅に直帰することで業務時間を大幅に削減できます。テレワーク化することで顧客対応のあとに営業日報記入のためだけに、わざわざオフィスに戻って残業する必要はありません。
売上という目に見える形で仕事の成果を客観的に評価しやすいところも、テレワーク化できる仕事の条件を満たしています。
カスタマーサポート
カスタマーサポートは人と話すことを求められる仕事ですが、近年はチャットツールや、通話ツールの発達によって在宅での勤務が可能な職種となりました。
ただし、他の担当者に取り次いで質問への回答を確認する機会が多い場合、サポート業務のテレワーク化はとても難しいものとなります。サポート担当者の教育をしっかりと行い、自立して一人でサポートができるようになればテレワークでも十分機能するでしょう。
テレワークの導入が難しい職種
テレワークができない職種もあります。以下はテレワークの仕事が難しい業種です。
生産・製造業
生産・製造業の仕事は、現状の技術ではテレワーク化は難しいです。専用の大型機械や工具が必要になるため、自宅での作業は困難でしょう。作業も大人数で行うことが多く、テレワークに向いていません。
接客・販売業
接客・販売業の仕事も、テレワークの導入が難しい職種です。
スーパーやコンビニ、百貨店など販売業務、銀行や県庁、市役所など公共機関の窓口業務も顧客対応がメインとなるので、テレワーク化がむずかしい仕事に分類されます。現に銀行本社の事務スタッフのテレワーク化は進んでも、支店ではいまだに窓口の接客業務がメインです。
医療・福祉業
医療・福祉業の仕事はテレワーク化が最も難しい職種と言えます。医療業であれば、患者を診察して、調子の悪い箇所の特定や治療を行う必要があります。福祉業であれば、実際に従業員がいなければ他人の介護ができません。
一部の医療機関では、電子カルテの導入やテレビ電話を使った遠隔診療を行うケースもあります。しかし、これはまだ一般的ではなく、実際に対面して診察した場合よりも精度が低いという問題や、患者の個人情報流出のリスクもあるため、普及するまでには時間がかかりそうです。
テレワーク導入時の注意点
限定的・段階的に導入する
ITエンジニアやクリエイティブ職などテレワークに適した職種であっても、いきなり全社的に導入することはお勧めできません。
導入初期の段階から全業務・全社員を対象にテレワークを導入すると、現場に大きな混乱をもたらし、円滑な業務遂行を妨げる恐れがあります。まずは社員や部署を限定して導入し、実施頻度に関しても、最初は週1〜2日程度を上限にテレワーク勤務を可能にするのが一般的です。
既存の就業規則・評価制度を変更する
テレワークの導入に際して、既存の就業規則や人事評価制度を変更する必要があります。
テレワークでは勤務中の様子を上司が確認することができないので、社員によっては労働基準法に定められた勤務時間を超える、長時間労働を行なってしまう場合があります。また、社員の評価を成果物で客観的に判断する必要があるでしょう。
セキュリティ対策を強化する
テレワークの導入により、外部ネットワークから社内システムにアクセスする機会が増えるため、情報漏えいやウイルス感染などのリスクは高まります。そのため、社内のインフラ整備やセキュリティ対策の実施も欠かせません。
テレワークの導入事例
日産自動車株式会社
日産自動車株式会社は、生産工程以外の全従業員を対象に、月5日、1日8時間を上限とする在宅勤務制度を導入しています。
在宅勤務制度利用者は、在宅勤務制度利用のためのe-ラーニングを事前に受講することと、前日までに在宅時の業務計画を提出し、上司の承認を得、業務計画の内容を職場内で共有することが必要です。また、当日は上司に業務の開始・終了をメールで報告し、Microsoft社のCommunicatorを立ち上げて在席状況を同僚に通知することを義務化しています。
参照:)「厚生労働省 テレワーク活用の好事例集」
カルビー株式会社
カルビー株式会社は、全国の事務間接部門の従業員を対象に、週2日を上限とする在宅勤務制度を導入しています。営業職の従業員に対しては、従来から直行直帰のモバイルワークを認めています。
テレワーク時の条件として、①8時30分~ 17時までの所定労働時間勤務すること。②自宅でも会社と同じように集中して業務を行うこと。③呼び出しがかかればいつでも会社に出社できること。の3つを設けています。
参照:)「厚生労働省 テレワーク活用の好事例集」
株式会社リクルートホールディングス
株式会社リクルートホールディングスは、全ての従業員と、会社間の同意および本人の希望があった派遣社員を対象にテレワークを導入しています。
自宅やコワーキングスペース、カフェ、時間貸しオフィスなど、任意の場所で業務遂行が可能。上限日数は設けず、上司による実施判断があれば個人の状況に合わせて柔軟にテレワークを選択できます。
テレワークを利用する社員には、モバイル PC や携帯電話など、セキュリティ対策が施されたツールを会社が支給しています。
参照:)「厚生労働省 テレワーク活用の好事例集」
株式会社ローソン
株式会社ローソンでは、週2日かつ月10日までを上限として、小学校3年生までの子どもを持つ従業員を対象にテレワークを導入しています。
利用希望者は事前に申請書を提出することに加え、前日までに上司に口頭で連絡すると同時に、利用時間、業務内容、必要書類の持ち出し等について相談の上、承認を得る必要があります。また、始業・終業については、メールで上司に連絡することを義務化しています。
参照:)「厚生労働省 テレワーク活用の好事例集」
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、テレワーク・在宅勤務に向いている職種、業務内容についてまとめました。
テレワークはすべての職種に合う勤務形態ではありません。職種によってはテレワークに適していない場合があるため、導入前のしっかりとした精査が必要になります。
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