【記載例】ジョブディスクリプションとは?書き方や具体的な項目例を解説

成果主義を掲げる欧米企業で利用されている「ジョブディスクリプション」はグローバル化が進むにつれ、近年日本企業でも注目を浴びています。

一方、ジョブディスクリプションを導入しようと考えていても、

  • そもそもジョブスクリプションについて詳しく知らない
  • 自社に導入すべきかわからない
  • 導入する際に必要な情報がわからない

など、さまざまな疑問や悩みを抱えている方も多いでしょう。

そこで、今回はジョブディスクリプションの概要から注意点、メリットやデメリットなど詳しく解説していきます。記載例もありますので、ぜひともジョブディスクリプション導入にお役立てください!

監修者情報

監修者用
プロジェクトHRソリューションズ代表取締役
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月プロジェクトHRソリューションズを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

目次

詳しく知りたい、ジョブディスクリプションとは

そもそもジョブディスクリプションとは一体何なのか、改めて概要を確認しておきましょう。

ジョブディスクリプションとは?

ジョブディスクリプション(job description)とは、社員に任せる業務や職務内容について詳細に記載した文書を指し、日本では「職務記述書」とも呼ばれています。業務・職務内容やポジション名のほか、権限や責任の範囲、必要なスキルや技能・経験、資格などが項目として挙げられます。

業務を行う上で必要となるスキルや求められる成果をポジションごとに明確にすることで、「そのポジションに最適な人材の採用」や「能力・成果に見合った評価」の実現等が期待できます。

主に欧米諸国で用いられてきた人材募集時のツールで、日本企業で用いられることはあまりありませんでしたが、ジョブ型雇用や外国人雇用で必要となることから、近年重要視されるようになりました。

なぜ「募集要項」ではないのか

欧米の企業はなぜ「募集要項」ではなく、「ジョブディスクリプション」を取り入れているのでしょうか。目的は大きく分けて2つあると言われています。

・職務に関する曖昧さを排除するため
・適正な人事評価のため

それぞれ解説していきます。

|職務に関する曖昧さを排除するため

職務内容をあらかじめ明確にすることで、本来やるべき仕事がはっきりし、無駄な対立や不必要な業務が減ります。

「気がつくと会社と社員の間で、目的・目標の認識がズレていた…」
「この仕事を誰がするのか業務の押し付け合いで揉める…」
という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こうした「誰が・何の目的で・どの業務を・どの範囲まで遂行するのか」などが曖昧な状態を見直し、業務の分割や責任の所在を明らかにするのがジョブディスクリプションの役割です。

ジョブディスクリプションを作り、個人の目標・責任・業務の範囲を明確にすることで、業務上の無駄・非効率をなくし、組織全体の生産性を向上させることができます。

|適正な人事評価のため

ジョブディスクリプションには、「職務の目的・目標・責任・権限の範囲・必要とされる知識・技術」が明記されています。つまり、人事評価時は、このジョブディスクリプションの内容に沿って評価を下せるため、評価対象者との認識の齟齬が生まれにくくなります

評価対象者は、事前に評価される項目が分かっているので「何を頑張れば良いのか」がわかりやすく、また、「頑張っているのに評価してもらえない…」という不平・不満を抱くことも少なくなります。

このように、ジョブディスクリプションで職務とその目標などを “見える化” できるため、社員の人員計画やモチベーション管理に役立ちます

導入企業が増えている背景

ジョブディスクリプションは従来の日本ではあまり見かけないものでした。元々は欧米の企業で採用・人事評価のために利用されてきた制度です。その理由は、日本企業と欧米企業の雇用形態の違いにあります。欧米企業はジョブ型雇用を一般的な雇用形態としています。

ジョブ型雇用は職種を限定して行う採用方法であり、「担当職種に適したスキル・能力を持っているか」を重視し、その道のスペシャリストとして人材を育成していきます。そのため、ジョブ型雇用を採用している欧米企業にとっては、ジョブディスクリプションが必要不可欠となっています。

ジョブ型雇用について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【関連記事】ジョブ型雇用とは?メリット・デメリットから日立・富士通などの企業事例まで解説します!

一方、日本では先に「人」を採用し、そこに職務を当てはめていくメンバーシップ型雇用を行う企業が大半でした。メンバーシップ型雇用では、ジョブローテーションを繰り返すことにより、会社を支えるゼネラリスト型の人材を長期的に育成します。そのため、日本ではジョブディスクリプションの必要性が低く、導入が進んでいないという状況にありました。

しかし近年、ジョブ型雇用を導入する日本企業が増加傾向にあります。グローバルに事業を展開する企業が増え、それに伴う外国人従業員増加の影響・社員の専門性を高めることによる競争力伸長の狙い・同一労働同一賃金の導入といった背景により、ジョブ型雇用の必要性が高まっているのです。

これらの背景から、日本企業においてもジョブディスクリプションの導入が進んできています。

ジョブディスクリプションの4つのメリット

実際に日本企業がジョブディスクリプションを導入することで、どのようなメリットがあるのでしょう。ここでは、ジョブディスクリプションに期待できることを4つご説明していきます。

・組織の生産性を向上できる
・人事評価の公正化を図ることができる
・スペシャリスト人材を育成できる
・採用のミスマッチを防げる

それぞれについて詳しく解説します。

組織の生産性を向上できる

ジョブディスクリプションを用いた雇用形態では、対象ポジションに必要なスキル・能力を既に持ち合わせた人材を採用します。よって、入社後早期の活躍を期待できるのと同時に、ポテンシャル採用の際に要する育成・研修コストを大幅に削減することができます。最小限の投資で最大限の成果を生み出すことができるのです。

また、人材が持つ強みを最大限に発揮できる人材配置を可能とするため、社員1人1人の業務品質、モチベーション、エンゲージメントの向上が期待できます

さらに、ジョブディスクリプションには職務ごとの詳細な業務内容や求められる成果が明確に示されているため、業務の不明瞭性を排除することができます。結果として、業務の効率化及び組織全体の生産性の向上に繋がるでしょう。

【関連記事】社員のモチベーションを上げる2つの方法とは?秘訣や成功事例も含めてご紹介!

人事評価の公正化を図ることができる

ジョブディスクリプションは、人事評価の基準としても機能します。

ジョブディスクリプションによって予め具体的な業務内容や目標を示しておくことで、従業員1人1人が「今何に対して努力すればよいのか」「何を達成すべきか」を把握して業務に取り組めるため、業務の効率化が見込めます。

また、ジョブディスクリプションに記載されている成果を達成できたかどうかという客観的な基準で判断されるため、評価の公平性も担保されます。評価者の主観が排除され、誰が評価者であっても同様の結果が得られるため、従業員の評価に対しての納得度も高まるはずです。

人事評価について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください
【関連記事】【2024】人事評価制度とは|制度見直しポイントや手法を解説

スペシャリスト人材を育成できる

ジョブディスクリプションに基づく雇用は、特定の人材に対して明確な業務範囲を定めることになります。また、基本的に人事異動がないため一つの職務でより深くスキルを磨くことが可能です。つまり、限られた業務に特化したキャリアを形成していくことになるため、その分野やスキルに特化したスペシャリスト人材を育成しやすくなります。

採用のミスマッチを防げる

事業を成長させるためには、自社に適した人材の採用が欠かせません。しかし、どのような人材が必要なのかを定義することは意外と難しく、その定義があいまいになるケースもあるのが実情です。

ジョブディスクリプションを活用すれば、必要なスキルや業務遂行能力など複数の側面から客観的に判断できるため、採用したい人物基準をより明確化できます。これにより、応募者のスクリーニングや転職希望者とのマッチングの効率化が期待できるでしょう。また、採用における明確な基準を設けることで、面接官による採否のバラつきがなくなるなど、客観的な判断が可能になるとも考えられます。

さらに、転職希望者側も応募段階で細かい職務内容がわかるため、入社前後のイメージギャップを防ぎやすくなります。これにより、「想定外のミスマッチを防ぐ」「早期離職のリスクが減る」といった効果も期待できるでしょう。

ジョブディスクリプションのデメリット

ジョブディスクリプションには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、3つのデメリットについて解説していきましょう。

・仕事内容に柔軟性がなくなる
・ゼネラリスト型の人材育成には適さない
・作成と運用に工数がかかる
・記載がない業務は放置される可能性がある

それぞれについて詳しく解説します。

仕事内容に柔軟性がなくなる

ジョブディスクリプションで業務内容を厳密に定義してしまうと、「記載内容以外の仕事は範囲外だからやらなくていい」と判断する従業員が出てきてしまいます。

また、類似した業務を担当している人がいる場合には、仕事の押し付け合いによる対立も起こりかねません。従業員全員がこのように仕事を固定化する意識を持ってしまうと、経済状況や社会情勢、企業戦略の変化に対応していけなくなる可能性があります。

ゼネラリスト型の人材育成には適さない

ジョブディスクリプションは、業務内容を特定の業務範囲に限定するための文書であるため、対象分野に特化した業務経験を集中的に積み、その道のスペシャリストとしてキャリアを築きたい人には適した制度となります。

しかし反対に、幅広い業務に携わりたいというゼネラリスト志向の求職者には不向きです。組織を運営するにあたり、ゼネラリストは不可欠となるため、ゼネラリストに目を向けたジョブディスクリプションも検討する必要があります。

作成と運用に工数がかかる

ジョブディスクリプションの作成と運用には、多くの工数が必要です。

特に日本企業の場合には職務内容が明確に定義されていないことが多いため、ジョブディスクリプションの導入初期には多くの時間と労力が必要となるでしょう。そのような導入初期の工数が障壁となり、ジョブディスクリプションの作成に踏み切れない企業も少なくありません。

また、ジョブディスクリプションは一度作ったら終わりではなく、定期的な更新が必要です。

企業の状況や市場環境の変化、技術の進歩などにより、職務内容や必要なスキルは常に変化します。そのため、ジョブディスクリプションを最新の状況にアップデートし続けることにも一定の工数が発生するでしょう。

記載がない業務は放置される可能性がある

社員の職務が明確に定義され、効率的に業務を進めることができるのは、ジョブディスクリプションの大きなメリットです。しかし、ジョブディスクリプションに含まれていない業務は、放置される可能性があります。

「私の担当範囲ではないから」という社員が現れると、業務の進行が停滞し、組織全体の生産性が低下する可能性があります。

このようなリスクを避けるためには、各職務の業務内容を詳細に洗い出し、ジョブディスクリプションに漏れなく記載することが重要です。これにより、全ての業務が適切に分担され、組織全体の生産性を維持することができます。

ジョブディスクリプションに記載すべき項目

従来の日本企業の採用に用いられてきた「募集要領」とは異なり、ジョブディスクリプションは、職務の詳細な内容、求められる資質や経験などを詳しく記載する必要があります。

一般的に、ジョブディスクリプションには以下のような項目が記載されます。これをベースに、自社の状況に合わせて調整してください。

 

・職務等級/職種/職務名/会社概要
・職務概要/具体的な職務内容/職務内容の比重
・期待される目標/ミッション
・組織とのかかわり方
・責任・権限の範囲に関する補足/報告義務のある直属の上司/部下の数
・雇用形態/勤務地/勤務時間/時間外手当支給の有無
・必要とされる知識、スキル/必要とされる資格/必要とされる学歴など/待遇・福利厚生

職務等級/職種/職務名/会社概要

職務等級は、従業員の能力や役割を5段階程度に区分するもので、職種により「一般」「初級管理職」「経営管理」などの「マネジメント」の視点での分類と、「アシスタント」「担当者」「初級専門」などの「エキスパート」の視点での分類とを使い、それぞれの等級を記入します。

職種」には、担うべき役割である「営業」「総務」などの大枠を、「職務名」にはその中で担当する、より詳しいポジション名を記載します。何段階に分けるか、職務名の定義などは、自社の人事制度に合わせてアレンジするとよいでしょう。

また、「会社概要」には応募者が仕事内容をよりイメージしやすいよう、企業の歴史や、どのようなサービス・価値を生んでいるのか、あるいは社会に対しどのように貢献しているかなどを記入しましょう。

【関連記事】ミッショングレード(役割等級制)とは?導入のメリット・デメリットや企業事例などを徹底解説します

職務概要/具体的な職務内容/職務内容の比重

職種概要」と「具体的な職務内容」では、そのポジションでの仕事や目的を記します。ここでも、応募者がよりリアルに職務内容をイメージしやすいよう、内部・外部問わず仕事上かかわる相手や、日々の仕事を具体的にしていきます。職務内容は日々の仕事を一つ一つ箇条書きで記載しますが、その際「優先度」「重要度」「頻度」などを高い順に記しましょう。

職務内容の比重」は、それぞれの内容について、実際に行う頻度や時間の長さなど、かける工数を記したものです。「優先度」「重要度」「頻度」を項目ごとに数値化して記載する方法もあります。

期待される目標/ミッション

期待される目標・ミッション」では、職務を実行する際の目標を記載していきます。

売上や件数、時間など、数値化できるとより客観性が上がります。また、採用時には短期的に求められる具体的な成果を示すことで、企業と求職者お互いの認識がずれにくく、求める人材の獲得につなげやすくなるでしょう。

組織とのかかわり方

組織とのかかわり方」では、その職務に就く人と組織との関係性を記します。

その業務が組織の中でどのようなフローで行われるのか、あるいはそこに関連するチーム・上司や部下といった人間関係などを記載しておくと、応募者が組織とどのようにかかわっていくことになるかが、イメージしやすくなるでしょう。

責任・権限の範囲に関する補足/報告義務のある直属の上司/部下の数

職務内容について、その担当者が持つ権限や、責任の範囲を明確にします。社内外での権限に違いがある場合や、職務等級に基づいた責任や権限の内容について、補足があれば記入しておきます。

また担当職務の直属の上司にあたる存在と部下がいる場合は、その人数も記載しておくと組織編成がよりわかりやすくなります。

雇用形態/勤務地/勤務時間/時間外手当支給の有無

一般的な求人票で記載される項目と同様に、「雇用形態」「勤務地」「勤務時間」「時間外手当支給の有無」などについて、それぞれ記載します。企業と求職者側で認識の相違がないようにしておきましょう。

必要とされる知識、スキル、資格、学歴など/待遇・福利厚生

職務に就くにあたって必要となる基本的な知識やスキル、資格のほか、必要とされる学歴などを具体的に記載します。たとえば、PCの基本スキルと書くよりも、Excelで基礎的な表計算ができる程度と書く方がレベル感が伝わります。

また、「待遇・福利厚生」では対象となる待遇や諸手当などを記載しておきます。細かく書くことでより魅力的に感じてもらうことができ、優秀な人材からの応募につながります。

ジョブディスクリプション記載見本【テンプレート】

ジョブディスクリプションの書き方にルールはありません。そのため、レイアウトやデザインなどのフォーマットも基本的には自由です。ただし、一般的にはA4用紙1枚に収まる程度の文書量が適当、とされています。必要な項目は抑えつつ、要点を絞って記載できる形式を目指しましょう。

なお、ファイル形式や編集方法にも決まりはありません。自社で使いやすい文書作成ソフトや表計算ソフトなどを使って作成して問題ありません。

下記にジョブディスクリプションのテンプレートをご用意しました。記載例を参考に、自社に合わせたものを作成してみてください。

項目例

ジョブディスクリプションに記載される項目例を以下に示します。特に、職務内容・範囲、求められる知識・スキルについては、詳細に記載しましょう。

・職務等級、職種
・職務概要、具体的な職務内容
・具体的な目標、達成すべき成果
・組織とのかかわり方
・責任・権限の範囲
・雇用形態
・勤務地
・勤務時間
・時間外手当支給の有無
・必要とされる知識、スキル、資格
・待遇・福利厚生

記載例

職務等級中級専門職
職種SE
職務名プロジェクトマネージャー
職務概要大規模案件や事業戦略上、特に重要な顧客プロジェクトの推進と管理を行う。
具体的な職務内容・プロジェクト立ち上げ、計画策定
・進捗管理、課題管理、品質管理、コスト管理
・ニアショア開発のプロジェクト管理
・顧客折衝
期待される目標年間計画で策定されたプロジェクトの完遂
責任幅広い専門知識・スキルを有し、リーダーシップを発揮する。
直属の上司IT事業部 事業部長
雇用形態正社員
勤務地東京本社
勤務時間フレックス制度(コアタイム10時~15時)
必要とされる知識、スキル・オープン系システムor業務基幹系システムのシステム構築と保守運用経験が5年以上の経験
・プロジェクトマネジメントもしくはPMOの経験
必要とされる資格・プロジェクト管理者資格
・情報処理系資格

参照:「ダウンロード資料①ジョブディスクリプション記載見本・テンプレート【簡易版】」

ジョブディスクリプション作成の4つのステップ

具体的なジョブディスクリプションの作成方法をステップごとにご説明します。

1.対象職務について情報収集・ヒアリングを行う
2.集めた情報を精査する
3.精査した職務情報をもとにジョブディスクリプションを作成する
4.経営層・現場への最終確認

それぞれについて詳しく解説します。

対象職務について情報収集・ヒアリングを行う

まずは、ジョブディスクリプションを作成するそれぞれの職務についての情報を収集し、それぞれの職務における実態を詳細に「分析」していきます。その際に必要となるのが「対象職務に関する情報収集」と「実際に業務にあたっている従業員に対する、意見のヒアリング」です。

対象職務に関する情報収集では、職務等級責任職務内容などの一般的な項目から、必要とされる知識やスキル責任権限の範囲などまで明確化しましょう。また、現場の声を取り入れるため、職務ごとにヒアリングを行います。

情報収集だけでなく実際に現場で働いている対象職務の方へのヒアリングも実施することで、企業から求められる行動と、現場での実態とのギャップを最小限にとどめることができるでしょう。なお、情報の偏りを無くし信頼度を高めるため、ヒアリングは複数人を対象に行うのが望ましいとされています。現場で働いている責任者、メンバーそれぞれからヒアリングを行うのが理想でしょう。

現場責任者にヒアリングする内容社員に任せる業務の目的
業務内容
業務範囲
必要な能力 など
現場のメンバーにヒアリングする内容業務内容
業務範囲
必要な知識・経験・能力 など

ジョブディスクリプションに関してよく問題として挙げられるのが、記述内容と実際の職務内容との差異です。このギャップを埋めるために、情報収集のステップは最重要となります。事前に調査した情報だけでなく、現場へのヒアリングも実施することで、信頼性の高い情報を集めましょう

集めた情報を精査する

次に、集めた情報を人事や部門ごとのマネージャーを中心に精査していきます。調査に基づき、それぞれのポストにおける具体的な業務内容を決定しましょう。

そのためには、職務を完遂するために必要な作業を一つ一つ定義し、「なぜ」「何を」「どのように行うか」などを整理しておくことが重要です。

業務内容の洗い出しが終わったら、各項目を、「重要度」「優先度」「頻度」など複数の視点で数値化してまとめます。その際、重要度や頻度の高いものがより上にくるように並べていくことで、業務の実態がより明確になります

実際に作成する

精査した職務情報をもとに、それぞれの職務内容を記載したジョブディスクリプションを作成します。ジョブディスクリプションはA4サイズ1枚程度に収まる量で作成するのが一般的です。

フォーマット(ページ内ジャンプ)に記された記載例も参考にしながら、自社に合わせてそれぞれの項目を書き込んでいきます。

経営層・現場への最終確認

ジョブディスクリプションが完成したら経営層及びヒアリングを行った現場責任者・メンバーに最終確認を行います。

「業務内容に齟齬はないか」
「任せるミッションは間違っていないか」
「人事評価と連動したジョブディスクリプションになっているか」
など 、複数の視点からジョブディスクリプションに問題がないか確認しましょう。

上手く活用するためのポイント4つ

ジョブディスクリプションを導入する場合、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。ジョブディスクリプションを円滑に運用するため、導入時に気を付けるべきポイントを4つご紹介します。

・現場スタッフにヒアリングを行う
・組織全体の業務内容まで詳細に盛り込む
・社内の意見を反映させる
・導入後は定期的にPDCAを回す

それぞれについて詳しく解説します。

①現場スタッフにヒアリングを行う

ジョブディスクリプションの作成時に重要なのは、実際の業務との差異が出ないようにすることです。そのためには、まず現場のヒアリングが必要となります。現場スタッフのインタビューやアンケートを通じて、それぞれの業務内容を明確に把握しましょう。

ヒアリングでは、「責任や権限の範囲」「必要な資格・スキル」「必須ではないが求められる資格・スキル」などを、詳しく確認していくと良いでしょう。

②組織全体の業務内容まで詳細に盛り込む

ジョブディスクリプションの各項目は、担当する職務内容を詳細に記述したものです。これにより、各職務の担当者は、迷いなく自身の業務を遂行できる半面、「担当業務以外はやらなくてよい」という意識が芽生える可能性があります。

組織内で仕事が円滑に回らなくなったり、誰も手をつけない業務が生じたりすることにより、組織全体の生産性が低下することもあるでしょう。このような状況を防ぐためには、組織で行われる業務内容を網羅したジョブディスクリプションを作成することが肝心です。

また、それぞれのジョブディスクリプションでも、ほかの職種・部門の担当業務とのつながりを明確にしておくと、チームや組織全体で円滑に業務が遂行できるでしょう。

③社内の意見を反映させる

ジョブディスクリプションの作成においては、採用チームだけでなく社内全体からの意見を反映させることが重要です。社内全体から多様な意見を取り入れることで、抜け漏れのないジョブディスクリプションを作成することができます。

現場のヒアリングに基づいてジョブディスクリプションの初稿を作成した後、経営層や各部門長、現場の管理職やスタッフ、そして人事担当者など、役職や職位を問わず多くの人々からのフィードバックを受けて取り入れるようにしましょう。

また、このプロセスは組織全体の理解と協力を得るうえでも重要です。ジョブディスクリプションは職務の範囲と期待を明確にするためのツールであり、組織全体の共有事項でなければなりません。社内全員が参加し、理解し、賛同することで、ジョブディスクリプションは真の価値を発揮するでしょう。

④定期的にPDCAを回す

ジョブディスクリプションは、導入したら終わりではなく、運用中も定期的に見直しを行って改善に努めましょう。つまり、Plan→Do→Check→Actionと『PDCAサイクル』を回していくのです。

企業によっては年間や半期ごとの目標によってミッションや業務内容が変わるケースがあるため、ジョブディスクリプションは実務に合わせて常に最新の状態にアップデートしておく必要があります。

他にも、社会の変化によって必要とされるスキルや資格が変わることもあれば、事業の縮小や拡大、組織変更などがある場合もあるでしょう。そういった変化があった際には、ジョブディスクリプションの内容を見直さなければなりません。

組織の生産性を向上させ、人材開発の効果を最大化するためにも、ジョブディスクリプションは定期的にPDCAを回して改善し続けることが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はジョブディスクリプションについて詳しく説明しました。

ジョブディスクリプションは、従来までのメンバーシップ型・年功序列といった日本的経営を根本的に変えていく制度であり、様々なメリットがあることをご理解いただけたかと思います。一方、注意点やデメリットもあるので、企業体制を大きく変えるジョブディスクリプションは慎重に導入していく必要があるといえるでしょう。

ジョブディスクリプション導入の際には、ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

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