同一労働同一賃金のガイドライン、企業の対応方法を徹底解説!

Last Updated on 2021年1月8日 by uloqo

こんにちは。digireka!HR編集部です。働き方改革の一環である「同一労働同一賃金」は、正規労働者と非正規労働者間の待遇格差を是正するための取り組みの一つです。

今回は同一労働同一賃金について、ガイドラインやメリット・デメリット、企業の対応方法などについて詳しく解説していきます。

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは、「同一の仕事をする労働者には雇用形態に関わらず、同一水準の給与を支給する」という考え方です。政府の掲げる「働き方改革」の一環であり、パートや派遣社員といった非正規労働者と正社員の間の不条理な待遇差を解消することを目的としています。厚生労働省による定義は以下の通りです。

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。
引用:厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」

労働者全体における非正規労働者の割合が年々増加傾向にある一方、賃金の違いといった待遇格差が問題視されたことが導入の背景です。

同一労働同一賃金のガイドライン

厚生労働省のホームページでは同一労働同一賃金のガイドラインとして、待遇の原則と具体例が示されています。

パートタイム労働者・有期雇用労働者のガイドライン概要

パートタイム労働者・有期雇用労働者のガイドライン概要は以下の通りになっています。

基本給:能力や経験・業績などが同じであれば、正社員と同一の賃金を支給
ボーナス(賞与):会社の業績等への貢献度が同じであれば、正社員と同一の支給
手当 :業務内容が同じであれば正社員と同一の支給
福利厚生:労働条件が同じであれば正社員と同一の利用・付与を行う
教育訓練:現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施するものについては、正社員と同一の職務内容であれば同一の、違いがあれば違いに応じて実施
引用:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」

問題となる場合・ならない場合の例

問題にならない場合問題になる場合

  問題になる場合 問題にならない場合
基本給 ・能力に応じて基本給を決定するA社において、特殊キャリアコースを選択して能力が向上した正規労働者Xに対し、非正規労働者Yよりも高い基本給を支給している。 ・正規労働者Xの経験は現在の業務に関係がないにもかかわらず、経験が多いからという理由で非正規労働者Yよりも高い基本給を支給している。
・品質管理等の責任を負う正社員の基本給が、一切の責任を負わないパートタイム従業員よりも高い。 ・勤続年数に応じて給与を支給するA社において、有期雇用労働者の基本給が、労働契約開始から通算した勤続年数ではなく当該契約期間の勤続年数によって設定されている。
賞与 ・会社の業績等への貢献度が同じである正社員と有期雇用労働者に対し、同一の賞与を支給している。 ・職務内容や業績に関わらず、正社員には賞与を支給するのに対し非正規雇用者には賞与を支給しない。
手当 ・早朝・深夜・土日祝日に就業する場合には雇用形態に関わらず、特殊勤務手当を時給に上乗せする。 ・深夜あるいは休日労働を行った短期雇用者Xに対し、深夜労働・休日労働以外の労働時間が短いという理由で手当ての単価を正社員よりも低く設定している。
福利厚生 ・長期勤務者に対し勤続年数に応じてリフレッシュ休暇を付与するA社において、正社員には勤続10年で3日といった規定があるのに対し、短時間労働者には所定労働時間に比例した日数を付与している。

同一労働同一賃金はいつから適用されるのか

同一労働同一賃金の試行時期は企業規模に応じて設定されており、大企業は2020年4月1日から、中小企業は2021年4月1日から適用されます。中小企業の範囲については、以下の表を参照ください。

引用:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法の施行にあたっての中小企業の範囲」

同一労働同一賃金の違反に対する罰則

同一労働同一賃金に法的拘束力はなく、違反した際の罰則等は設けられていません。しかし不合理な待遇差を従業員に訴訟され法律違反が認められれば、損害賠償請求の対象となります。

裁判によってブランドイメージが傷ついたり優秀な人材の流出が起こることを避けるためにも、同一労働・同一賃金ガイドラインに沿った体制の整備が重要となります。

同一労働同一賃金のメリット

社員の生産性向上が見込める

待遇格差をなくすことで職場内の不公平感を取り除き、仕事の意欲向上に繋げることができます。雇用形態に関わらず仕事内容が評価されるという意識が責任感の高まりや業務効率の改善に寄与し、結果労働生産性の向上が期待できます。

人材を確保できる

年齢や性別、勤務時間に関わらず所与の業務に同一の賃金が支払われることで、働き手の幅が広がりより多くの人材確保に繋げられます。柔軟な働き方が可能となることで、これまで介護や育児により就業が困難であった優秀な層も取り込み、戦力化することが可能となります。

非正規社員の能力開発

同一労働同一賃金の対象となる待遇には教育訓練も含まれます。非正規社員にも正社員と同様の教育訓練を施すことで、知識やスキルレベルの向上を促し更なる企業貢献が期待できます。

同一労働同一賃金のデメリット

人件費の高騰

非正規社員の賃金が正社員と同じ水準まで引き上げられることで、人件費の増大が考えられます。福利厚生や教育訓練等の負担も含めると大きなコスト発生が見込まれるため、予算配分の見直しや新規採用枠の調節といった対策が必要となります。

待遇差についての説明責任

同一労働同一賃金では、社員から企業に対し給与設定や評価方法についての説明を請求する権利が与えられます。社員間で疑問や不満が生まれないよう、待遇に関する説明会等を設けるなどの対応が必要となります。

同一労働同一賃金における企業の対応方法

同一労働同一賃金に対応するための具体的な手順は以下の通りです。

1.労働者の雇用形態を確認

「パートタイム・有期雇用労働法」の対象となる労働者を確認します。具体的にはパートタイム従業員や有期雇用の従業員、派遣社員が対象となります。

2.待遇状況を確認

基本給・賞与・手当・福利厚生等の項目について、対象社員と正社員の間で取り扱いに違いがあるかを確認します。チェックリスト等に書き出して整理すると分かりやすいでしょう。

3.待遇差の理由を精査

正社員と非正規労働者の間で待遇に違いが見られた場合、その理由を精査します。明確な根拠に基づいたものか、時世に即したものであるか等を確認します。

4.待遇差が不合理でないことを証明

待遇差に明確な根拠や理由が存在した場合は、それを証明する資料や説明内容を整理しておきましょう。文書にまとめておくことで、労働者から説明を求められた際に明瞭な回答ができ、社員の納得を得やすくなります。

5.改善すべき項目の検討

待遇差が不合理な場合や明瞭な根拠を示せない場合は、改善を検討する必要があります。分析によって具体的な問題の所在を確認し、改善点を洗い出していきます。

6.改善計画の立案・実施

労働者の意見を適宜取り入れつつ、改善案を策定していきます。実施の際は、改善施策によって変更した点や新たな基準について従業員に説明し、適切な理解を促しましょう。

まとめ

同一労働同一賃金を導入することで、労働者のモチベーションアップや能力向上が期待できます。一方で、人件費の増大や待遇差についての説明責任が発生するため、導入時に企業側で対策をしておく必要があります。従業員が納得できる制度作りを心掛けましょう。

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