降格人事とは?違法性や処分内容、注意点などについてご紹介します!

降格人事とは?違法性や処分内容、注意点などについてご紹介します!

こんにちは。digireka!HR編集部です。人事において、社員の降格を行わなければならない場合は注意が必要です。降格人事は、社員の名誉や給与にも影響することが多く、会社側は慎重に検討したうえで実施する必要があります。

本記事では、降格人事の違法性や処分内容、注意点などについて詳しくご紹介します。

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降格人事とは?

降格人事とは、組織において従業員を従来の地位や役職より下位に配置することを指します。企業が降格を命じると、対象となる社員の立場には大きな変化が生じます。

降格処分は、大きく分けると「懲戒処分」としての降格と、「人事異動」としての降格の2つに分けられます。

「懲戒処分」としての降格

企業に大きな損害を与えた場合や不利益を生じさせた場合などに、罰則や懲罰として行われるものが懲戒処分です。

社員として果たすべき義務を怠ったり、規律に反した者に対して行われる降格処分です。

「人事異動」としての降格

特に自分がミスや失敗をしたわけでなくても、人事異動の結果として降格になることを指します。人事異動としての降格にはさらに2つに分けられます。

降職(解任)

降職(解任)とは、職位を引き下げることです。これは、社員の役職やポストを解き、下位の職位に変更することを指します。例えば、部長を解任して課長にすることなどが挙げられます。なお、この処分自体がすなわち給与を引き下げるとは限りません。

降格(降級)

降格(降級)とは、社員の職能資格や給与等級を引き下げることです。職能資格とは能力や経験に応じて定められているグレードで、等級が下位になるにつれて基本給が減額になることがあります。

降格人事に違法性はないのか?

懲戒処分としての降格の場合

懲戒処分としての降格は、就業規則に懲戒の根拠があり、またその懲戒処分に相当性があることが条件であり、満たさない場合は違法になります。

規律違反の内容に比べて、懲戒処分が重すぎるケースも違法になります。

人事異動としての降格の場合

人事異動としての降格は、企業の権利によるものがほとんどなので、より違法になる可能性が高いです。企業の権利を濫用した降格処分はもちろん違法になります。また降格により賃金がカットされる際は、当事者の同意または就業規則の根拠が必要となります。

当事者が受ける不利益などを考慮し、降格処分が適切で違法性がないかを総合的に判断する必要があります。

減給など、降格人事の処分内容

減給

減給は、降格人事と合わせて実施されることが多い代表的な処分内容です。これについては主に2つのパターンが考えられます。

1つ目は、人事降格のうち降職(解任)の場合です。この場合、基本給は必ずしも下がる訳ではありません。しかし、役職手当については、従来は部長職だったのが課長職になることで給与総額が減るケースがあります。

2つ目は人事降格のうち降格(降級)の場合です。この場合、直接的に基本給が下がる場合があります。あるいは、処分に伴う異動で、基本給が低い職務を担当することで実質的な等級落ちとなり減給になるケースも対象です。

ポストのみ変更(減給なし)

減給は伴わず、ポストのみが変わるという処分内容もあります。

これは、社内の部署整理によって該当のポストが消滅し、別の下位ポストに就くケースが代表的な例です。

あるいは、社内の人事制度の変更によって役職が統廃合された場合に、ポストだけが変わる場合があります。こういった例は、ポスト名だけに注目すれば降格人事にはなりますが、会社都合であるため基本給の減給は伴いません。

降格人事を行う際の注意点

就業規則に明記する

降格の制度や具体的な判断基準は就業規則に明記する必要があります。

降格人事は、社員にとって減給や精神的なダメージなど、不利益が生じる処分です。そのため、人事部や管理者の判断によって恣意的に降格させることは許されず、根拠となる規定を用意しなければなりません。

就業規則への明記は、特に等級引き下げの降格(降級)や懲戒処分の場合に必要になります。懲戒処分は会社の懲戒権によって強制的に社員を従わせることになるため、濫用を避けるために基準を明記しておくことが重要です。

降格理由の根拠を集める

降格を決定する際は、噂や印象だけで判断するのではなく、根拠を用意する必要があります。

懲戒処分の場合は、その理由となる不手際や過失といった行為を示す客観的な証拠が必要です。これは、社員本人の聞き取りや、関係者への聞き取り、メール・書類といったデータ、違法行為の場合は警察などの調査結果といったものが証拠になります。

また、人事降格の場合も成績不振を示すデータだけでなく、あくまでも本人の実力や態度に原因があるということを説明できるようにしておく必要があります。

人事権や懲戒権の濫用に注意する

会社側は降格処分が権利の濫用に当たらないかどうか慎重に判断する必要があります。

降格人事の規定について就業規則に記載があることが前提ですが、記載があるからといって必ずしも降格の処分が有効とされるわけではありません。実際に、会社が行なった降格人事について納得できない社員側が裁判に持ち込み、会社側の決定が一部あるいは全部無効だと判断されたケースもあります。

降格人事を決定する前には、その社員が現在のポストに不適格なのか、降格処分は業務上必要なのか、会社側に降格の必要性を証明する証拠があるのかといった点を十分に検討しなければなりません。

降格人事の伝え方

社員に対して降格を伝える際は、必ず正式な文書で行いましょう。メールや口頭でしか降格を伝えない場合、社員としては正式な通知をされていないため、その重要性を理解が伝わらない可能性があります。

文書を作成する際は、ビジネス文書の形式に従い、誰から誰に向けて通知するのかを明確にすることが大切です。また、本人の納得を得るためにも必ず降格理由を記載するようにしましょう。

降格処分によって社員の給与が下がる場合には、具体的にどれだけ減給されるのかを記載する必要があります。また、課長から係長への降格など、具体的にどの役職への降格なのかを記載するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、降格人事の違法性や処分内容、注意点などをご紹介しました。

降格人事は、社員に少なからず精神的なダメージを与え、給与にも影響を及ぼすことがある重大な決定です。判断をする際は、その処分が合理的かどうかを十分に検討し、トラブルにならないよう慎重に進めましょう。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

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