スキャンロンプランとは?ラッカープランとの違いを徹底解説!

Last Updated on 2021年7月8日 by uloqo

こんにちは。digireka!HR編集部です。有名な賃金総額管理の手法として、スキャンロンプランとラッカープランが挙げられます。これらはアメリカの中小企業に広く普及しており、日本でも業績連動型賞与などで参考にされていますが、制度として採用している企業は少ないのが現状です。両者が混同されることも多々あり、グローバル化に対応するためにもこれらの知識を抑えておく必要があります。

そこで今回はスキャンロンプランとラッカープランについて、両者のメリット・デメリットに言及しながら違いを解説していきます。

スキャンロンプランとは

スキャンロンプランとは、企業の売上高の変動に応じて従業員の賃金総額を決定する、賃金総額管理の手法の一つです。アメリカのマサチューセッツ工科大学講師であったジェセフ・スキャンロンが提唱しました。

スキャンロンプランでは売上高に対する人件費の比率を一定にし、この標準人件費率に当期の売上高を乗じて賃金総額を算出します。賃金総額と実際に支払った賃金との差額を奨励金や賞与として支払うことで、売り上げに応じて合理的に人件費を管理することができます。

スキャンロンプランの計算方法

スキャンロンプランは、日本では主に成果配分の手法として賞与原資の決定に用いられています。計算式は以下の通りです。

賞与原資=売上高 × 標準人件費率 -すでに支払った賃金

標準人件費率は、過去の売上高と人件費実績に基づいて労使間で設定します。

スキャンロンプランを導入するメリット・デメリット

スキャンロンプランを導入するメリット・デメリットとして、主に以下の点が挙げられます。

メリット・成果配分により賃金の過払いを回避できる
・売上に応じた基準によって労働者のモチベーション向上に寄与
・標準人件費率の決定に従業員が参画することで、労使協調につながる
デメリット・標準人件費率の設定時、従業員の合意を得ることが困難
・売上高を基準とするため、従業員のコスト削減意欲を喚起しにくい

スキャンロンプランは売り上げに応じて賃金総額が決定されるため、成果に伴わない賃金の過払いを抑止することができます。また賃金の基準がわかりやすく従業員の納得も得られやすいため、モチベーション向上や社員の定着度上昇が期待できます。

一方で、売り上げを基準とすることで経費削減に目が向けられない恐れがあります。会社の利益は、「利益=売上-経費」という式で求められるため、売り上げがあがってもコストが高ければ利益にはつながりません。

ラッカープランとは

ラッカープランとは、企業の売り上げから経費を差し引いた付加価値に応じて従業員の賃金総額を決定する、賃金総額管理の手法の一つです。アメリカの経営コンサルタントであったアレン・W・ラッカーが提唱しました。

ラッカープランでは、付加価値に対する賃金総額の割合をあらかじめ決めておき、この標準労働分配率に付加価値額を乗じた賃金総額と、実際支払った賃金の差額が賞与として支給されます。スキャンロンプランと違って付加価値を基準とすることで、売上高だけでなく経費の削減も賃金に影響する点が特徴です。

ラッカープランの計算方法

ラッカープランもスキャンロンプランと同様、日本では賞与原資の決定に用いられています。計算式は以下の通りです。

賞与原資=付加価値 × 標準労働分配率 -すでに支払った賃金

標準労働分配率は、過去の労働分配率(付加価値全体のうち人件費として従業員に還元されている割合)に基づいて労使間で設定します。

ラッカープランを導入するメリット・デメリット

メリット・成果配分により賃金の過払いを回避できる
・付加価値に着目することで、売上向上意欲だけでなくコスト削減意欲も喚起できる
・標準労働分配率の決定に従業員が参画することで、労使協調につながる
デメリット・標準人件費率の設定時、従業員の合意を得ることが困難
コスト発生を恐れ新たな取り組みに踏み出せない恐れ

ラッカープランは付加価値に応じて賃金総額が決定するため、スキャンロンプラン同様賃金の過払いを回避できます。また付加価値は売り上げから経費を引いたものであるため、従業員は売り上げを伸ばすことだけでなくコストの削減にも意欲を持ちます。結果、より直接的に企業の利益創出につなげられるでしょう。

一方で、コストの削減が重視されすぎると、コストが予想される新たな取り組みに対して消極的になる恐れがあります。コストを恐れ、売り上げの向上よりも現状維持をめざす方針を選択すれば、企業としての成長にはつながりません。

スキャンロンプランとラッカープランの違い

スキャンロンプランとラッカープランの主な違いは、賃金総額を決定する基準です。スキャンロンプランは売上高、ラッカープランは付加価値の変動に応じてそれぞれ従業員の賃金総額を決定します。

スキャンロンプランは売上というわかりやすい指標を用いることで、従業員のモチベーション向上に繋げられます。一方でラッカープランが用いる付加価値は、売り上げよりも算出に手間がかかりますが、経費の削減まで従業員に意識させることで、より直接的に企業の利益向上へ繋げられます。

ラッカープランの有効性は、既にデータでも示されています。提唱者のアレン・W・ラッカーは、アメリカの製造工業統計のデータを分析した結果、企業の創出する付加価値と人件費総額との間に高い相関関係があることを発見しました。こうしたことからラッカープランのほうが、スキャンロンプランよりも賃金管理手法として優れているという見方も少なくありません。

まとめ

スキャンロンプラン、ラッカープランはともに従業員の賃金総額管理の手法を指します。前者は企業の売上高、後者は付加価値をもとに従業員の賃金を決定しており、両者それぞれ長短ある点が特徴です。日本では賞与原資を考えるのに利用していますが、成果配分という明確な制度として利用する企業は少ないのが現状です。この機会に、これらプランを採用するアメリカ企業などの経営を参考にしてみるのも良いでしょう。

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