労働人口が減少し続ける現在、企業の未来を担う若者の力は非常に重要です。しかし、知識や経験の浅さから就職につまづいてしまう若者も少なくありません。そんな若者が安心して働けるように、若者の雇用を支援、促進する若者雇用促進法という法律があります。
今回は若者雇用促進法の目的や特徴、具体的な内容まで解説します。
若者雇用促進法とは?
若者雇用促進法の正式名称は、「青少年の雇用の促進等に関する法律」で、若者の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、平成27年10月1日から順次施行されています。
簡潔に言うと、若者への雇用に対する支援のための法律で、若者が適職に就き、不安定な就労を防ぐためのものです。
若者の雇用に関する法律は、以前から「勤労青少年福祉法」という法律が存在していましたが、雇用環境の変化により「若者雇用促進法」に改正され、公布・施行されました。
若者雇用促進法は働き方改革などの影響もあり、近年注目を集めています。
若者雇用促進法による若者の定義
若者へ支援をするとはいってもどの範囲まで適用されるのでしょうか?「青少年雇用対策基本方針」(平成28年1月14日厚生労働省告示)で範囲については次のように定義づけられています。
・状況に応じて「45歳未満」も適用可能
・求職者や無職も含まれる
若者雇用促進法の目的
若者雇用促進法の目的は、少子高齢化に伴う労働人口の減少や若者の離職率の低下を改善するために、若者の労働環境を快適にしたり、職業能力を向上することで働きがいを持って仕事に取り組むことができる環境の構築です。
労働力人口は更に減少することが予測されており、経済維持のためにも労働力人口の増加は重要です。しかし、不況や雇用状況の変化により若者の雇用状態は決して良い状況とはいえません。
このような雇用状況の改善や更なる雇用の促進のために「若者雇用促進法」が制定されました。
若者雇用促進法の具体的な内容
若者雇用促進法の内容は主に
・ハローワークによる求人の不受理
・ユースエール認定制度
があります。
職場情報の積極的な提供
職業とのミスマッチによる離職を改善し、働きがいを持って仕事に取り組んでもらうために、労働条件に加えて平均勤務年数や研修などの内容まで仕事に関する事柄を若者に伝える取り組みです。
新卒者の募集を行う企業に対して、企業規模を問わず、
(a)幅広い情報提供を努力義務化、(b)応募者から求めがあった場合は3類型と呼ばれる事柄から一つ以上の情報提供を義務化としています。
3類型とは以下の状況を指します。
・過去3年間の新卒採用者数や離職者数、男女別人数・平均勤続年数
②職業能力の開発・向上に関する状況
・研修や自己啓発支援、メンター制度の有無とその内容
・キャリアコンサルティング制度の有無とその内容
・社内検定などの制度の有無とその内容
③企業における雇用管理に関する状況
・前年度の月平均所定外労働時間の実績、有給休暇の平均取得日数、男女別の育児休業取得対象者数
・役員や管理的地位の女性比率
ハローワークなどによる求人の不受理
この制度では労働関係法令を違反した企業はハローワークで一定期間、新卒求人を受け付けてもらえなくなります。この制度の目的としては新卒者の職業環境を快適に保ち、保護するといった意味が含まれるのです。
不受理の対象は主に以下の状況下です。
・年に2回以上、同じ条項に違反して是正勧告を受けている
・違法な長時間労働、最低賃金割れを行う企業として是正勧告を受けている
・過重労働や育児との両立などに関する規定の違反として是正勧告を受けている
・セクシャルハラスメントや出産などの不利益取扱いなどの法違反の勧告に従わない
ユースエール認定制度
若者雇用促進法は、若者に対する支援や職業能力の向上を図る育成など若者の雇用管理などが優良な企業に対して「ユースエール認定制度」という前向きな姿勢を認定する制度があります。
認定基準を全て満たす中小企業であれば、認定企業になれます。
・若者の採用や人事育成に積極的に取り組む企業であること
・直近3事業年度の新卒者などの正社員として就職した人の離職率が20%以下
・前事業年度の月平均の所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得対象者数、取得数(男女別)について公表している
若者雇用促進法における新卒者のメリット
若者雇用促進法は、新卒者など若者を支援するための法律なので、多くのメリットがあります。
適切な企業選択がしやすい
若者雇用促進法により、その企業は若者の積極採用を行っているかどうかが判別しやすくなります。また、若者雇用促進法により悪質な企業を除外してくれるので、優良企業を選びやすく、適切な企業選択がしやすくなります。
情報取得により企業とのミスマッチを防ぐことができる
若者雇用促進法により、求職者に対して決められた内容の情報提供を義務付けられています。そのため有給休暇や労働時間に関する内容を事前に取得することができるので「思ってたのと違う…」といった乖離を防いでくれます。
若者雇用促進法における企業のメリット
若者雇用促進法は新卒者など若者を支援するための法律ですが、うまく活用すれば企業にも大きなメリットがあります。
ユースエール認定による支援・優遇
ユースエール認定によって以下の助成制度があります。
・キャリアアップ助成金
・人材開発支援助成金
・特定求職者雇用開発助成金
また、働き方改革推進支援資金を利用する際にも-0.65%で融資を受けることができます。
優秀な人材の確保
ユースエール認定により、ハローワーク実施の就職面接会に参加できるようになり、より多くの求職者と交流することができます。交流できる人数が増えれば増えるほど母体数が上がるので、結果優秀な人材の確保へとつながります。また、ハローワークでのマッチング支援により、企業PRができます。
離職者の減少
若者雇用促進法により、企業の情報がより詳細に求職者に伝わります。それにより求職者とのミスマッチが減少し、職場の定着により生産性の向上が期待できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?若者雇用促進法は求職者だけではなく、企業にとってもメリットがあります。
ミスマッチの減少やユースエール認定による支援・優遇の獲得で企業の成長を目指し、積極的に活動してみてはいかがでしょうか?
本記事が少しでもお役に立てられれば幸いです。
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