ディーセントワークとは?メリットや背景、企業での取り組みも含めてご紹介!

ディーセントワークとは?企業の取り組みやメリットを解説

こんにちは。digireka!HR編集部です。「働きがいのある人間らしい仕事」を意味するディーセントワーク。近年、働き方改革の一つとして注目を集めています。

今回はこのディーセントワークの概要や認知度、実現に向けた企業の取り組み、企業へのメリットについて解説します。

ディーセントワークについて

まずは、ディーセントワークの概要を見ていきましょう。

ディーセントワークとは

ディーセントワークとは、「働きがいのある人間らしい仕事」を意味します。

もともとは1999年に国際労働機関(ILO)が「ILOの活動の主目標」として掲げた概念であり、その後日本に輸入されました。具体的には、「権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事」と報告されています。

ディーセントワークが誕生した背景

ディーセント・ワークの提唱には、グローバル競争の激化などによる労働条件の悪化、所得格差、雇用危機などが起因しています。

上記の問題の他にも、男女不平等や病気・障害・年齢などによる差別など、数多くの労働問題が指摘されています。世界中の労働問題解決に向けて、ディーセントワークは提唱されました。

ディーセントワーク実現の条件

厚生労働省も「ディーセントワークと企業経営に関する調査研究事業報告書」の中でディーセントワーク実現のための4つの条件を掲げています。

①働く機会があり、持続可能な生計に足る収入が得られること
②労働三権などの働く上での権利が確保され、職場での発言が行いやすく、それが認められること
③家庭生活と職業生活が両立でき、安全な職場環境や雇用保険、医療、年金制度などのセーフティーネットが確保され、自己の鍛錬もできること
④公正な扱い、男女平等な扱いを受けること

ディーセントワークの認知度

日本においてディーセントワークはどの程度認知されているのでしょうか。日本労働組合総連合会が2014年に行った調査(対象:18〜65歳の男女1,000名)を元に見ていきましょう。

全回答者1,000名に、ディーセントワークという言葉を聞いたことがあるか質問したところ、「聞いたことがあり、内容も知っていた」1.7%、「聞いたことはあるが、内容は知らなかった」10.0%、「聞いたことはない」88.3%という結果になりました。
ディーセントワークを聞いたこがある人の割合は合計で11.7%にとどまり、世間での認知度は低いことが分かりました。

ディーセントワークの認知度調査結果

参照:)「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する調査 日本労働組合総連合会」

企業におけるディーセントワークの取り組み

ディーセントワーク実現のため企業が行う取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

ディーセントワークの代表的な取り組みは、労働時間の削減です。社員に対して長時間勤務をしないように指導したり、ノー残業デーの設定や時間外労働をする場合は事前に承認を得るなど、社内ルールの見直しを行う企業が多いです。

また年次有給休暇の取得を促進するために、計画的付与制度や、時間単位で年次有給休暇を取得できる制度を導入した企業もあります。また、仕事と育児、介護の両立もディーセントワークの重要課題です。部署に育児や介護で休職する社員がいる場合には他部署から人員を補充したり、育児や介護との両立に関するパンフレットやガイドブックを作成するなどの取り組み事例があります。

ディーセントワークが企業に与えるメリット

ディーセントワークの実現は労働者だけではなく、企業にも多くのメリットをもたらします。では、企業側のメリットを具体的に見ていきましょう。

(1)人手不足の解消

日本企業では、女性社員が妊娠や出産を機に退職してしまうケースが多いです。企業としてはそのたびに新しい人材を補充する必要があるため、採用コストは増加します。また、新たに採用した人材と企業の間にミスマッチが起これば、さらなる採用コストの増加や後継者不在による人手不足が懸念されます。

男女平等や仕事と家庭の両立を目指すディーセントワークの概念を取り入れ、女性の労働環境やサポート制度を整えれば、これらの問題を解決できます。企業は新たな人材を雇う必要がなくなり、人手不足も解消されます。

(2)企業のイメージ向上

企業の透明性の高さや、働きやすい環境を整えているかどうかは、企業イメージにとって非常に重要です。ディーセントワークの概念を取り入れ、推進している企業は世間からも優良企業と捉えられるでしょう。ディーセントワークの取り組みは企業イメージの向上に大きく貢献します。

(3)企業全体の業績向上

ディーセントワークの概念を取り入れ、働きやすい環境づくりを進めることで、社員の満足度は向上します。社員の満足度を高めることで、社員のモチベーションアップによる生産性向上や離職率の低下が期待できるでしょう。

ディーセントワークの取り組みは単に労働者の権利保護にとどまらず、企業全体の業績アップにもつながります。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、ディーセントワークの概要や認知度、実現に向けた企業の取り組み、企業へのメリットについて解説しました。

人手不足の解消や企業イメージの向上など、ディーセントワークの取り組みがもたらすメリットは数多くあります。今後の企業経営において、ディーセントワークの取り組み推進は重要課題となってくるでしょう。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

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